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アズレンブルーの「肌鎮めオイル」を自作する

アズレンブルーの「肌鎮めオイル」を自作する


■あの「ラベンダー色のクリーム」をさっぱりと使いたい!


 もとはといえば、ワトゥサのアズレニアクリームが気になったことから始まりました。肌が不安定なときの赤みを抑えてくれるという保護クリームです。淡いラベンダーカラーはグアイアズレンという抗炎症作用の期待できる植物成分。ところが、これはオイルリッチな下地兼用クリームで、夏季のコンビ肌には使用感が重そうなのですよね。

 中身を見ると、
グアイアズレン+ラベンダー&ミントの精油と
植物エキス連合軍をコアにした
スクワラン&ミネラルオイル+ミツロウのクリーム。

 こまごまとした複合成分の妙までは再現できないけれど、似たような鎮静効果を持つオイルなら自作できるのでは? という気がしてきました。さらっとしたケアオイルなら、夏季でもコンビ肌でも気楽に取り入れられそうです。

■アズレンブルーの精油たち


 どうやらキーになる成分は、「アズレンの仲間たち」だということがわかってきました。強力な抗炎症効果を持つ植物由来の成分で、グアイアズレン、アズレン、カマズレン等、呼び方や成分の詳細は違うものの、「加工すると青くなる」不思議な素材です。

 精油でいうとこのあたりに含まれているそうです。たしかに、青緑~濃紺のとても強い色を持った精油ばかり!

・ブルータンジー(タナセタム)
・カモマイルジャーマン(ブルーカモミール)
・ヤロウ(ブルーヤロウ)
・ブルーサイプレス

 と、ここで「今アズレン入りの製品を使ってるな……」と気が付きました。それは家族が喉を痛めたときに病院でもらった「アズノールうがい薬」! これもうっとりするようなグレイッシュラベンダー色なんですよね。誤飲防止用の着色かと思いきや、原料の色だったわけです。


■意外にあった「外資の真っ青コスメ」


 この成分で調べてみると、海外にはけっこう「アズレンブルーのコスメ」があることがわかってきました。日本でも入手できそうなものだとこのあたり。
・サンタマリア・ノヴェッラのOlio Cosmetico(グアイアズレンの真っ青)
・バジャーのアフターサンバーム(旧バリバーム・ブルータンジーの淡い青緑色)

 ほかにも、外資にはびっくりするような真っ青な色をしたケアオイルが存在しました。
・ドクターズブランドの鎮静用オイル
・エステサロンブランドの脱毛ケア用品
・ボディケアブランドの関節・筋肉痛ケアオイル
・アロマケアブランドの日焼け後ケア用オイル
 どれも、肌へのダメージを回復させる目的のようです。それも、わりに深刻めなダメージに対する積極的なケア用、という印象。これは期待できそうです。

■独断と偏見でブレンドを決定する


 さて、ここからは既存の商品の構成を眺めつつ、自分の使用状況を想定してマイブレンドを決めます。

・最初なのでアズレンブルーの精油は一種にしよう
・キク科植物に対するアレルギーはないので、ジャーマン/ローマンカモミールの中間の特徴を持つというブルータンジーを試してみよう
・香りはすっきりさせたいので鉄板ブレンドらしいラベンダーを併用しよう
・気になる時のみの使用予定なので、ベースのキャリアオイルは比較的酸化しづらいものにしよう


●ベースにするキャリアオイル:
・どのステップでも組み込めそうなスクワランオイル
・蓋にできそうなホホバオイル(少量ずつ2タイプ作る)

●今回「肌鎮めオイル」の核にする精油ブレンド:
・ブルータンジー(アズレンの効果を期待するメイン成分)
・真正ラベンダー(香りの調整と鎮静効果期待)

●プラスアルファ/肌に深刻なトラブルがない場合のオプション:
・ペパーミント(ほんの少量・すっとする使用感や香りと、痒みの緩和を期待)
・フランキンセンス(アンチエイジング効果を期待)
・ローズウッド(同上)

