2020/05/14

「僕がコスメをつくるとき」日常にあふれる吉川康雄さんのインスピレーション源

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ニューヨークで初めて行ったVOGUEの撮影

自分がやりたいメイクの仕事をするためにニューヨークへ渡った頃のこと。

日本になかった憧れのファッション誌「VOGUE」に呼ばれ、超ハイテンションでスタジオに入ると、中では犬が何匹も遊んでいました。

カメラマンとモデルの犬だったみたいで、彼らは撮影の打ち合わせもしないで仲良く散歩に出かけちゃう。ついて行くと、散歩しながらそこでその日のメイクの話が始まる…。

そんなリラックスムードに、僕は思いっきり戸惑わされて…。

ずっと大好きでやってきたメイクの仕事が、僕のライフスタイルそのものでした。

雑誌社のある大都会にしかメイクの仕事はないので、仕事をしたい雑誌社のある街が、選択の余地なく住む街になって、やりたいことを求めていたら、東京からいつの間にかニューヨークへ。

クリエイティブな刺激を受けたのはすべて現場でした。モデルと会ってメイクする時間を頂点に持っていくために、すべての時間を過ごす。それ以外は自分のテンションをスイッチオフして寝るだけの。プライベートのライフスタイルなんてまったく無縁でした。

でも、世界の美容やファッションを動かしている人たちと仕事をしていると、僕みたいにがむしゃらじゃなくって、もっとゆったりしている雰囲気を感じます。スタイリストも仕事だからってテキパキ動ける服よりも気分の上がる大好きな服で、大好きな犬と一緒にスタジオに現れるーー。

これって、もしかしたら…僕(日本人)の思い描いてきた仕事のやり方じゃない…。みんな、それぞれのライフスタイルの一部を撮影で共有して表現している。

仕事のために“美”をがんばって考えるんじゃなくって、日常で体験して感じている美意識をここで出すだけ。だから楽器を自由に弾きこなせるように自然に仕事ができる。

いままでの自分のストイックなやり方に苦しさと漠然とした疑問を持っていたので、ハッとしました。“誰かをきれいにするために、自分はどうでもいい”じゃなくて、自分自身を大切にして、そのライフスタイルから自然に生まれるものを表現していきたいと思うようになったのは、ニューヨークに渡った頃のことでした。

日常で目にする景色をコスメで表現したい

家の近所を散策していると、いろんな色に囲まれているなあって、どんどん感じられるようになりました。

景色は光とともに変わって、季節がまたちがった印象にしてくれるのがわかります。凍りついて見えた青い空も、ある日は暖かく見えたり。水の色も季節や光で様々に変化します。春一番の黄色い花も、秋の黄色い落ち葉も、同じ色とは思えない印象ですし。

色の表情って無限だなあって感じるから、それをいまはコスメで表現したいって思います。

手にとった女性が、誰かの考えた色のルールなんかにとらわれずに、自由にその色のムードを感じてもらえるように。そしてそれを自分の姿で楽しんでもらえるように。

コスメはお花のように女性の心を楽しませてくれるものであってほしいから、この花はあなたの色じゃないなんて言いたくないし、思ってほしくないのです。

色にルールがないなんて、難しい?

メイクの仕事をしていると、よく聞かれる質問に似合う色のことがあります。

これって実は「私に似合う色って何色?」と他人に質問するから、誰かが答えようとするだけ。

でも本当は、似合うって、美意識を勉強してきた人もそれを考えたことがない人も、誰かに聞かないで、自分で決めていいと思います。「人からどう思われるか」というコントロールできない答えに悩むより、自分が心地よく感じることを大切にできるようになれたら「この色ってきれい!」って素直に言えるようになると思うのです。

そして、人の感性はそれぞれ違っているのが当たり前だ、と気づくでしょう。そうしたら、ルールなんて自然になくなってしまうと思いませんか?

「誰かが考えたお洒落」に囲まれたライフスタイルじゃなくって、自分がきれいって思うものに囲まれたらあなたの心地よいライフスタイルが生まれると思います。

執筆/吉川 康雄
編集/アットコスメ編集部

メイクアップアーティスト・吉川康雄さん

1983年にメイクアップアーティストとして本格的に活動を開始。東京をベースにファッション誌や広告のフィールドで活躍後、1995年に渡米。渡米半年で『VOGUE』のカバー撮影に抜擢され、その後のキャリアを決定づけるファッションエディター、フォトグラファーと出会う。2008年から2019年3月までCHICCA ブランドクリエイターに就任。現在は、ニューヨークを拠点に活躍しながら、美容情報サイト「unmixlove」を立ち上げ、取材や執筆もこなす。著書に「生まれつき美人に見せる」(ダイヤモンド社)、「褒められて嬉しくなる キレイの引き出し方」(宝島社)、「いくつになってもキレイ!になれる」(世界文化社)。

Instagram @yasuoyoshikawa

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