3959views

小説の一節から生まれた、ミラー ハリスの新しい2つのオーデパルファム

小説の一節から生まれた、ミラー ハリスの新しい2つのオーデパルファム

美容ジャーナリストのYUKIRINです。


ミラー ハリスより、
本日5月25日に新発売された2つのオーデパルファムについてご紹介します。
ミラー ハリスのCEOであるサラ・ロゼラム女史が先日来日されました。
私の聞きたかった質問にも、後日お答えくださいましたので、
その貴重な内容を含めてお送りしたいと思います。


新たに登場したオーデパルファム『スケルツォ』と『テンダー』は、
F・スコット・フィッツジェラルドの最高傑作である「夜はやさし」から着想を得て、
二人の調香師が同じ一文をそれぞれの解釈を基に、
アーティスティックに香りで表現した作品となっています。

その誕生のきっかけとなった『夜はやさし』の一節がこちら…。

“…She walked on, between kaleidoscopic peonies massed in pink clouds, black and brown tulips and fragile mauve stemmed roses, transparent like sugar flowers in a confectioner’s window -until, as if the scherzo of colour could reach no further intensity, it broke off suddenly in mid-air.”
Frances Scott Fitzgerald " Tender Is the Night "

「彼女はまた歩き始め、ピンク色の雲のようにかたまって咲いている多彩なピオニーや、
黒と茶色のチューリップ、スイートショップのショーウィンドウにあるシュガーフラワーの
ように透明でもろそうな、藤色の茎をもつバラの花などを両側に見ながら歩み続け―
やがて、色彩の交響楽―スケルツォも最高潮に達したが、急にそれが空中にとだえてしまった」

私自身はフレグランスから着想して小説を書いていますが、
逆に小説から生まれるフレグランスの良い点は何かを尋ねたところ、
2016年に小説を読み返していたというサラ女史は、
この文章を読んだとき、まるでそのページが香りを放っているようだったそうです。

さらにこうも仰っています。

『著名な小説家は描写力を備え、
私達を想像の世界へと誘う表現力は香りの記述を呼び起こすのです。
この2つの要素はフレグランスが私達を想像の世界へ誘うシーンとリンクします。
素晴らしい香水は、しっかりとした文脈があり、
それをまとう女性のキャラクターを想像させ、
時に私達を新しい時代へと連れていくのです。』

香水に文脈があるという言葉、素晴らしいですね。
私もそう思って小説を書いています。

実は、当初は1作の予定で進んでいたそうですが、
同じ文章から生まれた香りは全く異なるものでありながらコントラストを生み、
それがまるで葛藤とコントラストがつまった夜はやさしの小説を思わせ、
これは2人のパフューマ―によるコレクションであるべきだと感じたとのこと。

その2つの香りがこちら。

『スケルツォ』

Fragrance Family:フローラル オリエンタル
調香師:マチュー・ナルダン
TOP:タンジェリン、ダヴァナ
HEART:オリバナム、ナルシス、ピットスポウム(トベラ)、ダークローズ
Lasting Inmpressions:パチョリ、バニラ、ウード・ウッド、スウィート ノート

マチュー・ナルダン氏は、グラース生まれ、調香師の家庭で育った方。
幼少期より培われた香りの才能が開花し、
ロベルテ社の新世代パフューマーとも言われています。
過去作は2012年頃から始まり、2016年、2017年には非常に多くの作品に携わっています。
個人的に記憶に新しいのは、
Annick Goutalの『Tenue de Soiree』(2016年)や『Nuit et Confidences』(2017年)と、
多くのミラー ハリスの作品です。
『Etui Noir』
『La Fumee Alexandrie』
『Ce Cedre』
『Lumiere Doree』
『Poirier d'un Soir』
『Rose Silence』
『Tea Tonique』
『Vetiver Insolent』

