大人の美容
2017/04/27

肌に影響を及ぼす“大気汚染物質”とは?

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今期のUVケア商品はどのブランドも「大気汚染物質」に着目しています。最近注目され始めた大気汚染物質とは一体何なのか。肌にどう影響を及ぼすのか。銀座ケイスキンクリニック院長の慶田朋子先生に詳しく教えていただきました。

大気汚染物質とは?

「排気ガスや工場から出る煙、たばこの煙、黄砂などを大気汚染物質と言います。最近ではPM10やPM2.5というものもよく耳にするようになっているかと思います。これらの大気汚染物質、特にPM10以下の非常に小さな粒子が皮膚に浸透しやすく、肌に悪影響を及ぼすのではないかと考えられてきています」

大気汚染物質が肌に及ぼす影響

「大気汚染物質が肌に及ぼす影響を正確に調べるには難しいものがあります。人はいろいろな状況で暮らしているので、その中で一つの条件をもってどの程度影響を及ぼしているかというのを正確に見るのは非常に困難です。

しかしドイツのドクターが発表した論文で、70代から80代の女性400人を対象とした肌老化と大気汚染の関係を調べたものがあります。1日1万台以上の車が通る幹線道路から100m以内にずっと住み続けているグループと地方に住んでいるグループを調査した結果、排気ガスが多く、空気が汚染されている地域に住んでいる人たちの方が額のシミは35%、頬のシミは15%多くできていたというものです」

「ある程度大きさのある物質であれば、角層のバリアで弾き飛ばすことができますが、粒子が小さいとその物質がどんなものであろうと、肌内部に入りやすくなります。

毛髪の太さが70マイクロメートルと言われており、PM10というのは直径でいうと7分の1、PM2.5になると20分の1以下となります。非常に小さいものなので毛穴や角層のバリアが壊れた部分から入ってしまう可能性があるのです。

世界人口の約80%の人がPM2.5にさらされているのが現状です」

「ただ、この論文はどこに住んでいるかということだけでざっくりと比べただけです。中にはスポーツが好きな人もいれば、おうちに引きこもりがちの人もいるでしょう。食も違うし、化粧をするかどうかという違いもあります。そういった要素を一切無視した研究となります。しかし、少なくとも大気汚染物質が肌に悪影響を及ぼす可能性があるということは生理学的に推測はつきできます」

「小さな粒子が毛穴から入り込むと炎症を起こす可能性があります。炎症というのは全ての老化の要因となり、最近の研究では、表立って皮膚炎を起こしているとは言えない程度の軽度の微小炎症でも老化を進行させると言われています。

炎症が繰り返されると、シミや色むらが生じやすくなり、角層を乱すのでキメや透明感が悪化し、ちりめんジワに進行したりします」

日本はどのくらい危険なの?

「排ガスに関しては公害が取りざたされた1970年代以降からは規制が厳しくなって来ていますよね。工場などもフィルターで除去されてから煙を排出するようにしていると思いますが、粒子の小さいものに関しては通常のフィルターではカットできないものもあります。都会は交通量が多いので、大都会はどこも同じくらいリスクはあると思います。しかし、規制が緩い発展途上国に比べれば、日本はかなりセーブされていると思います」

大気汚染物質の影響を受けやすい肌質

「体質的に言うと、アトピー素因のある人です。アトピー性皮膚炎や素因のある人は正常な人と比べると、角層のセラミドの量が3分の1程度しかないため、角層と角層の接着が緩く、浮いてしまっているような状態になっています。このような皮膚の状態だと粒子が入ってきやすいので、より炎症を起こしやすくなります。

また、花粉や乾燥などによって軽い皮膚炎を起こしていると、角層の状態も悪いので、影響を受けやすいと言えます」

特に注意したい季節は?

