ヘルスケア
2016/03/25

【更年期の生理】長い?短い?閉経に向けて どう変化するの?

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Illustration / MASAMI

執筆/増田美加 女性医療ジャーナリスト

生理が長い人もいれば、極端に短い人も、だらだら続く人もいる更年期。更年期の生理周期はどう変化して、どのように閉経に向かうのでしょうか?
生理不順のパターンと、症状を詳しく解説します。

閉経前に生理周期の乱れや変化が起こります

 更年期医療に詳しい女性医療ジャーナリストの増田美加が「更年期の生理の変化」について詳しくお伝えします。私自身もまさに更年期真っ只中で、しかもすでに閉経しています。女性ホルモンがほぼゼロの状態…。
 閉経は、45歳以上で1年間、生理の出血がない状態を言います。でも、生理の出血が完全に(1年間)なくなる前に、更年期になると月経の乱れや変化が生じてきます。
ではまず、どのような生理周期(月経リズム)の乱れが生じるのか、解説していきますね。

閉経までの生理周期の変化のパターンは…

女性ホルモンの分泌が減少していく過程で、更年期の生理は、周期や出血量(経血量)などがさまざまに変化して、閉経へといざないます。

その典型例をご紹介します。
1~5の順に月経の異常が起こることが多いですが、すべての女性がこの順序で進むわけではありません。 閉経に向かうしばらくの間、月経周期が短くなったり、長くなったり、月経不順が続きます。閉経に向かう自然の生理的変化であれば、心配する必要はありません。でも、中には子宮体がんなど、病気による不正出血の可能性もあります。自己判断による見極めは危険です。体が変化するこの時期こそ、婦人科を受診することが大切です。

1 正常な生理周期の例

これらが正常な月経(生理)の条件です。
① 自然に始まる(ホルモン剤や低用量ピルなどを服用して起こる出血は月経とはいいません)
② 月経の開始日から次の月経の開始の前の日までの日数は25~38日。長い周期と短い周期との差が6日以内です。たとえば、ほとんどの月経周期は35日なのに、ときに27日周期があるとすれば、正常とはいえません。
③ 月経が続く日数は3~7日です。
④ 月経は自然に終わる。

2 更年期に、生理周期が短い場合(頻発月経)

更年期の月経の変化は、周期が短くなる(頻発月経)ことから始まります。 たとえば、今まで30日周期だったのが、22日周期などと短くなります。 同時に月経量(経血量)が少なくなり、月経が続く日数も短くなります。

 周期が短くなる理由としては、
① 卵巣機能が低下し、卵胞の数も減ると、エストロゲンの分泌量が減り、脳は視床下部、下垂体からFSH(卵胞刺激ホルモン)を多く分泌します。

② すると、卵巣が一時的に刺激され、卵胞の発育が短期間に進みます(卵胞期短縮)。そのため月経から排卵までの期間が短くなり、基礎体温の低温期(卵胞期)が短くなりますが、排卵後の高温期(黄体期)は、この段階では変わらないため、周期が短くなるのです。

まだ、この時期には排卵している可能性(排卵月経)があります。ただし、極端に短い周期(15~19日)で月経が来る(頻発月経)場合は、排卵していないことが多いです。

3 更年期に、生理がダラダラと長い(過長月経)

さらに卵巣の機能が低下すると、ホルモンバランスが崩れ、月経周期が長い短いにかかわらず、月経(出血)期間が8日以上続くというケースも出てきます。過長月経と呼ばれています。
長い人になると、2週間~1か月も生理が続く人がいます。
プロゲステロンの分泌量が減り、エストロゲンだけが少量分泌され、子宮内膜ができても内膜が厚くならないうちに、すぐに剥がれてしまうので、月経は排卵のない機能性出血のことが多いのです。

ただし、多くの場合、排卵はありませんが、たまに排卵している場合もあり、どちらとも断定できない状態です。
機能性出血は、更年期世代は閉経に向かう過程でもありますが、若い世代はストレスや生活習慣によるホルモンバランスの乱れで起こることが多いです。

4 生理周期が長い(稀発月経)

月経周期が39日以上と長くなり、2か月に1回程度しか出血がない場合もあります(稀発月経)。さらに卵巣機能が衰えた状態です。
しかし、「更年期だから…」と自己判断は禁物。何かの病気による不正出血の可能性もあります。

5 閉経する

最終の月経開始日から1年経っても月経がない場合は、閉経とみなします。

この順序には、個人差があり、2⇒3⇒2⇒4⇒5 などのように行きつ戻りつ、閉経する人もいますし、 2⇒5 といきなり閉経する人もいます。

経血の量

人によって様々ですが、多くの人は更年期に入ると徐々に少なくなっていきます。夜型の大きいサイズのナプキンを使用しても漏れるような大量の経血がみられる場合や、レバー状の血の塊が出る場合は、子宮筋腫などの重大な病気が潜んでいることがあるので、注意が必要です。

経血の色

正常な経血は鮮やかな赤色をしていますが、更年期に入ると経血の量が少なくなるため、うまく排出されなくなります。その結果、血液が酸化し、茶色や黒っぽい色になります。

おりものの変化

閉経前になると、おりものの量は少なくなってきます。しかし、更年期に入っておりものの量が増えた、色の変化がみられるといった場合、不正出血(茶色)や萎縮性膣炎(黄色)、細菌性膣炎(黄緑色)の可能性もあります。

更年期の不正出血

閉経に近づくにつれて、排卵が起こらなくなること、月経とは違う不規則な出血(機能性出血)が起きることも多くなります。更年期の生理なら、経血量が少なくなっていくものですが、長期間ダラダラと出血が続くような場合は、「器質性出血」と呼ばれ、子宮筋腫や子宮がんなどの可能性もあるので、不正出血がある場合は、婦人科を受診するようにしてください。

更年期の生理が乱れる原因は、卵巣にあり!

