ヘルスケア
2018/03/18

【女性のがん特集】vol.8 卵巣がん

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更年期世代以降に増える女性のがんについて、女性医療の視点で医療ジャーナリストの増田美加がお届けします。
女性のがん、8回目は卵巣がん。卵巣がんは、確立した検診法がなく、早期発見が難しいがんのひとです。
どんな人がかかりやすいのか? そして、できるだけ早く見つけるには、どのようなことに注意したらよいのか? をお伝えします。

『がん検診がない!“卵巣がん”は、40代50代がかかりやすい。どう早期発見する?』

卵巣は、女性ホルモンを分泌する、卵子をつくり排卵する、という女性にとって非常に大切な臓器です。
 卵巣がんは、毎年増えていて、増加傾向にある女性のがんのひとつです。年間約9800人の人が卵巣がんに新たにかかっています。

卵巣がんが増えるのは、まさに更年期世代。40代から増加を始め、50代がピークです。60代を過ぎると、その後は次第に減少します。
では、更年期世代の女性は、何に気をつければよいのでしょうか?

卵巣がんの原因は?

卵巣がんが起こる原因は、複数の要因が関係していると考えられていて、何かひとつの原因を特定することができません。

けれども、確立したリスク要因は、ひとつだけあって、それは「卵巣がんの家族歴」と言われています。卵巣がんのすべてではありませんが、約10%は遺伝が関係している卵巣がんがあるということです。

乳がんと同じくBRCA1遺伝子、BRCA2遺伝子の変異があると、発症する危険性を高めることが知られています。これはアンジェリーナ・ジョリーさんが告白したことでも知られている「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」です。
もちろん、遺伝性でない卵巣がんも多いので、家系に卵巣がん、乳がんの方がいなくても、かかる可能性はあります。

ほかには、排卵の回数が多いと卵巣がんになりやすいと考えられているため、妊娠や出産の経験がない人や、初経が早く閉経が遅い人は、発症する危険性が高まる可能性があります。

また、“おそらく確実な要因”と言われているのは、高身長が挙げられています。また、卵巣がんの一部の組織型には、喫煙が関連することも最近わかってきました。

子宮内膜症のチョコレートのう胞は40歳以降、がん化するリスクが!

また、多嚢胞性卵巣(たのうほうせいらんそう)、子宮内膜症のチョコレートのう胞があることもリスク要因です。
特に、子宮内膜症のチョコレートのう胞は、良性ですが、40歳を過ぎると、がん(悪性)になるリスクが高まると言われています。チョコレートのう胞をもっている女性は多いので、注意が必要ですし、定期的に婦人科で慎重に診ていくことが大切になります。

そのほか、“可能性のあるリスク要因”として、肥満、動物性脂肪の多量摂取、不妊治療による排卵誘発剤の使用、更年期障害などに対するホルモン補充療法などが挙げられています。

逆に、経口避妊薬(ピル)を服用することは、卵巣がんのリスクを低下させるとも言われています。

早期発見できるがん検診がない!?

がん検診は、がんを早期発見して、適切な治療を行うことで、がんによる死亡を減少させることが目的です。日本では、厚労省の「がん予防重点健康教育、及びがん検診実施のための指針(平成28年一部改正)」で検診方法が定められています。
現在、国が指針として定めているがん検診は、胃がん、大腸がん、肺がん、子宮頸がん、乳がんの5つのがんだけです。

卵巣がんは、現在、指針として定められている検診法がありません。また、卵巣がんは、科学的に根拠のある検診方法も確立されていません。
現状では、気になる症状がある場合に、婦人科を受診すること、くらいしかないのです。

がん検診がないのに、できるだけ早く見つけるにはどうしたら?

しかしながら、卵巣がんは、早期はほとんど自覚症状がないのです。サイレントキラーと呼ばれるほど、早期は無症状です。

「下腹部にしこりを感じる、おなかが張る、トイレが近くなる、食欲がなくなるなど」の症状はありますが、このような症状を感じたときには、すでに卵巣がんが進行していることも少なくありません。
おなかの張りや痛みなど、気になる症状がある場合は、早めに婦人科を受診することをおすすめします。

では、早期に見つけるにはどうすれば?
症状がなくても、定期的にできれば年1回、婦人科検診を受けておくことです。婦人科検診を子宮がん検診と同じものと思っている人もいるのですが、婦人科検診と子宮がん検診は、別のものと考えてください。

症状がなくても年1回程度は婦人科検診を

子宮がん検診は、子宮頸がんの検診のこと。
婦人科検診は、経腟超音波検査や血液、尿、おりもの検査などで、総合的に婦人科の病気の有無を診る検診です。
特に、経腟超音波は、子宮と卵巣の病気を見つけるのに優れた検査です。卵巣の中の卵の様子まで見えますし、卵巣が腫れていないか、もちろん腫瘍の有無もわかります。

症状がなくても、年1回は経腟超音波検査を行っておくと、卵巣がんのほか、卵巣の病気の早期発見につながります。

それから、もしも子宮内膜症のチョコレートのう胞があったら、40歳以降はがんになるリスクが上がることがわかっているので、40歳になったら特に注意して婦人科で診察してもらっておくことが大切。医師と相談して、必要な場合は卵巣がん予防のためにも、手術で治療することも考えます。

卵巣がんは怖いがんのひとつ、だからこそ…

脅かすわけではないのですが、生理がある期間は毎月、排卵することで、卵巣が卵を放出するために破裂しています。その卵巣に、がんがあると、排卵時にそのがんも体(特におなか)の中に広がる可能性が高いのです。

卵巣がんは、転移することが多いことでも知られています。胃から垂れ下がり大腸小腸を覆っている大網(たいもう)、おなかの大血管の周りにある後腹膜リンパ節、大腸、小腸、横隔膜、脾臓(ひぞう)などに転移することがあります。予後の悪いがんのひとつです。

ですから、症状がなくても定期的な婦人科検診を。そして、子宮内膜症のチョコレートのう胞がある人は、より注意して婦人科で診察をまめに受けることが大切です。

女性医療ジャーナリスト
増田 美加さん
女性の健康情報&患者視点に立った医療情報について執筆、講演を行う。女性誌やWEBでヘルスケアやアンチエイジングの連載を行うほか、テレビ、ラジオにも出演。乳がんサバイバーでもあり、がんの啓発活動を行う。NPO…

増田美加さんの女性のガン特集

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