「特に注意したい季節は冬と今くらいの時期(春先)ですね。冬場の乾燥でバリア機能が低下しているところに、冬モードから春モードにシフトして自律神経の調整が追いつかず、さらに花粉のストレスもかかるので、肌の状態が悪くなっています。そのため、炎症を起こしやすくなります」

大気汚染物質から肌を守る予防・対策

「室内に関しては空気清浄機を使用し、周辺の空気を清潔な状態にしておくことがいいでしょう。外出先では、マスクやメガネの着用が有効です。最近ではUVケア商品の中にも大気汚染物質に注目したものが発売され始めていますので、そういったものを使用することもおすすめです。

帰宅後は、玄関で洋服を払うなど、外で着た衣服を基本的には寝室に持ち込まないようにする。また、洋服をしまう部屋と寝室を分けるようにすることもよいと思います。

そして、ターンオーバーを高めるために適度な運動や入浴で血流の循環をよくさせることも効果的です」

「そして体の中からと外から抗酸化成分を補うことが重要です。皮膚に塗るとすれば、ビタミンA(レチノール)、ビタミンCビタミンC誘導体)、ビタミンE(ビタミンE誘導体)が配合されているような化粧品がおすすめ。ビタミンCとEは相乗効果があるので、一緒に配合されていると効果が高まります。

抗酸化作用というものはあらかじめ塗っておくことが大切す。特にビタミンAに関しては表面から塗っても蓄積していきますし、紫外線の吸収剤に対する肌への影響を軽減させてくれる効果もあります」

体の中から補う場合は、ビタミン類やポリフェノール類といった抗酸化作用のある食品を摂取することです。苦味やえぐみ、色が濃いものは抗酸化力が高いとされています」

・ビタミンA・・・緑黄色野菜、鶏レバーなど
・ビタミンB・・・鶏肉、豆類など
ビタミンE・・・ナッツ、アーモンド、卵など

・アントシアニン類・・・ブルーベリー、ラズベリー、イチゴなど
カテキン・・・緑茶
・テアフラビン・・・紅茶、ウーロン茶
タンニン・・・茶、赤ワイン、柿、バナナ
ルチン・・・そば
・クエルセチン(ケルセチン)・・・たまねぎ
・ダイゼイン(大豆イソフラボン)・・・大豆
・クロロゲン酸・・・コーヒー、ゴボウ、サツマイモなど

エラグ酸・・・ラズベリー、イチゴなど
・リグナン・・・ゴマ
・ナリンゲニンカルコン・・・トマト
・プロシアニジン・・・リンゴ、ビワ、ブドウ、緑茶
・クルクミン・・・ターメリック、ショウガ

アスタキサンチン・・・鮭、イクラ、エビやカニの殻

・グルカン・・・きのこ
・フコイダン・・・海藻
・ペクチン・・・リンゴ

・リモネン・・・柑橘類
・ジンゲオール・・・ショウガ

「バランスよく、色とりどりのものを少しずつ、そしてタンパク質なども摂取することがターンオーバーのためにも、抵抗力を高めるインナーケアとしても必要です」

一度影響を受けた肌を改善する方法

「バリア機能を安定させるには、スキンケアの基本をしっかり行うことです。スキンケアの基本とは、洗浄、保湿、光対策と言われていますが、まずは洗いすぎないこと。刺激の少ない界面活性剤を使用した肌に優しい洗顔料をよく泡立て、泡で洗うようにします。それからしっかり保湿をします。日焼け止めやお化粧は膜を作る役割もあるので、素肌でさらされるよりは大気汚染物質などから肌を守る効果もあります」

特に40代からは内外から抵抗力を高めることが重要

体の中にも自前の抗酸化作用というものが備わっていますが、体内酵素の活性も40代から低下すると言われているので、何もしないと抵抗力も再生力も落ちてきます。ターンオーバーのスピードも落ちてきますので、体の中から外からしっかり抵抗力を高めていくことが大切になってきます」

銀座ケイスキンクリニック院長
慶田朋子先生

東京女子医科大学医学部医学科卒業。同大学皮膚科助手、聖母会聖母病院皮膚科医員、都内皮膚科・美容クリニック勤務を経て、有楽町西武ケイスキンクリニック開設ののち現職。著書「365日のスキンケア」(池田書店)が好評。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。医学博士。

取材・文 和泉久美子

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