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CAの仕事に学ぶ、どんなときも平常心を保つストレスマネジメントとは

CAの仕事に学ぶ、どんなときも平常心を保つストレスマネジメントとは

みなさんこんにちは!
暑い日が続き夏本番ですね!航空業界はこれから1年でいちばんの繁忙期を迎えます。お子様や普段飛行機に乗りなれないお客様も多く、満席便だらけでCAは大忙し!そのためフライト中バタバタしてしまい平常心を保つことが難しくなることもあります。そんなとき私が気を付けているのが、「物事の捉え方・考え方」。穏やかな気持ちでフライトするよう心がけています。

前回はCAの仕事を通じて学んだ「伝え方」についてお話ししました。今回はその続きと、後編「捉え方・考え方」についてご紹介したいと思います。

☆前回の続き「伝え方」
●同僚に言いにくいことを伝えるとき
アサーションを意識したコミュニケーションを!


アサーションとは心理療法から生まれたコミュニケーション技法のひとつで、「自分も相手も大切にする自己表現」のことです。アサーションを使うことで、自分の意見や正直な気持ちを、相手の気持ちも大切にしながらその場にふさわしい方法で伝えることができます

私はCAになりたての頃、仕事のスピードが遅いこともあって同僚やお客様から頼まれた仕事を抱えこんでしまうことが多々ありました。業務量的に自分の技量では無理であるにもかかわらず、全てにyesと言ってしまっていたのです。その結果、お客様をお待たせしてしまうとともにストレスも溜まってばかり。しかし、それではいけないと「今は○○と○○の業務をかかえているのでその後でもよろしいですか。」等、自己表現が徐々にできるようになりました。

後々知ったのですが、これはアサーションというコミュニケーション技法でした。
アサーションの基礎を学ぶにはこちらの本がおすすめです。

この本の中では、主人公のCAがフライト前の準備でオフィスにて忙しくしているとき男性上司に毎回頼み事をされます。最初はNoといえなかった主人公は、アサーションと出会うことによって、「フライト前後は業務が多いんです。」と上司に伝えることができるようになります。上司も「フライト前後でないなら頼んでもいいってことだね。」と歩み寄りを見せることになります。

また、「マンガでやさしくわかる」シリーズでアサーションに関連するものとしては「NLP」と「コーチング」があります。「マンガで~」とはいっても半分以上のページが文章ですが、初心者にはとてもわかりやすい内容です。

☆「捉え方・考え方」
●「他人は変えられないという捉え方」で人と関わる!
以前勤めていた航空会社では、100ヶ国以上の国籍の同僚とフライトをしていました。育った文化背景もキャラクターもバラバラで刺激的な環境でしたが、同時にイライラすることも多くありました。なぜならば、日本で働いていたときと違い同僚が自分の期待するような行動をしてくれないことばかり。例えば、満席でのフライトのとき、日本人CAはお客様が搭乗されて荷物を入れる度に物入れを整理して、後から来るお客様のためにスペースをつくっていました。しかし、日本人以外のCAのほとんどは「スペースがなくなったらその時に整理すればいい」という考えで事前準備はしないのです。

その他にも「なぜこのタイミングでこれをするの?」や「なぜこれをやってくれないの?」等不満が沢山あり、彼らと働くのがとにかくストレス!!しかし、徐々に「他人は変えられないのだから自分の捉え方を変えよう」と思うように。そうすると不思議と相手の良い面が見えてきます。手荷物整理のエピソードでいうと、「事前にスペースをつくったところで、もし後々必要ではなかったら労力の無駄」となってしまうため、彼らは賢いと捉えることもできます。日々の業務に追われていると忘れそうになりますが、常にこの考えを意識して人と接することで、自分も相手も笑顔で過ごせるようになります。後に心理学を勉強して学んだのですが、「他人は変えられない」という捉え方は、自分自身がストレスを溜めないためにとても有効な捉え方のようです

●自分の「思考傾向」を知る!
思考傾向とは、「考え方の癖」のようなものです。例えば、自分のミスが原因で上司から叱責を受けたとします。「ミスによって学ぶことができた」とプラスに捉え必要以上に考え過ぎない人もいれば、「自分は何てダメなんだろう」とマイナスに捉え暗い気分になる人もいるでしょう。このように、同じ出来事でも知らず知らずのうちに考え方の癖を通じて生じてくる気分は違ってきます。必ずしもマイナス思考が悪いというわけではありませんが、あまりにもそれが強いと苦しんでしまいその後の仕事のパフォーマンスに影響してしまいます。

CAは保安要員なので、「お客様を目的地まで安全にお連れする」ことが一番の任務。つまり、常に平常心でいることが必要不可欠な仕事です。例えば、お客様からクレームを受けたことが原因で落ち込み、集中力を欠いて機体の異常や化粧室での喫煙・急病人等に気付かないということは決して許されません。また、サービス要員でもあるので、気分の落ち込みによってお客様に対して暗い表情で接することも許されません。CAになりたての頃の私は、何かミスがあるとマイナスに捉えてしまい気分の切り替えができませんでした。しかしCAの仕事を通じて、というより仕事に必要不可欠なので、今は一旦落ち込んでも「この出来事から学べた!」とすぐプラスに捉えることができます。このような私の経験から、思考の癖は自分の意識次第で変えることができると思っています。皆さんも自分自身の思考の癖を客観視してみてはいかがでしょうか。

以上私がCAの仕事や心理学の勉強を通じて学んだ「伝え方」と「捉え方・考え方」についてでした。どちらも知識として身に着けても実践するのは簡単ではないですが、意識して繰り返し実践することで身につくものです。コミュニケーションや自身のストレスマネジメントの参考にしていただければ幸いです^^


☆杏 
プロフィール:
国内、中東系航空会社を経て現在アジア系航空会社の客室乗務員として勤務中。「プライベートを楽しむために仕事をする」という異文化の中での生活を満喫中。海外4ヶ国に在住経験あり。
日々の生活で大事にしているのは「ワクワク感」。皆さんに心躍る情報や海外生活で学んだこと等、少しでもお役に立てる記事をお届けしたいと思っています。

【CREW WORLDとは】
 CREW WORLDは、世界初となる客室乗務員(CA)経験者専用の情報共有サイトです。コンセプトは、「CAが日本の観光大使へ」。
40を超える航空会社のCAへ、ステイ先の観光スポット・美容アイテム・セカンドキャリア等の情報共有の場や、クルー生活に欠かせないアイテムや会員限定クーポンを提供しています。
運営会社:株式会社KoLabo
代表者:駒崎クララ(代表取締役社長)
事業内容:
・CA経験者専用 情報共有サイト「CREW WORLD」運営
・CA経験者を中心とした人材紹介サービス「KoLabo Crew Concierge」運営
・エアライナーのための学びの場「Crew Lounge」運営
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