ヘルスケア
2018/06/03

【女性のがん特集】vol.13 女性の死亡率1位の大腸がん、初期症状は? どんな検査を受ければいいの?

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Illustration Chiaki Mori

更年期世代以降に注意すべき女性のがんについて、女性医療の視点で医療ジャーナリストの増田美加がお届けします。
女性のがん、13回目は、大腸がんについてお伝えします。

大腸がんは、女性がかかりやすいがんの中で、罹患率が2位、死亡率が1位と非常に注意が必要ながんです。
早期発見、早期治療のために、どんな症状に気をつけて、どのような検診を受ければよいかを知っておきましょう。

“痔”と間違えやすいので要注意。注意すべき症状は?

注意しなくてはいけないのは、大腸がんの早期の段階では、自覚症状がないということ。大腸がんは、症状がないからと言って、安心はできないのです。

大腸がんは、進行してくるとさまざまな症状が現れます。
多い症状には、血便、下血、下痢と便秘の繰り返し、便が細い、便が残る感じ、おなかが張る、腹痛、貧血、原因不明の体重減少などがあります

自覚症状のなかでも血便は、起こる確率が高い症状です。血便は、痔(じ)などでも同じような症状が起こるため、痔と勝手に自己判断してしまう人が多くいます。

大腸がんの早期発見のためには、血便や前述した症状があったら、自己判断せずに早めに消化器科、胃腸科、肛門科などを受診することが大切です。

進行するまで気づかずにいると、がんによる腸閉塞症状から起こる嘔吐などで、がんが発見されることもあります。また、大腸がんが転移して、肺や肝臓の腫瘤(しゅりゅう)として、発見されてしまうこともあるのです。

日本人はS状結腸と直腸にがんができやすい

大腸がんは、長さ約2mの大腸(盲腸・結腸・直腸・肛門)に発生するがんの総称です。日本人の場合には、S状結腸と直腸に、がんができやすいと言われています。

大腸粘膜の細胞から、発生し腺腫(せんしゅ)という良性のポリープの一部ががん化して発生したものと、正常な粘膜から直接発生するものがあります。
良性ポリープの腺腫は、1㎝を超えるとがん化して、がんになる可能性が高まります。

大腸内視鏡検査で、良性ポリープのうちに切除すれば、がんになる前に予防することができます。

どんな人がかかりやすいの?

大腸がんになる割合(罹患率)は、40代から増加し始め、50代で急増します。その後は高齢になるほど、罹患率は高くなります。

女性の大腸がんの罹患率は、乳がんに次いで2位、死亡率は女性で1位のがんです。しかしながら、男性のほうがさらに多く、死亡率も罹患率も男性は女性の約2倍と高くなっていて、男女ともに注意すべきがんです。
部位別で見ると、直腸がんより、結腸がんのほうが多い傾向にあります。

大腸がんの罹患率は、年々増加しています。けれども、2012年ころから若干ですが、減少して傾向にあります。
大腸がんで亡くなる人の割合(死亡率)は、男女共に今も増えて続けています。

ハワイに住む日系人のほうが大腸がんになりやすい!?

大腸がんが増加しているのは、おもに結腸がんが増加していることが影響しています。

以前から結腸がんの罹患率は、欧米人に多いがんで知られています。また、結腸がんの罹患率は、日本人よりハワイの日系移民の人のほうが高いという研究があり、ハワイ移民の日系人は、欧米白人と同じくらいの割合で結腸がんが起こることが知られていました。
このことから、生活習慣が大腸がんのリスクにかかわっていることが指摘されています。

ところが、最近は、日本人の結腸がんも直腸がんも、アメリカの日系移民の人や、欧米白人とほぼ同じ割合になっているのです。
欧米化した生活習慣によって、日本人にも大腸がんが増えてきているということかもしれません。

大腸がんの原因として、生活習慣としては、飲酒と肥満。食生活では、赤肉(牛・豚・羊の肉)や加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージなど)の摂取が増えたことが指摘されています。
大腸がんには、遺伝性のものもあって、遺伝的な要因としては、血縁に家族性大腸腺腫症とリンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス性大腸がん家系)にかかった人がいる場合は、遺伝性大腸がんの可能性があると言われています。

