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YUKIRINがレポート!蘇るパリのフレグランスメゾン「ル ガリオン」が待望の日本上陸!

YUKIRINがレポート!蘇るパリのフレグランスメゾン「ル ガリオン」が待望の日本上陸!

こんにちは♪
美容ジャーナリストのYUKIRINです。

今月いよいよ日本上陸となるフランスのフレグランスメゾン「LE GALION(ル ガリオン)」。

先日行われた発表会はとても素晴らしいものでした。
今回は、発表会にてニコラ・シャボ氏より直接お伺いした、
ル ガリオンの歴史、そして香りについて、お送りしたいと思います。

【ル ガリオンの歴史】
1930年、ナポレオンの一族であるプリンス ミュラの手により誕生。
パリのシンボルであるガリオン船をシンボルマークとし、
当時は8~10個のフレグランスが発表されたと言われています。

プリンス ミュラがルイ16世の王族の血を引くイザベルとの結婚したことで、
ル ガリオンのフレグランスは、皇帝の血、王族の血が混じり合うブランドとなったものの、
王族が1つの会社を運営することは禁じられていたため、
よって致し方なく、ル ガリオンは売却されることとなったのです。

1935年、既に調香師として名を馳せていたポール・ヴァシェール氏がオーナーに。
時代はカラー映画が登場し、「風とともに去りぬ」が上映された頃でした。
ポール・ヴァシェール氏は、ジャック・ゲラン氏の元で香りの知識を積み、
ランバンで名香「アルページュ」を誕生させた他、
「マイシン」「スキャンダル」「ルメール」などのヒットを生み出す調香師でした。

彼がオーナーに就任したことが、ル ガリオンの運命を決定づけたといえます。
1936年、ブランドのアイコニックフレグランスとなる、
"魔法"という意味を持つ香り「ソルティレ―ジュ」が発売されました。
実は彼が「アルページュ」を、自身のメゾンでより素晴らしい香りにしようと創ったのが、
「ソルティレ―ジュ」でもあるのです。

1947年、ポール・ヴァシェールはクリスチャン・ディオールより依頼され、
名香「ミス・ディオール」を誕生させます。
それを機に、ディオールとル ガリオンは密接な関係となり、
ディオールのフレグランスは、ル ガリオンのメゾンで創るようになったとのこと。

1950年、60年代はル ガリオンの黄金期と言えるでしょう。
ハリウッドセレブたちがル ガリオンのフレグランスを愛用したからです。
こちらのお写真でマリリン・モンローが「ソルティレ―ジュ」を手にしています。
ブリジット・バルドーやグレース・ケリーなどの大女優にも愛されました。
1960年代には最盛期を迎え、全世界94カ国にて展開されるように。

しかしながら1975年、ポール・ヴァシェール氏が急逝。
時代はベトナム戦争が終結し、エリザベス女王が来日した頃です。
ポール氏の長女はメゾンを引き継ぎましたが、
1980年に残念ながらアメリカの企業へ売却され、
低価格化戦略でブランド価値は消費され、ブランドは歴史からその姿を消しました。

そして30年以上経った2014年。
新オーナーであるニコラ・シャボ氏の手により、まるで不死鳥のように復活を遂げたのです!

そのきっかけはとてもシンプルで、
フリーマーケットでル ガリオンのヴィンテージボトルを発見したことから、
この復活劇が始まっているのが興味深いところ。

フレグランスショップを営む祖母に尋ねたところ当然ブランドを知っているものの、
当時はそのボトル以外の情報が何もなく、フォーミュラなども分からないままでした。
彼はツテを辿り、ジャン・パトゥの調香師だった方から、
ポール・ヴァシエール氏の長女ドミニクさんへつながり、
フォーミュラやアーカイブボトルなど全てを受け継ぎ、2014年に復活へ辿り着いたのです。
そして現在は35か国、150店舗で展開されています。

とてもドラマティックで、素晴らしい歴史ですよね。
ポール氏がスターパフューマーであったことも大きいですが、
時代と共に素敵なメゾンが無くなってしまうことは多々あります。
現代、心とセンスのある方が蘇らせようとしなければ、眠ったままの香りも多いでしょう。

次に香りの説明をしましょう。
全部で5つのカテゴリに分かれております。

<FEMININE>


「ソルティレ―ジュ」1936年に誕生した、ポール氏がル ガリオンで手掛けた最初のフレグランス。ミステリアスなフローラル アルデヒドのノート。
「スノッブ」1952年、どこかツンとした当時のトレンド女性をイメージした、ソルティレ―ジュのオマージュとして作られた香り。

<SOLIFLORES>


花の香りを表現するのは調香師の腕の見せ所であり、この時代のトレンドでもありました。
私は普段はシンプルな花のノートだと物足りなく感じたりしますが、
このシリーズは物凄く驚きました。とっても美しくてストーリーに溢れています。
「IRIS」1937年誕生、モダンで繊細でデリケートなイリスの香り。
「TUBEREUSE」1937年誕生、グラマラスで魅力的なチュベローズの香り。
「LA ROSE」1950年誕生、毎年70種以上のローズの香りを試して創り出した魅惑的なローズ。軽やかさと甘さ、そしてエレガントで魅惑的だと思いました。

<MASCULINE>


1947年、ポール氏が手掛けたクリスチャン・ディオールの「ミスディオール」が発売され、
その年は女性もののフレグランスを手掛けないで欲しいというディオールの意向により、
ル ガリオンではメンズ向けの香りを誕生させることになったという裏話も。

