ヘルスケア
2019/01/06

生理前の張りや便秘…。知っておくべき女性ホルモンと腸内環境の関係

文字サイズ

「腸内フローラ」は、今や健康やエイジング対策のキーワード! 最近はさらに腸内細菌を含めた腸内環境について、より多くのことがわかってきました。肌の健康、肥満、免疫力、疾患リスク、さらに認知機能にも関係していると一層注目が高まっています。

「でもなぜ、腸内環境がそんなに重要なの?」と疑問に思っている方のために、今さら聞けない腸の話から最新トピックスまで、健康医学やアンチエイジング医療に詳しい澤登雅一先生に教えていただきました。

INDEX

腸内環境がなぜ、そんなに大切なのでしょう?

その理由は腸が持つ4つの特徴にあります。

最大の免疫組織

人間の身体を守っているリンパ球の60%が集まっている

最大の末梢神経組織である

首から下の神経の50%以上が集まる

最大の微小血管系

毛細血管の55%が集まる

最大のホルモン産生組織

糖代謝に欠かせないインスリン分泌を促進する消化ホルモン「GLP-1」や、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」などが分泌されている

腸は40億年前の生物にも存在していた、最も原始的な消化と排出を担う臓器です。腸内環境が悪いと下痢や便秘を引きこし、栄養吸収が上手くできなくなったり、老廃物が溜まってしまったりします。また、腸は身体の水分バランスを調整しているため、肌の乾燥や、身体のむくみなどにもつながります。さらに、腸には免疫細胞の約6割が集中していますので、腸内環境が悪ければ免疫のバランスが崩れ、アレルギーや炎症などさまざまな不調を起こしやすくなります。

もうひとつ重要なのは、“脳腸相関”と言われる脳と腸の密接な関係です。強い緊張や不安を感じた時に、突然、お腹が痛くなった経験はありませんか? メンタルストレスで便秘や下痢を繰り返す「過敏性腸症候群」の方が急増していますので、脳が腸に強い影響を与えていることは良く知られています。逆に、腸も脳に影響を与えているので、腸内環境を整えることは、健やかなココロとカラダを保つには欠かせないと心得てください。

女性ホルモンと腸内環境の関係は?

交感神経と副交感神経のバランスで、腸の動きはコントロールされています。ストレスが強くなると自律神経のバランスが崩れに連動して、腸の運動も異常を引き起こし、消化や吸収力が落ちてしまいます。閉経前後は、女性ホルモン低下によって、ストレスホルモンである「コルチゾール」が増える時期なので、交感神経が優位になる傾向があります。それが間接的に、腸環境に悪影響を与えていると考えられます。生理前にお腹が張るという経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。排卵期から黄体期にはプロゲステロン(黄体ホルモン)が急上昇します。そのプロゲステロンは腸のぜんどうを緩やかにする働きを持っているので、食べ物がより長く腸に停滞して、便秘になりやすくなります。長く腸に食べ物が残っていると発酵して悪玉菌が増える原因になり、肌や体調にも悪影響が出ます。
しかし、日頃から便秘や下痢に悩んでいる方は、女性ホルモン値の変化で、特に症状を強く訴えて来院されるケースはほとんどありません。骨密度低下、うつなどのメンタル、婦人科系の症状が優先されますが、腸環境も変化にも目を向けてください。

生理と腸の関係

(例)生理前におなかが張る人の場合

閉経後に腸内環境のために意識することはありますか?

