ヘルスケア
2018/01/21

【女性のがん特集】vol.4 40代が子宮頸がんのピークです! 正しい予防法をお伝えします

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更年期世代以降に増える女性のがんについて、女性医療の視点で医療ジャーナリストの増田美加がお届けします。
女性のがんの4回目は、20代から40代に多い「子宮頸がん」。正しい検診と予防のための対策をお伝えします。

子宮頸がんは、初期症状がなく要注意です

婦人科のがんで最も多いのが子宮がん。子宮がんには、子宮頸がんと子宮体がんがあります。
「VOL3 子宮体がん」参照

子宮頸がんは、子宮の入り口にある子宮頸部という部位に起こります。子宮の入り口付近なので、普通の婦人科の診察で、発見されやすいがんです。
早期に発見すれば、治療しやすく治りやすいがんですが、進行すると治療が難しいことから、早期発見が極めて重要ながんです。

子宮頸がんは、20歳代後半から40代まで罹患率が高くなります。40代がそのピークです。そのあとは減少傾向になります。罹患率も、死亡率も20代から40代に増加しています。
 しかしもちろん、更年期以降も子宮頸がんにかかる人は少なくなく、初期は症状がないので、注意が必要ながんなのです。

年間約10,520もの人が新たに子宮頸がんにかかります。子宮体がんは年間約13,000人です。* また、子宮頸がんで亡くなる方は年間約2,700人、子宮体がんでは約2,300人です。
*国立がん研究センター 地域がん登録全国推計値2013年 上皮内がんを除く。

性交渉によるウイルス感染が原因です

子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因です。
HPVは、性交渉で感染しますが、HPVはごくありふれたウイルスで感染そのものはまれではなく、感染しても多くの場合、自然に排除されます。
しかし、なんらかの原因で感染が続くと、子宮頸がんが発生します。喫煙も、子宮頸がん発生の危険因子です。

検診+HPVワクチンで子宮頸がんは99%予防できる時代です!

HPV(ヒトパピローマウイルス)には、複数の型(タイプ)がありますが、一部の型のHPV感染を予防できる子宮頸がん予防ワクチンがあります。
予防できないがんがほとんどのなか、子宮頸がんは、予防できるがんなのです。

2009年、子宮頸がんのワクチンが世界に遅れて、やっと日本でも認可され、2013年4月からHPVワクチンは定期接種となり、小学校6年~高校1年に相当する年齢の女子は無料で接種ができるようになりました。
がんが予防できるなんて医学的にも画期的なことです。
世界中100か国以上の女性たちは、今、検診とワクチンで頸がん予防を行っています。

大切なのは、ワクチンだけでは予防できないということ。必ず、子宮頸がん検診も、年に1回は行なうことが大切です。

そのわけは、HPVの型(タイプ)は全部で100種類以上あり、がんになるものが約15種類。ワクチンで予防できるのは、このうちHPV16型と18型の2種類です。
この2種類は、全部の子宮頸がんのうちの約70%を占めていますが、ほかのHPVタイプの子宮頸がんは予防できないのです。

子宮頸がんの予防法は、HPVワクチンの接種と定期的な子宮頸がん検診。ワクチンと検診で99%が予防可能です。

HPVワクチン接種が公費で行われていない理由は…

しかし、2013年6月より接種後の有害事象(痛み、運動障害など)の調査のため、日本の厚生労働省は、このHPVワクチンの積極的な接種推奨を一時停止しています。これは先進国で日本だけです。
このワクチンは、6か月間に3回の接種が必要。自費で接種する費用は合計4万5千円から5万円と高額です。
WHOは「日本は予防可能であるHPV関連がんの危険に晒されたままになっている」と名指しで日本を非難しています。

HPVワクチンは世界100か国以上で認可され、60か国以上で公費接種が現在も行われています。日本の医師などの専門家(日本産科婦人科医会、学会ほか)も、国に公費接種の再開を求めていますが、いまだに中、高校生の公費助成のHPVワクチン接種は再開されていません。
世界中でHPVワクチン接種が行われているにもかかわらず、このままでは、日本だけにHPV(ヒトパピローマウイルス)が蔓延して、日本女性だけに子宮頸がんが増える状況になってしまいます。

大人の女性にもHPVワクチンは有効です

HPVワクチンは、中、高校生が接種するというイメージを持っている人も少なくないと思います。でも、大人の女性にもHPVワクチンは有効です。
性交渉を行なう前、HPVに感染する前の子どもたちに接種することは大事です。でも、仮に今、HPVに感染している大人でもワクチンは有効なのです。

20代、30代では16型、18型両方に感染している人はほとんどいません。たとえ、どちらかに感染していても、もう一方の感染は防げます。
そして、多くのHPV感染は一過性で、しばらくすると免疫力で自然消滅します。ワクチンは消滅したあとの再感染を防ぐこともできるのです。

このHPVは、性交渉のある女性の80%以上が50歳までに感染を経験すると言われているほどありふれたウイルスです。
ですから、性交渉があれば、何歳でも感染する可能性はあります。
もちろん、大人の女性の公費助成は、最初から行われていませんので、自分で支払うことになります。おもに婦人科クリニックで希望すれば、接種可能です。

受けるべき子宮頸がん検診の中身とは?

子宮頸がん検診は、一般では「子宮がん検診」と呼ばれています。

子宮頸がん検診は、産婦人科医師が子宮頸部から、小さなヘラやブラシなどで細胞をこすり取り、異常な細胞の有無を調べる「細胞診」という方法で行われています。

この細胞診の検査は、約1~2分で終了し、リラックスして力をぬけば、あまり痛みはありません。検査後、ほんの少量出血することがあるくらいです。

この細胞診による子宮頸がん検診は、異形成(前がん病変)といって、がんになる前の病変も発見することができます。
20歳から2年に1回、定期的に子宮頸がん検診を行うことが大切です。

けれども、日本女性の検診受診率は低く、先進国で最低の割合です。そのため、子宮頸がんで亡くなる人が減っていないのです。

もし、何かの症状があって婦人科を受診した場合は、子宮頸部の「細胞診」を保険診療で行えることもあります。また、人間ドックのオプションになっていることもあり
ますので、この2年間、受けていない人はぜひ受けてください。

一方、自分で細胞診を行う“細胞診サンプルの自己採取”が行われているところもありますが、サンプルの状態が悪く、診断の正確さが産婦人科医による採取よりも劣ることがわかっています。
異常な出血やおりものの異常などが続くようであれば、検診結果に異常がなくても、産婦人科を受診して、詳しい診察を受けることも忘れないでください。

女性医療ジャーナリスト
増田 美加さん
女性の健康情報&患者視点に立った医療情報について執筆、講演を行う。女性誌やWEBでヘルスケアやアンチエイジングの連載を行うほか、テレビ、ラジオにも出演。乳がんサバイバーでもあり、がんの啓発活動を行う。NPO…

増田美加さんの【女性のがん特集】

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