ヘルスケア
2017/08/24

日本女性だけが知らない「子宮頸がん」の予防法【子宮頸がんVOL2】

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女性の視点で医療ジャーナリストの増田美加が今、女性たちにどうしてもお伝えしたい女性医療の話題。今回は、「子宮頸がん」についての2回目です。前回は、子宮頸がんになる前に見つける方法をお伝えしました。今回は、子宮頸がんを“予防”する方法についてです。現状では、予防できる唯一のがんといってもよいのが、子宮頸がんです。日本女性だけが知らない、日本女性にこそ知ってほしい、子宮頸がん予防の最新情報をお伝えします!

妊娠と同時に子宮頸がんがわかって…

子宮頸がんの予防情報の前に、A子さんの体験談をお伝えしたいと思います。

A子さんから「妊娠した!」という嬉しい知らせが届きました。ところが同時に、「子宮頸がんだったことがわかって…」という相談が…。
がんは早期だったため、妊娠中はがんが進行しないように見守りながら、出産することになりました。無事、妊娠が継続できて、元気な赤ちゃんが産まれました。

A子さんは出産後、子宮頸がんの治療をしました。0歳の赤ちゃんがいる中での治療は、精神的に大変でした。
がんは幸いに早期発見だったため、円錐切除術という比較的簡単な治療で、子宮頸がんを取り除くことができました。次の妊娠も、期待ができるそうです。赤ちゃんも元気ですくすく育っています。

「今は元気ですが、子宮頸がんを予防できるなら、しておきたい…。円錐切除術は簡単な治療とはいえ、今後、妊娠した時に流産のリスクがあると先生から言われて心配しています。正しい情報を知らなかったことを後悔しています」とA子さん。

検診+ワクチンで子宮頸がんは99%予防できる時代です

子宮頸がんは、“検診+ワクチン”で99%、予防できる時代になったことを知っていますか? 

子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)が世界に遅れをとりながらも、2009年、やっと日本でも接種可能になりました。がんが予防できるなんて、医学的にも画期的なことです。
HPVワクチンは、世界100か国以上で認可され、60か国以上でワクチンプログラムに組み入れられ、公費接種が現在も行われています。日本では2013年から小6~高1の女子を対象に定期予防接種を開始しました。

HPVワクチンの接種推奨を停止しているのは先進国で日本だけです

ところが、ワクチン接種後に、慢性疼痛、運動障害などの副反応が報道され、厚労省が積極的な接種勧奨を一時中止する事態になりました。副反応とワクチンの中身との関連性はまだ検討中のままです。
慢性疼痛に関しては、自然発生率と比べ、HPVワクチンで特に多いわけではないとの報告もあります。HPVワクチンは、現在日本に2種類ありますが、いずれも慢性疼痛(複合性局所疼痛症候群)が起こるのは、10万接種あたり0.01~0.2例という少ない発生数です。

先進国で、HPVワクチンの接種推奨を見合わせているのは、日本だけです。
WHO(世界保健機構)は「日本は予防可能であるHPV関連がんの危険に晒されたままになっている」と名指しで非難しています。WHOが1国のみを名指しで非難することは異例のことです。日本の専門家も、国に対してHPVワクチン接種の早期再開を求めていますが、いまだ再開の目途が立っていません。

大人の女性にもHPVワクチンは有効です

ワクチンというと、中学生、高校生が接種するというイメージを持っている人も少なくありません。でも、大人の女性にもHPVワクチンは有効です。
性交渉を行なう前、HPVに感染する前の子供たちに接種することは大事です。でも、仮に今、HPVに感染している大人でもワクチンは有効なのです。

子宮頸がんの原因は、性交渉によるHPV(ヒトパピローマウィルス)の感染です。HPVは全部で100種類以上あり、そのうちがんになるHPVが約15種類あります。
ワクチンで予防できるのは、このうちHPV16型と18型の2種類。この2種類は全部の子宮頸がんのうち約60~70%を占めています。

大人の女性ではHPVの16型、18型、両方に感染している人はほとんどいません。たとえ、どちらかに感染していても、もう一方の感染は防げます。
そして、多くのHPV感染は一過性で、しばらくすると免疫力で自然消滅します。ワクチンは消滅したあとの再感染を防ぐこともできるのです。

このHPVは、性交渉のある女性の80%以上が50歳までに感染を経験すると言われているほどありふれたウイルスです。ですから、性交渉があれば、何歳でも感染する可能性があります。

HPVワクチンは半年の間に3回接種します

HPVワクチンは、肩に近い腕の筋肉に注射します。半年の間に3回接種します。
費用は、クリニックによって違いますが、3回で5万円くらいが多いようです。HPV16型、18型に加え、性感染症である尖圭コンジローマも一緒に予防できるHPV6型、11型が加わったワクチンもあります。

先ほど説明した公費助成は小6~高1で、大人の女性には、公費助成が最初から行われていませんので、自分で支払うことになります。

このままでは日本女性だけが子宮頸がんにかかってしまう…

HPVワクチンの接種は、日本小児科学会、日本産科婦人科学会も、なんとか早い積極的接種再開を望むとの声をあげています。
世界中でHPVワクチン接種が行われているにもかかわらず、このままでは、日本だけにHPV(ヒトパピローマウイルス)が蔓延して、世界中で日本女性だけに子宮頸がんが増える状況になってしまいます。

また、大切なのは、ワクチンだけでは99%の予防にはならないということです。必ず、子宮がん検診も、2年に1回は行なうことが大切です。

特に、これから妊娠・出産を望む女性は、正しい情報を知って、ワクチンと子宮頸がん検診で、子宮頸がんを予防してください。

「早期発見だったけれど、もっと早くワクチンがあったら絶対に接種していました。みんなにワクチン接種と検診を受けて、と言いたいです」とA子さんからのメッセージです。

女性医療ジャーナリスト
増田 美加さん
女性の健康情報&患者視点に立った医療情報について執筆、講演を行う。女性誌やWEBでヘルスケアやアンチエイジングの連載を行うほか、テレビ、ラジオにも出演。乳がんサバイバーでもあり、がんの啓発活動を行う。NPO…

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