 キャリアオイルは、過去に何度か使っていて自分で相性がいいとわかっているものにしてみました。Acure Organicsのマルラオイルも気にっていて、このオイルにも抗炎症作用が期待できるそうなので、いずれマルラオイルベースも試してみたいところ。

 フランキンセンス/ローズウッドとブルータンジーのブレンドは、海外のアマチュアさんがクマ対策として愛用しているというレシピを参考に。この2種、個人的に香りも大好きなのです。
 もっとビビッドな赤みや痒み・炎症の改善効果を期待するなら、ブラックスプルースやセイヨウアカマツといった「ウッド系連合軍」を使うブレンドもあるようです。

■気になる効果と使い心地は?


 出来たオイルは思ったより真っ青。グレイッシュグリーンの混じった濃いブルーです。顔が青くなるのでは……という心配をしましたが、つけてみるとほぼ気になりません。このオイルをティッシュに垂らしてしばらく放置すると、青っぽさがどんどん抜けて最終的にはブルーの色はほぼ消えてしまいます。(でも、濃い色のある精油であることは確かなので、肌につけるとき白い布や服にはご注意を。)

 香りのほうは、素人ブレンドだからしょうがないね、という感じのモタモタとしたウッディフローラル。嫌な香りではありませんが、洗練はされていません。よく言えば暖かく甘い印象です。
 ブルータンジーはカモミールに似た系統の甘くてもったりしたフローラルハーブ臭です。この甘さが意外に重く、ラベンダーやペパーミント程度ではあまり軽やかにならなかったので、開き直って複雑で重めなウッディフローラルにしてしまいました。
 ブルーサイプレス/ブラックスプルース/セイヨウアカマツを核に、「ウッド系すっきりブレンド」も試してみたいところです。

 感じた効果:
・つけて30~1時間後ぐらいから赤み/痒みの鎮静効果を感じた
・終日にわたる皮脂調整効果を感じた

 ローマンカモミールは過去に使って問題がないことがわかっていたので、同じキク科ならブルータンジーも多分大きな問題はないだろう……と予想していましたが、思った以上にビビッドな効き目でした。さっぱりした軽い使い心地で、鎮静効果の部分だけ利用したいという目的は達成!
 今回久々に精油ブレンドで遊んだので色々と買い直しましたが、それでも「例のクリーム」の半額ぐらいの初期投資。オプションをつけずブルータンジー+真正ラベンダーでシンプルに作るなら、1/3ぐらいの値段でどっさりできてしまうのではないかと思います。

 精油や植物系成分は、普通のコスメ以上に個人差やリスクが大きい部分があるので、なかなか安易に「おすすめですよ!」と言いづらい部分があります。特に、赤みや痒み、敏感になっているときの対策を目的としたブレンドですので、「あくまで自己調べ/自己責任で」ということになってしまいますが、わたしは非常に効果を感じました。

 「アズレンブルーの肌鎮め効果」にはこんな取り入れ方もあります、という記事でした。




※オーガニックや植物由来成分・俗に言う「自然成分」は決して「安全」ではありません。
 体質や肌質の相性も大きく、精製度や産地の安全性等、情報収集からリスク判断まで全て自己責任となります。
 「手作り」も決して「安全」ではありません。特に精油やエキスの濃度が上がると、万人向けのものは存在しないと思ってよいと思います。
 現代の一般的な市販コスメでは解決されている肌負担・品質劣化リスクの問題も、「未精製」や「手作り」にこだわることで「もとのもくあみ」になることもあります。

 以上の記事は、これらの点をふまえ、あくまで「素人のお遊び趣味ケア」の範疇で実践しているものです。実践する際は、記事を鵜呑みにせず、信頼のおけるソースからの情報収集やパッチテストを行ってください。

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