ヘルスケア
2019/05/25

女性ホルモン減少でコレステロール値アップは当然!? 美しく健康な大人への備忘録

文字サイズ

若い頃は全く気にしていなかったコレステロール。更年期に入った途端、コレステロール値が急上昇。ショックを受けて気になりだしたという方はいませんか? それもそのはず。女性ホルモンが減少すると、いやおうもなくコレステロール値は上がってしまいます。今回は「それはなぜ?」「どう対応すればいいの?」という疑問を、食や生活習慣から健康をサポートしている内科医の浜口玲央先生にぶつけてみました。

index

コレステロールってなんですか?

よく耳にするコレステロールや中性脂肪(トリグリセライト)とは、体内にある脂質の一種。簡単にいうと「あぶら」です。身体に悪そうなイメージがあるかもしれませんが、人間が生きるためには欠かせません。コレステロールは細胞やホルモンを作る材料で、中性脂肪は我々人間が活動するためのエネルギー源です。しかし中性脂肪や悪玉コレステロールが増え、善玉コレステロールが減ると、体内に余計な「あぶら」が溜まっていき、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすリスクの高い状態、「脂質異常症」と診断されます。ちなみに、「脂質異常症」は、以前は「高脂血症」と呼ばれていましたが、コレステロールのHDL(善玉)は高いほうがいいことが判明してから「脂質異常症」が一般的な呼び名になっています。

コレステロール値が急に上がったとしても、痛くもかゆくもありません。しかし、放置しておくと、ある日突然、脳や心臓の血管が詰まって取り返しのつかない事態に…。そうならないよう、閉経前から対策を講じるのが、長寿社会のサバイバル術です。

なぜ、閉経後にコレステロールがあがるの?

加齢と共に女性ホルモンが減ると、コレステロール値が上がる。これは20年以上も前から医学の教科書に書かれている常識ですが、メカニズムは明確ではありません。しかし、考えられる理由はふたつ。

1. 血管保護作用が低下する

女性ホルモンは元々強い血管保護作用を持っています。50代までは男性のほうが血管疾患の率が高いのはその違いにあります。しかし、女性ホルモンが減ってサポート力が弱くなってしまうと、女性も50代以降は徐々に血管系疾患での死亡率があがってきます。

2. 肝臓内の機能が低下する

肝臓にコレステロールを戻すリセプター(受容体)がありますが、それが女性ホルモンの減少で機能が弱まることがわかっています。肝臓に戻れず行き場のないコレステロールが血液中に増えてしまうのです。血管は弱くなり、悪玉コレステロールは増加。このダブルパンチでリスクが高まります。

さらに、年と共に代謝が落ちて太りやすくなり、過食、偏食、運動不足、ストレスなどが重なると動脈硬化での死亡率が、3倍~8倍にまで跳ね上がります。原因を探して、ひとつずつ排除していくべきです。

善玉、悪玉? コレステロール値の見方を教えて!

コレステロールは働きの違いで、LDL(悪玉)とHDL(善玉)と2種類に分けて呼ばれています。この2つを合わせたものが総コレステロールです。

目安の数値はこちら(空腹時の採血です)。

・LDLコレステロール:肝臓から全身の組織にコレステロールを届ける。
→基準値 70~140 mg/dl未満 
・HDLコレステロール:余分なコレステロールを回収し肝臓に届ける。 
→基準値 40 mg/dl以上(男性 86 mg/dl未満、女性 96 mg/dl未満)  
・総コレステロール 基準値 150~220 mg/dl未満
・中性脂肪(トリグリセライト) 基準値 50~150 mg/dl未満 

おおざっぱにいうと、LDLと中性脂肪は増えすぎると、HDLは減りすぎると良くないと覚えておきましょう。

数値のバランスを正常に保つことも重要

それぞれ働きの違うLDLとHDLですが、血管に付着し、酸化していくと、血管の内側を硬く狭まくし、血液の流れが悪化。「動脈硬化」への負の連鎖がはじまります。数値だけでなく、動脈硬化を促進するLDLと抑制するHDLの比率も大切です。LH比は「LDLコレステロール値÷HDLコレステロール値」で算出します。例えば100:100で比率が1なら、まるで赤ちゃんのような理想的な血管の状態です。1.5以下なら問題なく、2.0以上は、動脈硬化の疑いが出てきます。2.5以上では血栓ができている可能性があります。なので、LDLの数値が135 mg/dl、HDL45 mg/dlとそれぞれが正常な数値でも、LH比は3.0。実は動脈硬化が進んでいると考えられますので油断は禁物です。

数値が気になったら、カテゴリーチェック

健康診断でLDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪の数値をみて、基準値を超えていたら、次はリスクチェックをしていきます。

1 心臓の発作を起こした経験があるか (あれば再発予防:厳重な管理が必要)
2 糖尿病、腎臓病などがあるか (あればカテゴリーⅢ:高リスク)

1、2に該当がない場合は、年齢、喫煙、コレステロール値、血圧から、絶対リスク(10年間の冠動脈疾患による死亡確率)を評価して、カテゴリーⅠ~Ⅲに分けられます。例えばカテゴリーⅠの絶対リスク0.5%未満の場合なら、LDLコレステロール値が160mg/dl未満と、上限値が変化します。再発予防なら、LDLコレステロール値が100mg/dlと管理目標が厳しくなります。カテゴリーによって数値評価は変動します。数値にばかり縛られず、あくまでこれから起こる血管疾患のリスクを減らす対策を普段から見つけておきましょう。

脂質異常症になりやすいかの簡単チェック!

