ヘルスケア
2016/02/28

【更年期の漢方】 ホットフラッシュには桂枝茯苓丸を処方

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Photo / Takayuki Abe Styling / Makiko Suzuishi

更年期に入ると多くの女性が悩むホットフラッシュやのぼせの症状。自律神経のバランスが崩れることで体温調節ができなくなるといわれています。ホルモン補充療法で改善されることも多いようですが、漢方薬ではどのような処方をされるのでしょうか? 漢方薬に副作用はないのでしょうか。「芝大門いまづクリニック」の今津嘉宏先生に伺ってみました

漢方薬は必ず体質に合ったものを

「漢方薬はその人の体質、生活習慣、症状などを複合的、多面的に診て処方するもの。自己判断での処方は避けてください」と断ったうえで、ホットフラッシュやのぼせの症状に改善の効果があると認められている漢方薬を教えてくれました。

「漢方で薬理効果が認められているのは『桂枝茯苓丸』という薬です。もともと『血』の巡りに問題がある場合に使用する薬で、女性の生理に関わる不調を改善します。血液の循環を良くしたり、ドロドロした血液を改善する効果がある薬です」

体質的には、どんな方に処方されるのでしょうか?

「お腹や手足の末端などに冷えがあって、顔のほうが熱い。汗が出てくる、のぼせた感じがある方です。特徴としては、あざが出来やすかったり、運動不足や食生活の乱れがある人。でも、精神的な浮き沈みやイライラや全身の疲労感などは少ない方ですね」

「東洋医学では「気・血・水」のどれかが乱れると、体調も乱れると考えます。気はエネルギー(活力)、血は血の巡り、水は水分代謝と考えると分かりやすいのですが、桂枝茯苓丸は、血の巡りだけが乱れている方に処方します」

効果が出るまでに2週間ほど。 改善すれば漢方薬治療は終了!

処方例を教えてもらえますか?

55歳 女性
症状:多汗症と冷え
   以前から暑がりで、滝のような汗をかくのに、下半身は冷える
所見:やや太め、朗らかな性格

「この女性は、まさに下半身は冷え、上半身が熱く、滝のような汗をかく。ほかに精神的、肉体的な症状はないので桂枝茯苓丸のみを処方しました。すると、2週間後には「汗が減り、のぼせがなくなった」「足の冷えが改善」「便通が良くなった」とのことで、薬は2週間で終わりにしました」

2週間で改善するのですね。これで治療は終わりなのでしょうか?

「改善した場合は、これで治療は終わりますね。もし、改善しない場合は『ヨクイニン』という漢方をプラスして血液循環をより良くしますが、この方の場合は、これで終わりました。このあとは、食生活の改善と、何より運動不足で血の巡りが悪くなっているので、運動習慣を身につけて、巡りの良い、冷えない体質改善を日常生活の中で行ってもらいます」

生活習慣の見直しは必須なのでしょうか?

「その人が持っている習慣の中で、必ず症状を悪化させる、引き金を引く行動や習慣があるんですね。それが見直せれば、症状はそこまで酷く出ないんです。なので、足を引っ張っている習慣の見直しは、薬を飲みながら続けてもらいます。そうすることで、本来は薬に頼らなくても大丈夫なことも多いのです」

桂枝茯苓丸は、乳がん細胞の増殖がないのでおすすめ

「ホットフラッシュやのぼせの改善をするホルモン補充療法は、女性ホルモンのエストロゲンを増やすことで症状を改善しますが、桂枝茯苓丸はエストロゲン作用がありません。血中のエストロゲン濃度に影響を与えないことから、乳がん細胞を増殖する危険もない。だから、乳癌などを経験している方には、桂枝茯苓丸を処方することが多いんです」

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芝大門 いまづクリニック
今津 嘉宏先生

西洋医学と漢方医学、栄養療法を組み合わせ「頭のてっぺんから足の先まで」を合い言葉に診療を続ける。外傷治療にはじまり、食道癌の内視鏡治療や手術、抗がん剤治療、放射線治療など様々な癌治療に携わる。また、生活習慣病の診療、女性の漢方外来なども行い、多面的な診察、治療が行える希有な医師。近著には「115歳が見えてくる、ちょい足し健康法」(ワニブックスPLUS新書)がある。

取材・文 坂本真理

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