ヘルスケア
2015/11/18

運動しないと早死にする!? 運動不足と肥満で老化がすすむ理由

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Photo / Takayuki Abe Styling / Makiko Suzuishi

座りっぱなしの生活は早死にする!

運動しない生活は、喫煙やアルコールの飲み過ぎと同じように、健康に害を及ぼす……。WHOによると、“座りっぱなしで身体を動かさない生活=セデンタリー・ライフスタイル”が年間200万人の死亡原因につながっていると言われているそうです。運動しない生活が、なぜ健康を害してしまうのか、横浜クリニックの青木晃先生に、抗加齢の見地からお話を伺いました。

「セデンタリー・デス・シンドローム=座りっぱなしだと早死にする。運動不足が老化の引き金を引いてしまうというのは、最近の研究でわかってきたことです。これまで、運動は身体にいい、という言い方をしてきましたが、今は運動しないことは、身体にとって非常に悪いことをしている、という考え方が常識になりつつあります」

「僕が所属する日本抗加齢医学会が提唱するアンチエイジングは、健康長寿。そのための新しい予防医学です。健康で長生きするというテーマで考えたとき、運動しないことが早死にするということは、運動しないのは、アンチ・アンチエイジングだということになる。だから、運動習慣はアンチエイジングのために非常に重要なのです」

運動しないことが、がん(癌)の原因に? 運動不足と肥満が様々な病気の元凶に

なぜ、運動しないことが病気につながるのでしょうか?

「運動しない生活が続くと、ミトコンドリアの機能が衰えます。ミトコンドリアの機能が落ちると、がんを誘発するサイトカイン(生理活性物質)が出やすくなったり、動脈硬化が進むサイトカインがでたり、老化が進むということがわかってきました。肥満も同じですが、運動しないで肥満だと最悪のケースです」

「運動しないことも、肥満も、同じように身体の細胞レベルでの炎症を引き起こしてしまいます。身体中のいろいろなところでボヤが起きるようなイメージです。ボヤが起こることによって悪いサイトカインがでてきて、がんを誘発したり、動脈硬化、糖尿病を誘発するということがわかってきました。メタボリックシンドロームがなぜいけないかというと、糖尿病や脂質代謝異常、高血圧などが全部まとまって起こるから。運動しないのも同じで、悪いことが雪だるま式に重なって全部まとまってきてしまう。問題の上流にある運動不足や肥満を解消すると、それらもすべて消えてしまうんです」

体内年齢を若く保つことで がんの発症は遅らせることができる

「がんは、老化の病気です。歳を取ると誰でもなりやすくなります。20代、30代のがん患者はあまりいません。ですが60代、70代になると日本人のふたりにひとりはがんと言われています。歳をとってからなる病気ですから、老化が関係しているのです。遺伝が関係するがんは5%未満(乳がん、大腸がん、前立腺がんの一部)。ご自分の家系にこれらのがんが多発しているなら、遺伝的ながんといえます。それ以外のがんのうち40%は生活習慣、25%は喫煙、感染症が25%。残りの10%がその他の原因です」

「食生活、喫煙や肥満、運動不足といった生活習慣のために老化が早まる人がいますね。60歳なのに体内年齢が70歳だと、当然早くがんになってしまいます。だから、できるだけ老化のスピードをゆっくりにすれば、がんにならないで済む期間が長くなるんです。これがアンチエイジングの考え方。僕自身は50歳のときにアンチエイジングドックで計ったところ、体内年齢は35歳でした。70歳のときに50歳手前の体内年齢なら、まだがんになりにくいんです。これが老化のスピードをゆっくりにするというアンチエイジングの考え方なんです」

運動しないと免疫力が下がり 様々な病気に弱くなる

「がんは免疫力が低下すると発症しやすくなります。免疫力は体力の一部。体力が落ちるということは誰でも自覚しやすいですよね。50代、60代の人が20代の人に比べて衰えているのはわかる。でも免疫力が低下しているのかどうかは、わかりにくいですね。しかし、免疫力は体力と同じように低下しています。がんは遺伝子が傷ついて、細胞の修復がうまくいかなくなり、その細胞ががん化してしまう病気。一度がん化しても、免疫細胞であるNK細胞が退治してくれれば、がんにならずに済みます。NK細胞を中心とした免疫力が衰えてくるから、がん細胞になった細胞を駆除できず、生き残ってしまって癌になるのです。では免疫力は何によって左右されるかというと、運動によっても左右されるということがわかっています。運動不足は免疫の低下も招いてしまうんです。逆に、運動するとNK細胞活性が上がることもわかっています。ジョギング程度の運動は、免疫を上げてくれるのです」

免疫を上げるためには コアを鍛え、汗をかく運動を

免疫力を上げるためには、どのような運動が適しているのですか?

「ジョギングに限らず、テニスでも、汗をかく運動なら何でもいいでしょう。ゴルフはバランスと体幹のトレーニングにはなりますが、負荷が弱いですね。理想は、コアを鍛える運動と、持久力を上げる有酸素運動、血流を促し、汗をかく運動です。汗をかかないと美肌にならないし、免疫も上がりません。がん予防のためにも汗をかく運動がおすすめです」 運動をせずに、サプリを飲んだり、食生活だけで免疫を上げたり、将来的な病気の予防をすることはできないでしょうか。

「ノーエクササイズ、ノーアンチエイジングです。 エクササイズしないでアンチエイジングはありえません。 運動しない生活は明らかにエイジングを加速させ、早死にします。 特に女性は骨粗しょう症があるから、運動しないと本当に危ないですよ」

アンチエイジングは、食と運動と生きがいが3つの要素。 僕がおすすめしているマラソンは、生きがいになるので、生きがいと運動のふたつを両立できます。太っていたらマラソンは走れませんし、しっかり食べないと走れませんから、食も意識するようになります。アンチエイジングの3要素をすべて満たしてくれるのが、マラソンなんです。始めるきっかけはなんでもいいと思います。ダイエットでも美肌でも健康でも。結局同じところにいきつき、それができるとほとんどの生活習慣病はなくなり、痩せて肌はきれいになり、健康になります。嫌がっていないで走ってしまえば、すべてが解決するんです」 青木晃先生ご自身も、年に2回はフルマラソンに出場し、ご自身で走ることのアンチエイジング効果を実感されているそうです。

先生の『現役マラソン医師の 走るとなぜいいか? 』(新講社)という本には、アンチエイジング的なランニングのコツなども紹介されているので、走り始めてみようかな?という方はぜひ参考にしてみてください。

横浜クリニック
青木 晃先生

横浜クリニック院長。東京皮膚科・形成外科 銀座院 内科部長 元順天堂大学大学院加齢制御医学講座准教授。防衛医科大学医学部卒業。日本健康医療学会常任理事、日本内科学会認定内科医、日本抗加齢医学(アンチエイジング)会専門医。1990年代にアメリカで始まったアンチエイジングの本質は健康長寿のための究極の予防医学、「太ることは老化でもある」という考え方からアンチエイジングとダイエットに関する指導、講演、テレビ出演などを積極的に行う。主な著書に『モナリザ・エクササイズ』(エクスナレッジ)などがある。

 →青木晃先生のダイエットやアンチエイジング内科の診察を受けられる東京皮膚科・形成外科 銀座院はこちら

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