ヘルスケア
2017/08/17

「子宮頸がん検診」でがんになる前に見つける方法【子宮頸がんVOL1】

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女性の視点で医療ジャーナリストの増田美加が今、女性たちにどうしても伝えたい女性医療の話題。今回は、「子宮頸がん」についてです。私が経験した乳がんは、まだ予防法が確立されていません。唯一可能なのは、検診による早期発見です。しかし、子宮頸がんは原因も予防法も確立されています。つまり、がんになる前に見つけて治療することが可能なのです。子宮頸がんは、20代からすべての女性たちに知ってほしい情報です。まず第1回目は、意外と知られていない、子宮頸がんの検診でがんを予防する方法について、お伝えします。

子宮がん検診で、がんになる前に見つけて治療できます!

子宮頸がんは、検診でがんになる前の状態(前がん病変)を発見して、治療することが可能ながんです。
前がん病変(異形成)で発見できれば、比較的簡単な治療で治すことができます。

 子宮がんには、「子宮頸がん」と「子宮体がん」があります。
このふたつは、原因も病気の性質も、起こる場所も全く異なるがんです。子宮頸がんは、20代から30代に多いがん。原因は、性交渉によるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染と、はっきりしています。
一方、子宮体がんは、以前は少なかったのですが、生活スタイルの変化により、全ての年齢で年々増えていて、特に更年期以降に多いがんです。体がんは、はっきりとした原因はわかっていませんが、閉経以降にリスクが高まります。また、肥満、高血圧、糖尿病がある人。エストロゲンのみのホルモン補充療法を受けている人。妊娠や出産の経験がない人がかかりやすいと言われています。

痛みもなく、子宮の入口から細胞を採取するだけ

今回お伝えする子宮頸がんの検診とは、「子宮がん検診」と呼ばれているもののことです。自治体や職場で行われている子宮がん検診は、子宮頸がん検診のこと。子宮がん検診は、20歳から2年に1回、定期的に受け続けることが大切です。
ちなみに、子宮体がんには、確立された有効な検診法がありません。

子宮頸がん検診の方法は、細胞診です。小さな細いブラシで、子宮の入口である子宮頸部を軽くこすって細胞を採取します。
痛みもなく、採取した細胞を色素で染色して顕微鏡で病理検査します。

感染からがんになるまで約10年かかります

子宮頸がんの原因であるHPV(ヒトパピローマウイルス)は、100種類以上のタイプが確認されています。
そのうち、子宮頸がんの発症に関係しているHPVは、約15種類です。この15種類は、発がん性のHPVで、がんを引き起こすハイリスクタイプのHPVと言われています。その中でも、16型、18型が子宮頸がんの約60~70%を占めています。

このHPVは、どこにでもあるありふれたウイルスで、50~80%の女性は一生のうち一度は感染すると言われています。

しかし、発がん性のHPVに感染しても、ほとんどの場合は、その人の免疫力によってウイルスは自然消滅します。
ただし、ほんのわずかだけ、感染が長期間持続してしまうケースがあります。持続感染してしまうと、子宮頸部の細胞が変化し、5~10年以上という年月をかけて“前がん病変(異形成)”となり、さらに進んで子宮頸がんへと進行する危険性があります。
 
子宮頸がんは、症状がないときに、子宮がん検診でがんになる前の“前がん病変(異形成)”で発見することが大切です。異形成の状態なら治療でほぼ100%完治します。
円錐(えんすい)切除術(せつじょじゅつ)という、子宮頸部の一部だけを取り除く、子宮を残して妊娠・出産が可能な治療が行えます。

子宮頸がんの検診は、欧米では約70~80%が受けているのに、日本ではわずか30数%しか受けていません。特に、これから妊娠・出産する若い世代の受診率が低いことが問題になっています。

細胞診+HPV検査を併用すると発見精度が高まります!

現在、日本の子宮頸がん検診は細胞診ですが、「HPV(ヒトパピローマウイルス)検査」を併せて行うことで、検診での“見逃し”(中等度異形成以上の前がん病変を含む)を減らすことができます。

子宮頸がんの細胞診は、がんになっているかどうかを調べる検査ですが、HPV検査は、ウイルスに感染しているかいないかを調べる検査です。HPV検査は、30歳以上では10~15人に1人が陽性になると言われています。陽性=頸がんということはなく、将来頸がんになるリスクをより早くチェックできるわけです。そのため、30代以降は受けるメリットが高い検査です。

日本の子宮頸がん検診で行われている細胞診では、見つけるべき中等度異形成以上の発見精度は、約70%程度と考えられています。それがHPV検査をプラスすることで、99%発見可能になります。費用はクリニックのよって異なりますが、5000円~9000円程度が目安と思います。

HPV検査は、がん化するハイリスク型のHPV感染の有無を調べる検査で、海外では細胞診に加えてHPV検査も陰性なら、次の検査は5~10年後で良いとしている国もあります。

ぜひHPV検査を併せて受けることが子宮頸がん予防に大きく役立ちますが、細胞診も受けていない人は、せめて子宮がん検診の細胞診だけでも受けるメリットは大きくあります。
検診受診率が低い日本では、がんが進行してから発見されるケースが少なくなく、毎日10人もの女性が子宮頸がんで亡くなっているのです。
命と子宮を失わないためにも子宮がん検診を受けてください。

女性医療ジャーナリスト
増田 美加さん
女性の健康情報&患者視点に立った医療情報について執筆、講演を行う。女性誌やWEBでヘルスケアやアンチエイジングの連載を行うほか、テレビ、ラジオにも出演。乳がんサバイバーでもあり、がんの啓発活動を行う。NPO…

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