ヘルスケア
2018/05/20

【女性のがん特集】vol.11 QOL(生活の質)を大切にした乳がんの治療ケア

文字サイズ

Illustration Chiaki Mori

更年期世代以降に注意すべき女性のがんについて、女性医療の視点で医療ジャーナリストの増田美加がお届けします。
女性のがん、11回目は乳がんの治療ケアについて。

乳がん治療による副作用に対して、QOL(quality of life=生活の質)をできるだけ維持するケアが行われています。
乳がんは、ほかのがん種に比べて、最もQOLを大切にした治療や治療的ケアが進んでいます。
今、乳がん患者さんのQOLを大切にしたケアにはどのようなものがあるのか、をご紹介します。

がん治療を継続しながら、前向きに生きるために

ご存じの方も多いと思いますが、乳がんの抗がん剤治療では、髪の毛、眉、まつ毛などの脱毛があります。また、皮膚の黒ずみ、乾燥、あれ肌など、外見の副作用が起こります。

そのほかの吐き気、倦怠感、しびれなどの副作用もありますが、外見に影響を及ぼす副作用は、治療を続けながら、社会生活を送る女性にとって、メンタルにも影響するつらい副作用のひとつです。

乳がん治療中は、治療を続けながら前向きに生きるために、治療による外見の副作用をカバーしたい。社会から孤立せず仕事を続けるためにも、治療以外の時間は普通の女性でいたい、と思います。

ともすると、つらい副作用のある抗がん剤治療を途中でやめてしまい、命にかかわることもあるのです。

今、乳がん治療の現場で、外見をケアすることが、心を勇気づけ、前向きに治療に臨む機動力になっています。がん患者としての自分だけでなく、闘病中もいつもの自分らしく美しくいることの大切さが医療者や医療現場でも理解され、そのためのケアが行われるようになっているのです。

ウイッグをつけただけでは、なんだか似合わない…

脱毛など、抗がん剤のつらい副作用の対処法として、最初に、オシャレなウイッグを買ったという女性も少なくありません。

治療中はずっと寝込んでいるわけではなく、元気なときは普通の女性として生活をし、普通に外出をして人に会って、仕事もしているのです。
“自分=がん患者”ではないのです。

でも、ウイッグをつけただけでは、なんだか似合わない…と感じることも。
抗がん剤の副作用で、髪だけでなく、肌が黒ずんで、眉やまつ毛も抜けているため、鏡で自分の顔を見ると、病人っぽい…と感じてしまうのです。

そこで、くすんだ黒っぽい肌をコントロールカラーで調整したり、眉を描き、まつ毛の代わりにアイラインとアイシャドウを入れたり、チークで顔色をよく見せたり、などでケアも可能。メークの仕上げは、ウイッグです。

治療を乗り越えられるのは美容の力

このように、がん治療中の方々のためにメークセミナーなどを開いて、教える病院も増えてきています。

女性は、外見に自信がないと、自分自身に自信がもてなくなります。
見た目が大きく変化するのがイヤで、治療をしたくないという女性がいたり、うつになってしまう人もいます。

人は、第一印象の9割、見た目で判断すると言われています。確かに、眉やまつ毛がないと、笑っているようには見えません。だから、相手も笑いかけにくいのです。元気に見えると人は話しかけやすく、コミュニケーションもとりやすい。外見を整えることが、治療中はがん患者さんにとっての武器になるのです。

医療現場でアピアランス(外見)ケアが広がってきています!

抗がん剤治療を行いながら仕事も続けたいので、なんとか会社にがん治療中とわからないようにしたい…という女性。また、就職の面接で、がん患者とわからないようにしたいという人も。

仕事を続けないと、治療は継続できません。自分の生活を守るために、アピアランス(外見)ケアを習いたいという患者さんが増えています。アピアランスケアは、がん治療中の女性にとって、自分を守る鎧です。

家族や周囲もキレイになった患者さんを見ると元気づけられます。子どもはお母さんがキレイだと喜びますし、夫も妻が元気そうに見えると安心します。

元気に見えるアピアランスケアは、副作用のない大事な治療なのです。

社会で仕事を続けながら、がん治療を継続するには、アピアランスケアで心を支えることがいかに重要かを今、医療者が認識し、治療的ケアの重要な柱になっています。
2013年には、国立がん研究センターにアピアランス支援センターが設立され、2016年には医療者向け「がん患者に対するアピアランスケアの手引き」が出版されるまでになりました。

このように、今、乳がん治療は、ただがんを治すだけなく、社会で働きながら治療する人のQOLを支えることも治療の一環と考えられるようになってきています。
 ほかのがん種の治療も、乳がん治療にならって、QOLを重視した治療を大切にすることを目ざしてほしいと思います。

女性医療ジャーナリスト
増田 美加さん
女性の健康情報&患者視点に立った医療情報について執筆、講演を行う。女性誌やWEBでヘルスケアやアンチエイジングの連載を行うほか、テレビ、ラジオにも出演。乳がんサバイバーでもあり、がんの啓発活動を行う。NPO…

合わせておすすめ

@cosmeで関連キーワードの情報を見る

Page Top

ログインして便利に使おう!

A-Beautyメニュー
コスメティクス
ビューティメソッド
ヘルスケア
ニュース
共通メニュー
プレミアム会員登録
プレミアム会員解約
サービス一覧
会社情報
利用規約・ガイドライン
運営会社
ヘルプ
ヘルプ
お問い合わせ
カスタマーサポートブログ
アンケートにご協力ください
PC版@cosmeトップ
アットコスメ宣言安心してご利用いただけるサイト運営を目指して
× CLOSE