ヘルスケア
2018/07/08

閉経後のデリケートゾーンの話〜その2 今からできるGSM対策!

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どんなに見た目が若くても、50歳前後で閉経を迎えるのは女性の宿命。ですが、閉経後も長いネクストステージが待っています。年齢を重ねると共に女性ホルモンが減少します。それによって心身共に様々な変化を感じていませんか? そこで、女性ホルモン減少で起こるデリケートゾーンを含めた諸問題について女性泌尿器科の関口由紀先生にお話を伺いました。

最近、耳にするGSMって何ですか?

GSM(Genitourinary syndrome of menopause)は、日本語では閉経関連性器尿路症候群と呼びます。2014年に国際女性性機能学会と米国更年期学会が共同で提訴した新しい概念です。閉経後の女性ホルモンの低下によって起きる外陰部や膣の不快な症状だけでなく、おしっこやセックスにまつわる問題までを含め、より幅広くケアしていくことが求められている時代なのです。

GSMの主な症状は3つ

・デイケートゾーンの不快感(ムズムズ、かゆみ、痛み)
・尿のトラブル(頻尿・尿漏れ)
・セックスの時の痛み

実に閉経後の50%以上の女性が、GMSの症状で生活の質を落としていることが明らかになっています。「ドキッ」とした方もいらっしゃるかもしれません。GSMは発生時期や症状に個人差が大きいのも特徴のひとつ。若いうちから女性ホルモンが低下し、肌はツルツルなのに外陰部の萎縮が強く出たりする方や、50代になって女性ホルモンが減少して性欲がなくなる方ばかりではなく、体内の男性ホルモン比率が高まり、性欲が強くなる方もいらっしゃいます。バラツキは遺伝子や生活環境の影響があると推測されます。デリケートゾーンにまつわる悩みはなかなか公ではしにくいかもしれません。しかし、生活の質を左右する重要な部分。改めて目を向けてみると、ご自身の体調不調を教えてくれるサインがデリケートゾーンにはあります。

GMSはどう診断するのですか?

膣の周りに不快感を訴えてこられる方には、まずは外陰部を診察します。

・クリトリスが包皮に埋まっていないか
・触ると痛いか
・小陰唇が乾燥している
・膣内の粘膜の状態や硬さなど

このような所見と合わせて、尿検査、血液検査を行います。年齢を重ね、高血圧や高脂血症になると治療をしますよね。それと同じで、GSMの症状も「年をとったからしょうがない」と諦めずに、きちんとケアをしてトラブルを予防し、必要であれば治療を受けるべきです。性ホルモンの減少を自然現象だと諦めない「攻めの健康医学」で対応していけば、閉経後の女性のネクストステージは輝きます。

デリケートゾーンのケアについて教えてください。

実は膣も顔と同じで、とにかく保湿が大切です。お肌も乾燥が進むと、痛みや痒みがでますし、強い刺激があれば荒れて炎症を起こします。外陰部も潤いをキープすること。デリケートゾーン用の保湿剤はさまざま市販されていますし、全身の保湿剤でも大丈夫です。私のクリニックでも専用美容液を作りました。天然で女性ホルモン増加を促す成分を詰め込んでいます。まずは身近で手に入りやすい保湿剤で、外陰部の表面に1、2滴でも潤いを与えましょう。保湿を意識するだけで、外陰部の痒みや痛みは解消される方は多いです。老化を防ぐためには、フェイスと同様にデリケートゾーンケアも習慣にしてください。

他にも方法はありますか?

婦人科、泌尿器科では、女性更年期の治療では、イソフラボンのサプリ、プラセンタを注射、漢方、アロマなどを使用しています。女性ホルモン分泌を高めることで膣内の血流を良くする方法です。それでも効果がない場合は女性ホルモン補充を行います。
卵巣がんなどによる卵巣の摘出後、乳がんの術後治療で女性ホルモンを減らす薬を使っているなど女性ホルモン療法ができない方には、『フラクショナル炭酸ガスレーザー』という治療法があります。これはフェイスケアで使用されていて、アメリカではFDA(アメリカ食品医薬品局、日本の厚生労働省に相当する政府機関)で認められている医療行為です。膣も肌と同様にレーザーによって弾力性や水分量を改善することができます。

骨盤底筋訓練もいいのですか?