更年期の生理や生理周期の乱れは、卵巣の働きが衰え始めれば、すべての人に必ず起こる現象ですが、個人差があって、まったく同じような月経異常、生理不順が起こるわけではありません。でも、上記のように一定の順序は、あるのです。

 その秘密は、卵巣から分泌される女性ホルモンにあります。
卵巣の中の卵胞は、生まれてから毎年減っていきます。この減り方は個々人で異なり、生まれる前の胎児のときにすでに決まっていると言われています。
そして更年期には、卵巣機能も低下し、卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)の量も減ります。

女性ホルモンは脳の指令で卵巣から分泌されます

女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)があり、卵巣から分泌されますが、実は脳からの指令でコントロールされています。
卵巣には、フィードバック機能があり、脳の中枢(視床下部、下垂体)がそれを感知して、脳からのホルモン(卵胞刺激ホルモン=FSH、黄体形成ホルモン=LH)の分泌量に影響します。

脳が頑張っても卵巣の老化でホルモンが出ない!

更年期になって卵巣からの女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)が減ると、脳はそれを感知し、焦って一生懸命に卵巣に「ホルモンを分泌しなさい!」と指令を出すホルモン(FSH、LH)を脳の視床下部、下垂体から分泌させます。
けれども、更年期で卵巣機能が衰え(卵巣機能不全)、卵胞の老化、減少が進むと、脳がいくら頑張ってFSHやLHを増加させても、卵巣からの女性ホルモンは残念ながら分泌されなくなります。

生理の乱れが自律神経の不調にも関係しています

ホルモンバランスが崩れると、脳は混乱して、自律神経系(体温コントロールにも関係)に乱れを起こし、これがほてり、発汗、冷え、めまい、不眠、うつなどなどの不調につながります。これが更年期障害の症状の一部です。

最終的には、脳からのホルモンも卵巣からのホルモンも低下し、ほとんど分泌されなくなり生理の出血がなくなり、閉経します。
極めて少量のエストロゲンは、閉経後も脂肪組織などから分泌されていると言われています。

更年期の生理不順の対策

【対策1】ストレスを溜めない

生理不順はストレスによって起こることがあります。更年期女性は、仕事や家庭などの問題でストレスが溜まりやすい環境にあるため、十分な睡眠をとったり、適度な運動をするなど自分なりのストレス解消法をみつけることが重要です。

【対策2】ツボを押す

◆三陰交(さんいんこう)

足の内側のくるぶしから指3、4本くらい上にある骨の後ろ側のくぼみ。
ホルモンの分泌を促し、バランスを整えるツボです。特に女性には生理不順、生理痛、冷えやほてりなどの更年期障害等、婦人科系にも有効です。

◆血海(けっかい)

内側のひざのお皿の角から、指3本分くらい上にあがったところにあるツボ。
血の流れをよくしてくれ、生理の量を調節してくれる効果もあります。三陰交(さんいんこう)と併せると、より効果的です。

【対策3】イソフラボンの摂取

更年期の生理不順は、女性ホルモンであるエストロゲンの減少が大きく影響しています。そのため、エストロゲンと同じような働きをする、大豆イソフラボンを積極的に摂ることで、改善する効果があるといわれています。納豆、豆腐、豆乳、きな粉などの大豆製品を食生活にうまく取り入れましょう。イソフラボンのサプリメントも効果的です。

閉経かどうか調べる方法

◆基礎体温をつける

閉経が近づくと排卵がなくなるので、高温期そのものがなくなります。毎日体温を測って、グラフにしてみるとわかるようになります。

FSH血液検査

FSHとは、卵巣内の未成熟な卵子を刺激して、成熟を促すホルモン、「卵胞刺激ホルモン」のことです。このホルモンの血中濃度を測ることによって、閉経かどうかがわかります。

AMH血液検査

AMHとは、アンチミューラリアンホルモンの略で、発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンです。この値は、卵巣内にどのくらい卵の数が残っているか、つまり卵子の在庫がどのくらいあるかというのを調べるものです。この値が低いと、卵子の数が減っている状態。つまり、「閉経に近づいている」かもしれないということです。しかし、この検査には基準値や正常値がないため、年代別の平均値との比較になります。

更年期世代だからこそ、体チェックを!

更年期世代は、隠れた病気による不正出血と自然な月経の乱れの区別がつきにくい状態です。
婦人科で定期的に、子宮や卵巣を経腟超音波検査や血液検査などでチェックすることをおすすめします。

出血が長引く場合は、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮がん、子宮頸管ポリープなどの病気が原因のこともあります。また、周期が短い月経が長期間に及ぶと、貧血の可能性がありますので注意が必要です。
 
 更年期をこれからの30年、40年の人生を楽しく、元気に生きるためのいいきっかけにして、体の声に耳を傾けて過ごしましょう!

女性医療ジャーナリスト
増田 美加さん
女性の健康情報&患者視点に立った医療情報について執筆、講演を行う。女性誌やWEBでヘルスケアやアンチエイジングの連載を行うほか、テレビ、ラジオにも出演。乳がんサバイバーでもあり、がんの啓発活動を行う。NPO…

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