UVプロテクションのエクスパート、ランコムから“美人UV”誕生！

　今からさかのぼること18年前の2000年、先進のUVフィルター『メギゾリルSX』を配合し、高いUVプロテクションを実現した『UV エクスペール』がランコムから誕生しました。UVプロテクト効果と、これまでの日焼け止めの概念を覆す使い心地で瞬く間に多くの女性を虜にし、その名を不動のものに。

　そんな『UV エクスペール』は常に時代に合わせた進化を続け、2010年には初代BBクリーム、2014年にはUV-Aの中でも波長の長いロングUV-Aまで防御するプロテクションクリームをこの世に送り出して大きな話題となりました。さらに2016年には、可視光線の中でも最も波長が短く、エネルギーが強いブルーライトから肌を守るCCCクリームを登場させ、“ブロックすべきはもはや紫外線だけではない”という、その後に続くランコムUV製品のスタンダードを創り上げました。

　そして今回、『UV エクスペール』に新しいカテゴリーのUV製品が登場するというニュースを聞き、早速、製品開発に携わった研究者に会うべく、ランコムを訪れました。

　お話を伺ったのは、日本ロレアル リサーチ＆リノベーションセンターのロマン・タション研究員。パリ第6大学にて分析化学の博士号を取得後、2010年にロレアルグループに入社し、日本のメイクアップ開発部門にてキャリアをスタート。現在は、日本人の皮膚の特性を研究し、メイクアップとスキンケアの双方の分野で革新的な技術を開発しているそう。この２月に新発売する『UV エクスペール トーン アップ』は、そんな彼が手掛けたもの。そもそも“新しいカテゴリー”というのは、どういうものなのでしょうか？

「これまでは紫外線をはじめ、さまざまな外的刺激から肌を“守る”ことが『UV エクスペール』の使命でした。しかしこれからは、紫外線UV-A、UV-B、ロングUV-Aからのプロテクトはもちろん、汚れた空気（※1）や酸化ストレスなど、現代女性の多くが直面する“都市型ストレス”に対応をしなければなりません。つまり、“守る”だけではなく、さらに“美しく魅せる”ことにこだわった製品の開発に着手しました」（タション研究員）

　CCクリームやBBクリームのようにカバーすることで美しく魅せるのではなく、肌色のトーンを上げることで素肌を美しく魅せることに挑戦したという。そして、その研究のキーワードとなったのが“都市型ストレス”。これはいったい何なのでしょうか？

「現代人の生活は、利便性を叶えるとともに多忙を極め、ライフスタイルの都市化が進んでいます。今日、世界の人口の54％が大都市で生活しています。さらにアジア地域を見た場合、日本の人口の94％は都市部で生活をしています（※2）。こうしたライフスタイルが新たな疲労感を生み出し、精神的なイライラ、頭痛、まぶたの重さ、顔色のくすみなど、さまざまな症状が現れてきています。さらに研究を続けたところ、若い女性の40％は、少なくとも一週間のうち１日、あるいはそれ以上、疲労感が見た目に現れているという事実に着目しました」（タション研究員）

　昨今、肌トラブルの主な原因は、紫外線やストレスに加え、環境汚染の問題が大きくクローズアップされています。特にアジア地域ではそれが顕著だそう。事実、研究所でも、大気汚染物質のひとつがUV-Aによるダメージを約3.7倍増幅させることを突き止めています。

「そんな都市型ストレスに悩む女性のために開発したのが『UV エクスペール トーンアップ』。紫外線や汚れた空気（※1）から肌を守るだけでなく、肌のトーンにアプローチし、日焼けによるシミや乾燥などに向き合います。つまり、守りながら肌を美しく魅せる“美人UV”という新カテゴリーを登場させました」（タション研究員）

　塗った瞬間から肌のトーンを上げるために開発されたのがランコム独自の『トーン アップ テクノロジー』。これが今回注目のテクノロジーです。

「肌表面で光を拡散する透明のパールと、光を乱反射するパウダーを組み合わせることで、肌にスパークするような輝きと透明感を実現。さらに乱反射した光は肌色を均一にし、瞬時にブライトニング効果を生み出します。従来のように肌の色を顔料でカバーするのではなく、光の拡散で肌をワントーンアップさせて見せるのは技術的にハードルが高く、日本人の肌に合うよう100通り以上の組み合わせにチャレンジしました。もちろん、『UV エクスペール』ならではの、UVプロテクション効果も万全です。UV-A、UV-B、ロングUV-Aから肌を守る、ロレアル独自の紫外線吸収フィルター『メギゾリルSX』（※3）と『メギゾリルXL』（※4）を含む６種類の高機能性UVフィルター成分を配合した『マルチプロテクション テクノロジー』を搭載しています」（タション研究員）

　これにより紫外線だけでなく、シアエキスが大気汚染物質をブロックし、酸化ストレスから肌を守るビタミンEも配合。さらに、ブライトニング効果、保湿効果、汗に強いスウェット レジスタント フォーミュラ、ノンコメドジェニックテスト済み（※5）、敏感肌（※6）でも使えるフォーミュラなど、女性にとってうれしすぎる機能が満載です。

　フレッシュでみずみずしいつけ心地で肌にスッとなじむテクスチャーは、もはや日焼け止めというより日中用美容液のような心地よさ。それでいて外的刺激から肌をプロテクトしながら、肌をトーン アップ（※7）して美しく魅せる。しかも、高温多湿な日本の気候を考慮して崩れにくさにもこだわったと、タション研究員は熱く語ってくれました。塗った瞬間、肌の明るさを実感できる仕上がりは、まさに“美人UV”！ランコムの新カテゴリー提案に納得です。

お話をお伺いしました

ロマン・タション　さん
Romain Tachon
日本ロレアル リサーチ＆イノベーションセンター
コスメ応用研究室　マネージャー　理学博士

2010年にロレアルグループに入社。原料の色と光学特性を専門に、４年間日本人女性のメイクアップのルーティンからベースメイクアップ製品の処方まで広範な知識を取得。2014年より日本の応用研究部門のカラー＆光学効果ラボを統括。

※1　大気中の微粒子（すべての大気中物質とするわけではありません）
※2　The World Data Bank
※3　テレフタリリデンジカンフルスルホン酸（UVフィルター）
※4　ドロメトリゾールトリシロキサン（UVフィルター）
※5　すべての人にコメド（ニキビのもと）ができないわけではありません
※6　すべての人に肌トラブルが起きないわけではありません
※7　メイクアップ効果による

取材・文／藤井優美（dis-moi）