不調の原因となる「冷え」を改善!覚えておきたい“女性の三大漢方”

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不調の原因となる「冷え」を改善!覚えておきたい“女性の三大漢方”
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女性の悩みのタネである「冷え」を改善し、体のバランスを整えてくれる漢方薬。名前自体はよく聞くものの、改めて漢方薬って一体どんなものなのでしょうか?前回の記事に引き続き、株式会社ツムラ ヘルスケア部・光永亨洋さんに詳しくお聞きします。この機会にぜひ、漢方薬の基礎的な知識を学んでみましょう。

知ってる?「生薬」と「漢方薬」の違い

突然ですが、皆さんは「漢方」について正しく理解できていますか?

漢方は5〜6世紀に中国から日本へ伝わった医学を、日本人の体質や風土に合わせて進化させていった、「日本独自の医学」といえるものです。「漢方薬」とは、自然界にある植物や鉱物などの「生薬」を、複数組み合わせて作られた薬のこと。つまり、「生薬」は「漢方薬」の材料です。そして、単独の生薬では得られない“組み合わせの妙”によって、全身の調子が改善されることを目的として処方されているのが「漢方薬」です。

漢方の考え方の基本「気・血・水」とは

「まず知っておいていただきたいのが、漢方医学には生体を維持する三要素として、『気(き)・血(けつ)・水(すい)』という考え方があるということです。この3つのバランスが整うことで、人は健康な体を維持できます」(光永さん、以下同)

【気】:体の中を巡っているエネルギー(熱量)のこと。自律神経の働きに近いものと考えられています
【血】:主に血液のこと。全身を巡ってさまざまな組織に栄養を与えます
【水】:血液以外の体液全般にあたり、水分代謝や免疫システムなどにかかわるものです

この3つのうちひとつでも異常を起こすと体全体のバランスが崩れてしまい、それに伴ってさまざまな症状が引き起こされます。たとえば、同じ「頭が痛い」という症状でも、医師や薬剤師は気・血・水のうちどのバランスが崩れているかによって処方する薬を決めているのだそう。なお、気と血は体を温める性質、水は体を冷やす性質があります。

イライラ、肌荒れ、むくみ…あのお悩みも「気・血・水」の異常が原因だった!?

気・血・水のバランスが崩れると、体にどのような症状が起こるのでしょうか?特に女性に多い3つのお悩みに注目して、光永さんに解説してもらいました。

イライラする、気分が落ち込む

「気」の異常。イライラするのは気が逆流する「気逆(きぎゃく)」という状態です。気分が落ち込むのは気が滞っている「気虚(きたい)」や、気が不足している「気虚(ききょ)」の状態と考えられます。体温調整中枢に異常が起こり、ほてりやのぼせを感じる一方で下半身には冷えを感じたり、エネルギーがうまく作られずに体が冷えたりする原因にもなります。ストレスが溜まりやすい人は気の異常が起こっている可能性があります。

■処方される漢方薬の分類:気のめぐりを良くする「理気剤(りきざい)」、上がった気を落ち着かせる「降気剤(こうきざい)」

肌が荒れる、乾燥する

「血」の異常。血行が滞り、熱運搬能力が低下している「おけつ」や血が不足している「血虚(けっきょ)」という状態です。漢方医学では血=栄養素という概念があり、体を温めるほかにうるおす作用もあると考えられています。そのため、血が滞っていたり不足していたりするとうるおいが足りずに乾燥肌になります。また、血行不良は目の下のクマやシミの原因にも。きちんと栄養を摂っているのにこれらの症状が出る人は、血をうまく運べていない可能性があります。

■処方される漢方薬の分類:血の巡りを良くする「駆おけつ剤(くおけつざい)」

むくみがある、頭痛がする

「水」の異常。水分代謝が滞っている「水毒(すいどく)」の状態です。漢方医学では胃腸が弱くなると水が溜まりやすい=熱を作りづらいという考え方があり、胃腸の弱い人は体が冷えやすい傾向にあります。お酒の飲み過ぎによる二日酔いも水毒の症状のひとつ。また、雨が降る前日に頭痛がするという人も、水の代謝が良くない状態です。

■処方される漢方薬の分類:余分な水分を排出する「利水剤(りすいざい)」

「ちなみに、女性特有の悩みのひとつであるPMS(月経前症候群)は、気・血・水すべてに異常が出ている状態です。冷えで気・血・水のバランスが崩れることで、PMSの症状をさらに悪化させます」

覚えておきたい“女性の三大漢方”で冷え対策を

冷えによるむくみに効く「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」

血を巡らして補う生薬、余分な水分を取り除く生薬などが配合され、おけつや水毒を改善する漢方薬です。冷えによるむくみ、めまい、肩こりなどの症状に効果があります。

ツムラ漢方当帰芍薬散料エキス顆粒 (第2類医薬品)

ツムラ漢方

容量・本体価格 20包・2,400円 / 48包・4,300円

【効能・効果】
体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴えるものの次の諸症:
月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り

冷え症、イライラや不眠症に効く「加味逍遙散(かみしょうようさん)」

温度感覚を是正する生薬、血を巡らして補う生薬、余分な水分を取り除く生薬などが配合され、気滞・気逆、おけつ、水毒を改善する漢方薬です。冷え症、イライラ感や不眠症、ストレスによる頭痛やめまいにも効果があります。

ツムラ漢方加味逍遙散エキス顆粒(第2類医薬品)

ツムラ漢方

容量・本体価格 20包・2,400円 / 48包・4,300円

【効能・効果】
体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向のあるものの次の諸症:
冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症(※)、不眠症
(※)血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことである

冷えによる肌荒れや生理痛に効く「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」

血を巡らして補う生薬、余分な水分を取り除く生薬が配合され、おけつや水毒を改善する漢方薬です。冷えによるにきびなどの肌荒れや生理痛などに効果があります。

ツムラ漢方桂枝茯苓丸料エキス顆粒A (第2類医薬品)

ツムラ漢方

容量・本体価格 20包・2,400円 / 48包・4,300円

【効能・効果】
比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの次の諸症:
月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の道症(※)、肩こり、めまい、頭重、打ち身(打撲症)、しもやけ、しみ、湿疹・皮膚炎、にきび
(※)血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことである

上記3つを見てもわかるように、漢方薬はさまざまな生薬を掛け合わせるため、1種類でも複数の症状に効果があるのが特徴です。むくみを治す目的で漢方薬を飲み始めたら、頭痛や肩こりも治った!という嬉しい効果があるかもしれません。気・血・水のバランス調整に漢方を役立てて、体を冷えから守りましょう

次回は、「漢方薬を飲むときの注意点」や「市販の漢方薬と医療用の漢方薬の違い」など、実際に漢方を活用するために知っておきたい8つのことを、一問一答形式で伺っていきます。

取材・文/芳賀直美


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