「SPECIAL FOR GENTLEMEN」1947年誕生、ポール・ヴァシェール初のメンズフレグランス。ジャック・ゲランのオマージュとしてオリエンタルアンバーの香りを作ったそう。
「SANG BLEU」2016年誕生、ポール氏の未完成で残されたフォーミュラにより生まれた香り。プリンス ミュラ、ポール・ヴァシェールへのオマージュ。
「AESTHETE」2015年誕生、ピアニストでもあったポール氏、唯美主義者(エスティ―ト)へ捧げる香り。

<UNISEX>


フレグランスではメンズ・レディースのカテゴリがあまり分かれなくなってきているが、
こちらは1930年、プリンス ミュラが創ったボトル。博物館にあってもおかしくないそう。
フランスのジャーナリストですら見たことがなく、日本で初お披露目だとか。
このボトルから選んで、現代によみがえらせたのが「222」です。
「222」1932年誕生、アンティークでモダン、アヴァンギャルドな香り。サンダルウッド、レザーがクールな温かみを感じさせてくれます。
「CUIR」2015年誕生、レザーの香りで最高傑作を生みだしたと言われるポール氏の思想と才能を祝福したフレグランス。

<COLOGNES>


コロンといっても全てオーデパルファムなのですが、
纏う、スプレーするという使い方が増え、このジャンルが生まれたと言えます。

「COLOGNE」2016年誕生、夏の午後、咲き乱れるオレンジの木の下でカクテルを楽しみながらポール氏と語り合うシーンをイメージして生まれたコロン。
「COLOGNE NOCTURNE」2016年誕生、伝統的なコロンのアコードを踏襲した、イブニングに纏うのに最適なアロマティックアンバー。

「WHIP」1953年誕生、「オーソバージュ」の父と言われるフレグランス。クリスチャン・ディオールの調香師が何度もル ガリオンのメゾンを訪ねており、そこでWHIPを試した調香師がのちに「オーソバージュ」を誕生させたのだそう。

「VETYVER」1968年誕生、フェミニズムの気運が高まる頃に創り出された力強くムスキーでフレッシュなアイコニックフレグランス。
「EAU NOBLE」1972年誕生、ポール氏が最後に手掛けたフレグランス。70年代のスパイシーなレザー シプレを際立たせたフレグランス。

100mlのボトルはアールデコ調となっており、
当時のソルティレ―ジュのブラックキャップを現在のボトルにも反映させています。
50mlサイズは日本からのリクエストにより作られ、秋頃登場する予定。
どちらも過去のボトルからのオマージュとなっています。

フレンチタイムレスエレガンス、それがル ガリオン。
その理由は、他には無い唯一無二な歴史、
20世紀を代表する調香師の一人であるポール・ヴァシェールが手掛けていること。
そして、全ての香料はグラースで調達された繊細なものが使われていることが挙げられます。
まさに、過去と現在をつなぐフレグランスと言えますね。

私が特に気に入っている香りは、
SOLIFLORESのシリーズのTUBEREUSEとLA ROSE、
そしてUNISEXの222ですね。
どれも古いフォーミュラの香りですが、まったく古さを感じません。
それどころか、とてもモダンでアバンギャルド!特に222には驚きを感じました。
個人的に真っ先に購入したいのはLA ROSEかな。印象的でとても美しい香りでした。

100mL ¥18,500+税。
7月21日、阪急うめだ本店にて販売となります。

そして!!
現在ウェブマガジンCheRishで連載中の私のフレグランス短篇集「魔法の香り手帖」では、
7月27日掲載分「花の嘆声」にて、ル ガリオンの4つのフレグランスが登場します!
現在、絶賛執筆中ですので、ぜひぜひお楽しみにしていただければと思います^^


LE GALION

http://www.legalion.fr/

インターモード川辺 フレグランス本部

https://www.kawabe.co.jp/fragrance.html

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コメント(5件)

  • →LA ROSEは真っ先に試香してみたいです!ボトルもクラッシックな印象が今はかえってモダンに感じます。近々東京での販売をひたすら期待しています!

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    • 更新する

    2017/7/13 00:46

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  • ユキリン様 お忙しい中、問い合わせてくださったのですね。ありがとうございます。
    お手間かけさせてしまい申し訳ありません。
    ユキリン様も悩まれてるのですね。
    なんか集めてしまいそうなブランドですね。
    ( ´∀`)

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    2017/7/11 20:33

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  • 古い洋画(映画)が大好きなので、1930年代に誕生したというブランドの香りはどのような香りなのだろう・・・とそれだけでワクワクしてしまいます。一度姿を消したのに復活したという背景はとても感動的でニコラ・シャボ氏の香りへの情熱を感じますね。私も気になるのはSOLIFLORESライン、バラ好きなので

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    2017/7/13 00:44

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  • 追伸 Whipのポスターを手掛けられた方もきっと
    有名な方なのでしょうね。多分美術的価値のある方かな。どこかで見たことあるような絵だったので。

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    2017/7/10 19:57

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  • ご紹介ありがとうございました。
    ジャックゲランやらクリスチャンディオールやら
    グレ-スケリーやら出てくる名前がもう
    キラ星の如くでとっても興味津々でした。
    発売日が今からとっても楽しみです。
    ほんとはミラ-ハリスの香りをと
    思ってましたが悩みます

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    • 更新する

    2017/7/10 19:53

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