骨盤底筋訓練は膣の血流を良くするので効果が期待できます。外陰部も粘膜、皮下組織、筋肉という構造なので、筋肉がしっかりしても、粘膜と皮下組織をまずはケア。その上で、骨盤底筋リハビリテーションで筋肉にアプローチしましょう。骨盤底筋リハビリテーション治療が終わった方には、当院ではピーティラピスという、全身の運動をすると自然に骨盤底筋が鍛えられる、運動をオススメしています。下半身全体の筋肉強化は有効です。

閉経後のセックスは良いの、悪いの?

セックスしている人としてない人では明らかにしている人の方が免疫力は高いという印象を私は持っています。ですが、実際そのようなエビデンスは存在していませんが、セックスで免疫力はあがるのは菌抗体がおきるからと推測できます。
とあるコンドーム会社の調査では、日本はセックスの頻度も満足度も常に最下位。セックスに対する文化や人種的な違いなのでしょう。でも、セックスは膣にとってはいい刺激になります。腟の萎縮が気になりだしたら、現在セックスパートナーがいない場合には、積極的に膣のマッサージを推奨しています。ダイレーターやバイブレーター使用がオススメです。エロチックなイメージではなく、膣をマッサージすることで血流が良くなるので膣萎縮改善につながります。ストレス、加齢、閉経で女性ホルモンが減少すると、粘膜や皮膚のコラーゲンが減って薄くなり、膣そのものが収縮するのでセックスで痛みが出ているなら、試す価値はあります。

性欲がほとんどない場合は?

私はコミュニケーションとしてのセックスは、いくつになっても必要だと考えています。やはり女性は男性に好かれたいという気持ちで、キレイを目指すのではないでしょうか。それをセックスと結びつけるかどうかはあくまでも個人の問題。ただ、性欲がない、性機能が落ちたという悩みを持って私の外来に訪れる女性も少なくありません。その場合には男性ホルモン補充が有効です。男性に対する補充よりかなり微量で、女性の性的意欲が増す効果があります。また、更年期のうつ症状で、抗うつ剤が効かない場合にも微量の男性ホルモン補充で改善されるケースがほとんど。元々、女性ホルモンは男性ホルモンから作られているので、女性の生活活性をサポートする元気ホルモンとして、GSMの治療に積極的に男性ホルモンを活用しています。

女性のネクストステージに必要なことは?

認知症、不眠症、動脈硬化性疾患、骨粗しょう症など、更年期後のホルモン低下による諸症状はまだまだあります。その中にもひとつとしてGSMが含まれます。ラストステージのために、ネクストステージである55~75歳をしっかり生きなければいけません。その大切な要素は運動、食生活、性生活も大事です。セルフケアの範囲で補えない女性ホルモン欠乏による様々な問題にはバイタルエナジーとしての女性ホルモンや男性ホルモン補充を選択肢として覚えておいてください。女性の未来を明るくする医学をぜひ活用してください。

女性医療クリニックLUNAグループ
関口 由紀先生


日本では数少ない女性泌尿器科専門医である。日本泌尿機能学会指導医・専門医。日本東洋医学会指導医・専門医。日本性機能学会専門医。日本排尿機能学会専門医。経営学修士(MBA)。「女性の身体は、全身的に診ていく必要がある」と、婦人科、女性泌尿器科、内科、漢方内科、乳腺科、皮膚科、美容皮膚科、などを揃えた女性医療クリニックLUNAグループを展開中。『横浜元町女性医療クリニック・LUNA』(婦人科)『女性医療クリニックLUNA・ANNEX』(女性内科・漢方内科・ヘルススタジオ)を横浜元町に開院。さらに子宮脱や尿失禁の治療、手術を多く手がけてきた経験から、骨盤底筋群の重要性に早くから着目。理学療法士や運動療法指導士などとチームを組み、患者の生活の質をあげるための診療、治療を行う『LUNA骨盤底トータルサポートクリニック』(女性泌尿器科、乳腺科、美容皮膚科)を立ち上げ、現在はLUNAグループの理事長を務める。2015年には、『女性医療クリニックLUNA・心斎橋』もオープンした。

※9月3日より、クリニックの場所、コンセプト、名前変更。より元町中華街駅に近くなって、同じビルの2・3階で、生殖年齢向け女性医療クリニックLUNA横浜元町と
更年期以降むけ女性医療クリニックLUNA NEXT STAGEを再オープン予定

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取材・文 熊本美加

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