受けるべき大腸がん検診は便潜血検査です

大腸がんの検診は、便に血液が混じっているかどうかを検査する「便潜血検査」が有効であることが明らかになっています。
便潜血検査をあなどるなかれ! 40歳以上の人は年1回、便潜血検査を行うことは大切です。

症状が出る前に、検診でがんを発見することが早期発見のためには大切。大腸がん検診を定期的に行うことで、早期発見が可能です。早期発見できれば、がんを完全に取り除ける可能性が高くなり、治るがんです。

エビデンスのある大腸がん検診は、自治体などで安価で行っている「便潜血検査」ですが、ほかに発見する効果がある一般的な検査方法として、「全大腸内視鏡検査」があります。

40歳以上で血縁に大腸がんがいる、気になる症状があるなど、リスクが高いと思う場合は、全大腸内視鏡検査を行ってもいいでしょう。

大腸がん検診は、男女ともに、40歳以上は年1回、受けることが大切です。

大腸がん検診の方法として、「効果がある」と判定されている検査は「便潜血検査」、「全大腸内視鏡検査」です。がん検診の中でも効果が最もよくわかっている検診です。

便潜血検査

大腸がん検診の中で科学的証拠(エビデンス)によって、「効果あり」と言われている検査法です。
がんやポリープなどの大腸の病気があると、大腸内に出血することがあります。この便潜血検査は、その血液を検出する検査です。
全大腸内視鏡検査と比べて検査の精度は劣りますが、安全、簡単、安価で、一度に多くの検査が実施可能であるなど、検診方法として優れた特徴があります。

また、最も信頼性の高いRCT(無作為化比較対照試験)という臨床試験で、効果がきちんと証明されている検査です。
もしも、便潜血検査が陽性(異常あり)になった場合は、がんかそうでないかを確認するために、きちんと精密検査を受けることが必要です。

全大腸内視鏡検査

これも、大腸がん検診の中で科学的証拠(エビデンス)によって、「効果あり」と言われている検査法です。大腸の全てを内視鏡で観察する方法で、がんやポリープに対する診断精度が非常に高いのが特徴です。

デメリットは、まれにですが出血や腸に穴が開くなどの事故が起こる可能性があります。また、比較的高度な技術を必要とする検査のため、多くの受診者に行うことはできません。
がん検診として、広く多くの人に行うとすると、上記のような不利益が考えられるので、今は自治体(住民)検診では推奨されていません。

そのため現時点では、がん検診としてより、おもに精密検査のための検査となっています。
大腸内視鏡は、精密検査として第一に推奨される方法です。内視鏡を挿入し、直腸から盲腸まで、しっかりと大腸の全部位を撮影し、がんやポリープなどの病変がないかを確認します。全大腸内視鏡検査は、大腸の中の小さな病変を見つけることが可能です。一番奥の盲腸まで、しっかり診てもらえる施設で受けることが大切です。

大腸内視鏡検査の際に、ポリープなどがあると、組織を切除して検査をします。採取した組織は、悪性かどうかを病理診断します。
このように、検査時にポリープなどがあると、その場で切除できるので、治療にもなります。良性ポリープのうちに切除しておくことは、大腸がんの予防にもつながります。

便潜血の大腸がん検診で“異常あり”だったときにどうすれば?

便潜血検査では、約7%の人が「精密検査が必要(要精密検査)」という判定が出ます。この場合、必ず精密検査を受けてください。精密検査の方法は、全大腸内視鏡検査が基本です。

全大腸内視鏡検査は、精密検査として一番に推奨される方法です。
内視鏡を挿入し、直腸から盲腸までの大腸の全部位を撮影し、がんやポリープなどの病変がないかを確認します。

精密検査を受けて、良性ポリープを切除するなど、がん以外の病気が指摘された場合には、次の検診はいつどんな検査を行うのがよいかは、医師と相談しましょう。

大腸がん検診の結果を受けて、検査で「異常なし」の場合なら、40歳以上の人は、年1回、便潜血検査による大腸がん検診を続けましょう。

女性医療ジャーナリスト
増田 美加さん
女性の健康情報&患者視点に立った医療情報について執筆、講演を行う。女性誌やWEBでヘルスケアやアンチエイジングの連載を行うほか、テレビ、ラジオにも出演。乳がんサバイバーでもあり、がんの啓発活動を行う。NPO…

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