更年期症状を軽減するために、最近「エクオール」という成分が注目されています。大豆などにも含まれている「大豆イソフラボン(ダイゼン)」には、女性ホルモンに似た作用があると言われています。ただし、摂取した大豆イソフラボンを女性ホルモンに変換するには、腸内細菌のひとつ「エクオール産生菌」の力が必要です。しかし、残念なことに日本人の半数の方は持っていません。若い世代でも持っていない方が増えていますので、食習慣の影響が大いに考えられます。

いるかいないかを調べるには、郵送の尿検査(5000円程度)が便利です。もし、エクオール産生菌が産生できなくても、エクオール自体をサプリメントで摂取するとサポートになります。

EQUELLE エクエル

容量・本体価格 112粒・4,000円

腸内細菌について教えてください

最近、腸内細菌にはいろいろな働きがあることがわかってきました。そもそも人間の免疫は、非自己である細菌やウイルスを排除しようとするものですが、腸内細菌とは闘うことなく共存しています。

人間が生きていくうえで腸内細菌は必要であるということです。ヒトの腸管には500~1,000種類、1000兆個もの腸内細菌が存在し、すべてあわせると重さ約1.5キロにもなるとも言われています。

もしこれが臓器だとしたら、ヒトの中で最大の臓器ということになります。そう考えると、腸内細菌のバランスの善し悪しは、ヒトの健康にとって非常に重要であるということがわかります。

「善玉菌が多ければ良い」は古い

腸内細菌の研究が進むにつれ、従来悪玉菌と考えられていた菌の中にも、ヒトの身体にとって有益な働きを持っているものが存在したり、いくつかの菌が共同作業することでさまざまな作用を発揮したりすることがわかってきました。

たとえば、悪玉の代表として知られていたクロストリジウムというグループの菌の中には、酪酸という成分を産生することで、免疫系に作用し、炎症やアレルギーなどを抑える免疫細胞を増やす働きがあることがわかっています。酪酸は、糖や脂肪の代謝にも関わっています。

また、長寿のヒトの腸内には酪産を産生する菌が多いという報告もあります。ビフィズス菌・乳酸菌とともに、善玉菌の代表として、酪酸菌に関する今後の研究に注目したいと思います。

このほかにも、腸内細菌のバランスにより、肥満、認知機能、抗がん剤の効果に影響があることも示唆されています。

腸内細菌に関しては、すべてが解明されているわけではなく、まだまだ未知の部分が多いのが現状です。しかしながら、現段階でも、従来の「善玉菌が多ければいい」という単純な発想ではなく、もっと細かいバランスが重要であることがわかります。また、理想的なバランスは個々によって異なる可能性もあります。

腸内細菌の検査が画期的に進歩した

近年、腸内細菌の研究が急速に進んだ背景には、検査技術の進歩があります。「次世代シークエンサー」により、遺伝子を網羅的に調べることが可能となり、実際に自分の腸内細菌の構成を知ることができるようになりました。全体的な腸内細菌の種類と割合、善玉菌、酪酸産生菌、エクオール産生菌、やせ菌などさまざまな情報が得られます。最新の検査のため、検査費用は3~5万円と高額ですが、興味のある方は受けてみるのもいいかもしれません。ご自身でできる腸環境チェックと腸活対策は第2弾でお伝えします。

お話を伺ったのは

澤登 雅一先生

澤登 雅一先生

医学博士
東海大学医学部血液腫瘍内科非常勤講師
日本内科学会総合内科専門医
日本血液学会専門医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
日本抗加齢医学会評議員・専門医
米国先端医療学会(ACAM)キレーション治療認定医
エピジェネティック療法研究会 代表幹事
特定非営利活動法人 日本コーチ協会認定メディカルコーチ
日本医師会認定産業医

1992年、東京慈恵会医科大学卒業。血液内科医として、日本赤十字社医療センターにて14年間勤務。2005年より三番町ごきげんクリニック院長。

澤登先生の著書はこちら

取材・文 熊本美加

合わせて読みたい!おすすめ記事

@cosmeで関連キーワードの情報を見る

Page Top

ログインして便利に使おう!

A-Beautyメニュー
コスメティクス
ビューティメソッド
ヘルスケア
ニュース
共通メニュー
プレミアム会員登録
プレミアム会員解約
サービス一覧
会社情報
利用規約・ガイドライン
運営会社
ヘルプ
ヘルプ
お問い合わせ
カスタマーサポートブログ
アンケートにご協力ください
PC版@cosmeトップ
アットコスメ宣言安心してご利用いただけるサイト運営を目指して
× CLOSE