更年期障害
2016/07/30

更年期の胸の張り? その原因は?

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乳房に張りや痛みを感じたことがある人は、多いと思います。乳房の症状を感じると、最近では小林麻央さんや北斗晶さんの乳がん報道があって、“乳がん”を連想する人も少なくありません。“乳がんは痛くないのでは?”“胸が小さいから乳がんになりにくい?”“乳がん以外にも乳房の病気はあるの?”など、更年期世代の乳房の症状に関する疑問を整理してお答えします。

更年期に乳房が張る、痛い、その原因は?

乳房に症状を感じたときに一番心配なのは、乳がんだと思います。「乳がんは痛くない」と言われていた時代がありましたが、今は乳がんでも、痛い場合もありますし、痛くない場合もあることがわかっています。

閉経前の生理がある年代の乳房の張りや痛み、しこりなどの症状が起こる最も多い原因は、女性ホルモンの変動です。閉経前は、生理周期の中で女性ホルモンが変動しています。それによって、乳房も影響されるのです。

更年期でも生理がまだある人には、ストレスや疲れなどで、女性ホルモンのバランスが乱れたときや生理前のPMS(月経前症候群)の時期に、張り、痛みなどの乳房の症状が出ることがあります。
ホルモンバランスが乱れたときやPMSの時期には、乳房の症状だけでなく、同時に、冷え、疲れ、むくみ、頭痛、肌荒れなどのさまざまなPMS症状が起こります。これらの症状は、生理が終わると消失することが少なくありません。
つまり、生理がある年代であれば、乳房の張りや痛みは、PMSやホルモンバランスの乱れが原因であることがほとんど、ということです。これは、生理が終わった後には消失する良性の症状です。

しかしながら、乳房の張りや痛みであっても、乳がんである可能性は、否定できません。特に、閉経後は女性ホルモンの変動がなくなるため、今までにない乳房の症状を感じた場合は、注意が必要です。

注意してほしいのは、乳がんの自覚症状は、良性のものとほとんど変わらないため、症状だけで判断することは困難です。
特に40代以降は、乳がん適齢期ともいえる年代です。症状があればすぐに乳腺科を受診し検査することが大切です。
もちろん、40歳以上は、自覚症状がなくても乳がん検診を定期的に受けてください。

乳房の張り、痛みをともなう病気はいろいろあります

更年期世代に起こりやすい乳房の張りや痛みを伴う病気をまとめました。

□乳房の張り + 乳房全体に硬さや痛みがある
□生理が始まると治まる

「乳腺症」
乳腺の不調で最も多い良性の症状。なんらかの異常や病気ではありません。女性ホルモンの影響で起こる正常な乳腺の変化なので、心配は不要です。閉経すると、乳腺症の症状はなくなります。

□乳房の張り
□生理不順がある
□生理前に乳房の痛みやしこりがある

「乳腺のう胞」
乳腺の中に液体の溜まった袋ができます。しこりを感じますが、基本的には良性の変化で乳腺症の一種で異常ではありません。乳腺症と同様、閉経すると消えることが多い症状です。

□乳房の張り+乳首から分泌物が出る
□しこりを感じる

「乳管内乳頭腫」
乳管にできる良性の腫瘍です。しかし、血性の分泌物が出る場合は、原因の約20%が乳がんの可能性があります。乳首をつまむと出血する人はすぐに検査をしてください。

□乳房の張り、痛み
□しこりがあって触ると硬くてクリクリ動く

「乳腺線維腺腫」
乳腺にできる良性の腫瘍です。生理周期で小さくなることはありません。閉経して年齢を重ねるに従って、小さくわかりにくくなります。押すと痛いこともあるしこりです。急に大きくなっていくしこりの場合は、良性でも切除することもあります。

□乳房の張り、痛み
□しこりが急に大きくなった

「葉状腫瘍」
乳腺線維腺種と似た良性の腫瘍です。しこりがかなり大きくなり、痛みや乳房のひきつれが生じることもあります。葉状腫瘍は良性でも切除します。まれに悪性のものもあります

□乳房の張り、痛み
□石ころのように硬く動かないしこりがある
□乳房にひきつれがある
□乳首から血の混じった分泌物がある

「乳がん」
乳管にできる悪性の腫瘍です。自覚症状は上記の良性の病気と変わりません。痛みがない場合も、逆に痛む場合もあります。痛むかどうかだけでは判断できません。特に、40歳以降は、触診だけでなく、画像(マンモグラフィや超音波)を使った定期的な検診が重要です。

 乳房の張り、痛みという症状には、良性の場合も多いですが、悪性や治療が必要な病気との見極めは、自覚症状だけではできません。

PMSの時期だけ起こる乳房の変化ではないなら、更年期世代は全員が乳がんリスクが高い年代なので、乳腺科を受診してください。

クリニックではどんな治療をしますか?