私は、『Lumiere Doree』や『Tea Tonique』が好きです。
以前彼が来日した際にお会いすることができましたが、
本当に子どもの頃からグラースの香料になる生花の香りに囲まれた過ごしていたそうで、
13歳の頃に調香師になることを決めたとおっしゃっていました。

来日時の様子は、以前レポートしていますので、ぜひご覧ください。
https://www.cosme.net/beautist/article/2081314

サラ女史は、ミラー ハリスで数々のフレグランスを創作した彼と強い絆があり、
今回も依頼したとおっしゃっています。
そして同時に、もう一人の調香師、ベルトラン・ドゥシュフール氏へも、
『夜はやさし』の一節を渡したそうです。

「ベルトランが手掛けた新作!!」ということで、私はテンション上がっていましたが、
はて、なぜミラー ハリスの新作で…?と思っていたところ、
サラ女史はベルトラン氏ともともと長年の友人であり、
今回のテーマとの化学反応をみるために一節を渡し、
結果的に素晴らしい作品があがってきたことで、
マチュー・ナルダン氏の『スケルツォ』とコントラストが生まれたと伺い、
とても興味深かったです。

そして、ベルトラン・ドゥシュフールの作品がこちら。

『テンダー』

Fragrance Family:フローラル オリエンタル
調香師:ベルトラン・ドゥシュフール
TOP:ピンク ペッパー CO2、アルデヒド、グリーン ヒヤシンス ノート、シナモン
HEART:ブラック チューリップ(チューリップ+インク)、レザー、サフラン、ゼラニウム、
シクラメン、インセンス オイル、 ターキッシュローズ アブソリュート
Lasting Inmpressions:アンバー、シダーウッド、ミルラ アブソリュート、少量のパチョリ、フランキンセンス、バニラ アブソリュート、ストラックス レジン 、サンダルウッド、ムスク

ホワイト ボーダー ストーンの上にたちこめる花のミストに包まれた、
光と影を合わせ持つフレグランスと表現された『テンダー』は、
どこかミステリアスな雰囲気を持ちながらも繊細で美しい、秘めた優しさを感じます。

ブラックインク チューリップ、ピオニー、ローズ、グリーン ヒヤシンスと、
解き明かせない秘密のようなノートに、
ゴールデン サフラン、ゼラニウムの花とレザーノートが重なります。
フランキンセンス、ストラックス、サンダルウッド、パチョリとムスクの余韻。
ベルトラン氏独特な風情も感じられました。

それぞれ50ml(¥16,500+税)と、100mL(¥24,000+税)です。
ぜひ店頭でお試しください!

今後も新しいコレクションや既存ラインの新作など、
ミラー ハリスの展開に注目です♪

【お問合せ先】
インターモード川辺 フレグランス本部
TEL: 0120-000-599
http://millerharris.jp/

================================================

■公式Instagram毎日更新中です
Thank you 7,664 followers,Today!


https://www.instagram.com/fabgearyukirin3/

■YUKIRIN公式サイト「Fab Gear」


各種お仕事のご依頼などは公式サイトへ。

http://www.fab-gear-yukirin.com


このブログに関連付けられたワード

このブログを通報する

コメント(1件)

  • ミラーハリスの新作、フィッツジェラルドの「夜はやさし」から着想を得ていたとは知りませんでした。何て美しい一節なんでしょう!実はこちらの2つも先日試香していてとても気になった香りです。とりわけテンダーはアルコール?のような香り立ちがあり惹かれて実際肌につけて帰ってきたほど。ドゥシュフールの作品だったとも知らず、こちらで教えていただいてその調香の妙は彼によるものだったのかと納得しきりです。(スタッフの方、店頭でもっと情報ください! 苦笑)ボトルデザインしか見てきませんでしたが、パッケージも魅力的ですね!

    0/500

    • 更新する

    2018/5/25 23:37

    0/500

    • 返信する

フレグランス カテゴリの最新ブログ

フレグランスのブログをもっとみる