ヘルスケア
2015/12/19

更年期相談室⑱ 腟萎縮が原因? フェミニンゾーンに起こる症状

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Photo / Takayuki Abe Styling / Makiko Suzuishi

人には聞きにくいフェミニンゾーン(デリケートゾーン)の変化について、専門家に聞きました。年齢を重ねるとフェミニンゾーンには膣萎縮など様々なトラブルが起きやすくなります。その結果起こる症状としては、かゆみ、乾燥、性交痛、尿漏れなど。その症状と原因を解説します。

取材・文:増田美加

更年期以降にフェミニンゾーンはこう変化する…

 更年期世代から増えてくる、フェミニンゾーンのさまざまな症状について。美容婦人科治療の専門クリニックの院長、喜田直江先生にお話を伺います。

更年期を迎え、エストロゲンの分泌が減ることで、フェミニンゾーンにはさまざまな症状や病気が起こりやすくなります。前回は、特に更年期世代に多い、性交痛やその他のフェミニンゾーンの痛みについて紹介しました。
今回は、更年期以降起こるさまざまなフェミニンゾーンの症状を詳しく解説します。将来、どのような状態が起こるのかを知っておくことは、予防のためにも役立ちます。

粘膜のヒダが少なくなることで進む症状とは…

 喜田先生、閉経後、女性ホルモンがほぼゼロになることによって、フェミニンゾーンによく起こる症状はなんでしょうか?

「そうですね…。まず、“萎縮性腟炎(腟萎縮)”が考えられます。閉経してエストロゲンがほぼゼロになると、血流や腟の分泌物が減少します。若いときにあったおりものなどは、全くと言っていいほどなくなります。
それは、腟粘膜の上皮が薄くなり、コラーゲンの減少によって粘膜のヒダが少なくなり、扁平化するからです。また、腟内の酸性を保っていた乳酸菌の一種デーデルライン桿菌が減少し、Ph値が上昇します。そのため、細菌の生成が助長します。
これらによって腟萎縮が進み、乾燥、かゆみ、腫れ、ニオイ、性交痛、尿もれなどが起こりやすくなるのです。
これらの状態を萎縮性腟炎(老人性腟炎)といいます。婦人科でのホルモン補充療法や美容婦人科での炭酸ガスレーザー、高周波治療、ヒアルロン酸治療などがあります」(喜田先生)

下着が擦れたり、痛みを感じる原因は…

 ほかには、フェミニンゾーンのたるみも多い症状ですね? 下着が擦れたり、排尿時に飛び散るのも、たるみが原因でしょうか?

「閉経によって、小陰唇がたるみ、緩むことも原因のひとつですね。小陰唇は、腟の入口の左右にあるヒダのことです。前から見たときに、小陰唇は見えない状態が通常ですが、大きくはみ出している場合は、小陰唇肥大と考えられます。左右両方の場合もあれば、片側だけのこともあります。
小陰唇肥大だと、下着が擦れたり、排尿時に尿が小陰唇に当たって飛び散ることや、その大きさから小陰唇が性交時に巻き込まれ、痛みを感じることもあります。美容婦人科での小陰唇縮小術などで治療可能です」と喜田先生。

加齢による大陰唇の痩せが原因のことも

 フェミニンゾーンの痛みは、大陰唇のハリがなくなり、たるんでしまうことで、起こるものもありますか?

「小陰唇の外側にあるのが大陰唇です。おっしゃるとおり、加齢や体型の急激な変化(痩せ)などにより、大陰唇にたるみが生じ、ハリがなくなってしまうことがあります。
下着が擦れて痛んだり、自転車が痛くて乗れない、フィット感のあるパンツが履けない、なども大陰唇の肥大が原因のこともあります。
また、パートナーからの見た目を気にする人もいます。美容皮膚科で、たるんだ皮膚を切除したり、太ももやおなかからの脂肪を注入したり、大陰唇用のヒアルロン酸を注入することで、ふっくらとハリを出すことができます」(喜田先生)

筋力が低下して、緩みが起こることで…

 フェミニンゾーンの乾燥による委縮だけでなく、緩みによる不快症状もありますか?

「はい、更年期になると、エストロゲンの減少によって、体幹の筋力も落ちますが、腟やその周辺のフェミニンゾーンの筋力も同様に低下します。
お風呂やプールでお湯や水が入る。性交時に空気が入って音がする。性交時の感度が悪くなったなどは、緩んでいるサインです。
クリニックでは、腟圧測定で今の状態をチェックすることも可能です。
原因は、エストロゲンの低下だけでなく、出産、加齢、運動不足も影響します。腟や骨盤周りの骨盤底筋肉群という筋肉を使う運動を意識して行うことも大事です。治療は、骨盤底筋体操、ペルビックトレーナー(磁気治療)や腟縮小手術などがあります」(喜田先生)

腟や子宮周りなどの骨盤周辺の筋力が低下していくと、子宮などの骨盤内の臓器を支えられなくなり、子宮が腟から外に出てきてしまう“子宮脱”に進む場合もあります。子宮脱だけでなく、骨盤内の臓器が出てしまう“骨盤臓器脱”も閉経後に起こるリスクです。婦人科や女性泌尿器科で手術による治療もできますが、更年期世代から骨盤周りの筋肉を鍛えておくことが大切です。

尿もれも腟周りの緩みにより増えてくる病気です

咳やくしゃみ、階段を下りるときに尿漏れしてしまう病気が腹圧性尿失禁です。
また、突然尿がしたくなり、トイレまで間に合わず、尿が漏れてしまう病気が切迫性尿失禁。
腹圧性尿失禁や切迫性尿失禁は、女性泌尿器科や美容婦人科で骨盤底体操や磁気治療と薬、尿失禁日帰り手術などで治療できます。

ほかにも尿がとてもしたくなり、その結果頻尿になっている過活動膀胱という病気も。女性泌尿器科で薬と膀胱訓練、骨盤底筋体操、磁気刺激療法などで治療します。

いずれも婦人科、女性泌尿器科、美容婦人科で治療可能です。

なおえビューティークリニック
喜田 直江先生

なおえビューティークリニック院長。京都府立医科大学卒業後、産婦人科医として多数の分娩・手術を経験。その後、形成外科医としての技術を幅広く習得したのち、美容外科・美容皮膚科全般を行う。特に婦人科系の美容手術は日本有数の症例数を誇る。2011年、現クリニックを開院。美容婦人科治療専門クリニックとして日本初。

女性医療ジャーナリスト
増田 美加さん
女性の健康情報&患者視点に立った医療情報について執筆、講演を行う。女性誌やWEBでヘルスケアやアンチエイジングの連載を行うほか、テレビ、ラジオにも出演。乳がんサバイバーでもあり、がんの啓発活動を行う。NPO…

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