乳腺症をはじめとする良性の乳房の症状は、多くの場合、治療の必要はありません。たとえば、乳房の良性の症状で最も多い、乳腺症が乳がんに移行することはありません。

しかしながら、乳腺症やその他の良性の症状がある人は、良性のしこりに隠れて、マンモグラフィでは乳がんを発見しにくいことがあります。
乳がん検診では、マンモグラフィと超音波検査と併せて行うことも検討してください。

また、更年期障害の治療であるHRT(ホルモン補充療法)は、乳がんのリスクを上げるので、HRTを行っている人は、年1回は乳がん検診を欠かさずに行いましょう。

高濃度乳腺(デンスブレスト)の人はマンモ+超音波も

さらに近年、乳房の“乳腺の濃度”によっては、マンモグラフィによる乳がんの発見しやすさが人によって異なることがわかってきました。

乳房は、乳腺組織と脂肪でできています。

乳腺濃度とは、乳腺組織が乳房のなかにどれだけ存在するか、その割合のこと(乳腺密度とも言います)です。
わかりやすく言えば、乳腺濃度が高い「高濃度乳房(デンスブレスト)」の人は、マンモグラフィでは乳がんが見つけにくいのです。そして、日本人女性は欧米人にくらべ、“乳腺濃度が高い(デンスブレスト)”人が多いと言われています。

アメリカでは、マンモグラフィによる乳がん検診を受けて、乳腺濃度が高いことがわかった場合、“受診者に乳腺濃度についての情報を伝えること”“超音波検査など追加の画像検査を受けるように勧めること”などを法律で義務付けていて、2015年4月現在で24以上の州で有効化されています。

もちろん、マンモグラフィ検診は高いエビデンスがあり、有効な検診です。しかし、それだけでは不十分な人もいて、クリニックを受診する場合には、自分は乳腺濃度が高い高濃度乳房(デンスブレスト)かどうか、を医師に尋ね、もしも高濃度乳房であれば、超音波検査を併せて行うことも必要です。

乳房の張り、痛みの予防法は?

乳房の張りや痛みが、先ほど説明したように、生理周期に伴うPMS時期に起こるものならば、生理が終わるころには自然になくなるので、特に予防法はありません。冷やすといいという人や、温めると症状が緩和するという人もいます。我慢できないほど痛い場合は、乳腺科を受診して相談してください。
また、生理に伴う乳房の張りや痛みだけなく、そのほかの更年期障害の不調がある人は、婦人科に相談して、更年期障害の治療をすると、よくなる場合もあります。

生理がある年代で、ストレスによるホルモンバランスの乱れが原因と感じた場合は、上手にストレスを解消して、体を温かくして休むことも大切です。

自己検診は大切! 月1回、自分の乳房を触りましょう

セルフケアとして自分できることは、月1回の自己チェックです。

毎月、自分の誕生日に行うと忘れません。生理のある人は、生理後に行います。入浴時に行うのがおすすめです。

入浴時に鏡で両方の乳房を見て

□両腕をあげて乳房の変形(へこみや赤み)はないか
□左右差はないか
□ひきつれはないか
□乳首をつまんで分泌液はないか
□わきの下や鎖骨のリンパ節にしこりはないか
□下着に乳首からの分泌物がついていないかを確認
などをみます。

また、入浴中にボディーソープで体を洗うときに、指の腹を使って、渦(小さな円)を描くように指の腹で優しく触り、しこりの有無をチェックします。
脇の下や鎖骨周辺も念入りに。ボディーソープをぬるときでもいいですね。

また、あお向け寝でもチェックします。
ベッドで横になったときに、外側から内側へ指を優しく滑らせて、しこりの有無をチェックします。腕をあげて、脇の下も行うのを忘れずに。

自分の乳房に気になる症状がないかを毎月確認してください。そして、40歳以上は症状がなくても2年に1回は乳がん検診を受けましょう。家族(血縁)に乳がんや卵巣がんの人がいる場合は、年1回、マンモグラフィと超音波を併せた検診を受けることをおすすめします。

女性医療ジャーナリスト
増田 美加さん
女性の健康情報&患者視点に立った医療情報について執筆、講演を行う。女性誌やWEBでヘルスケアやアンチエイジングの連載を行うほか、テレビ、ラジオにも出演。乳がんサバイバーでもあり、がんの啓発活動を行う。NPO…

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