□女性で閉経している
□20代より体重が10キロ増えた
□お酒をよく飲む
□間食が多い
□甘いものが好き
□外食・ファーストフードが多い
□運動不足
□卵を毎日2個食べる

まずは生活習慣を見直してみましょう。お酒は飲まないし、タバコも吸わない。普段から食生活に気を遣っているという方が多いかもしれませんが、意外な落とし穴はスイーツ! 「甘いものは別腹」と気を許していませんか。またフルーツの摂りすぎも要注意。今は問題がないという方も将来のために改善点をみつけておきましょう。「家族性でLDLコレステロール値が高い?」という質問も受けますが、200~500人に1人の割合で家族性高コレステロール血症という病気もあるので注意が必要です。閉経に関係なく若い頃からLDLコレステロールが高く、250 mg/dl以上である場合には、家族性高コレステロール血症の可能性があるかもしれません。

備えあれば憂いなし。コレステロール管理法

普段から食生活に気を遣って、運動している女性でも、更年期以降のコレステロール管理にはやや気合いが必要です。数値を改善するには、ガラッと生活を切り替えましょう。

体重は標準体重を意識してください。メタボ、糖尿病になるとリスクはアップします。食生活を改善し、運動習慣を取り入れると、早い方だと1ヶ月ほどで数値は改善します。効果がなかなかでなくても3ヵ月は頑張って様子をみてください。

コレステロールは食事で管理できる

悪玉コレステロールを減らすには食事管理。食物繊維を多く含む、緑黄色野菜、根菜類、海藻、豆類、キノコ、青魚、オリーブオイルを積極的に摂りましょう。脂質が含まれているもの、乳製品、魚卵、レバー、砂糖、甘みの強い果物は控えめに。週の半分は自炊に切り替え、肉よりはお魚。和食がオススメです。アルコールも若い頃と同じ量を飲んでいると危険です。

善玉コレステロールを増やすには、有酸素運動です。ウォーキングが最適。1日30分以上を週3回。できれば毎日が理想です。30分は意外と大変ですが、継続すれば中性脂肪も減ってきます。体重が2、3キロ落ちるだけでも数値が改善する方がほとんどです。

生活習慣を改善しても効果がない場合は

食事に気を遣い、運動も続けているのに、LDLコレステロール値が下がらない。1度心筋梗塞を起こした経験がある。そんな閉経後の女性の場合には、リスクを見ながら「スタチン系薬剤」などお薬を処方します。「1度処方されたら一生飲み続けなければいけないの?」と心配される方がいらっしゃいます。食事や生活習慣が改善し、薬である程度下がってきたら、リスクが高くなければ一旦止めて経過観察することもできるでしょう。年1度は健康診断でコレステロール値をしっかりチェックして、上がってきたら病院へ足を運んでください。何より、日々の生活習慣があなたの健康を左右することを忘れずに。

お話を伺ったのは

浜口玲央先生

浜口玲央先生

金沢大学医学部医学科卒業 
総合内科専門医
呼吸器専門医
がん治療認定医
日本がんと炎症・代謝研究会研究班
みらいメディカルクリニック茗荷谷

内科疾患全般の診療を行う傍ら、京大名誉教授、和田洋巳教授に師事。がん診療のなかでも、主に食事・栄養の改善、免疫力の向上を目指し、がんの炎症、代謝を考慮したがん診療を行っている。著書:「がんに負けないこころとからだのつくりかた」(株式会社WIKOM研究所)。

みらいメディカルクリニック茗荷谷

〒112-0012
文京区大塚1-4-15 アトラスタワー2階(ローソン・docomoの上)
TEL 03-3943-0123

医療の中枢をなす文京区は茗荷谷の町医者として根差し40年。生活習慣病、風邪、喘息など一般内科はもちろん、睡眠時無呼吸外来やアレルギー疾患においても定評があるクリニック。もはや国民病ともいえる「がん」の補助療法や、メンズヘルス(ED/AGA)、更年期障害など現代病ともいえる種々のお悩みにも対応できるよう診療の幅を拡げています。

取材・文 熊本美加

合わせて読みたい!おすすめ記事

@cosmeで関連キーワードの情報を見る

Page Top

ログインして便利に使おう!

A-Beautyメニュー
コスメティクス
ビューティメソッド
ヘルスケア
ニュース
共通メニュー
プレミアム会員登録
プレミアム会員解約
サービス一覧
会社情報
利用規約・ガイドライン
運営会社
ヘルプ
ヘルプ
お問い合わせ
カスタマーサポートブログ
アンケートにご協力ください
PC版@cosmeトップ
アットコスメ宣言安心してご利用いただけるサイト運営を目指して
× CLOSE