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しゃ・しゃ・しゃ・シャリマー!

しゃ・しゃ・しゃ・シャリマー!

みなさん、こんばんは。
いつもlikeやコメント、大変励みになっております。
真昼です。

あまりゲランのフレグランスを知らない人に、「ゲランの香水といえば?」と聞いたら80%くらいは、「うーん…嗅いだことないけどシャリマー?」と答えるのではないでしょうか。今回のブログはそんなシャリマーについてダラダラと語ろうかなと思います。


こちらは7.5mlサイズのPです。このサイズのPかわいいですよね。他の7.5mlのPがなくなる中、シャリマーPミニサイズは健闘してくれたのですが、あえなく今年でこの小さいサイズは日本から取り扱いがなくなり、Pは30mlのみになるみたいです。なので、あわてて買ってきました(笑)ロットを調べて見ると製造は去年の秋でかなり新しいです。今さら私がクチコミすることもないので、このまま開封せずにセルフヴィンテージにしようかな。

シャリマー系って、やたらプッシュされてますよね。特になんのアニバーサリーでもないのに、限定ボトルもしょっちゅう出るし、フランカーもたくさんあるし、ボトルもいまだにP、EDP、EDT全部専用ボトルだし。やっぱり愛の殿堂とかタージ・マハルとか(百回は聞いた気がする)、ポエティックで話題にしやすいからでしょうか。

フレグランス愛好家の皆様ならご存知の通り、シャリマーの原型は、ジッキーにエチルバニリンをオーバードーズしたもの。ジッキーができた頃には既にバニリンがあったのですが、それにエチル基を追加した、当時最新の香料だったエチルバニリン(甘さUP&スモーキーな味わい)を使用したんですね。もちろんただ足しただけでなくそこからたくさん微調整されたことでしょう。処方自体は1921年にできていたそうですが、ローンチは四年後の1925年まで待たれました(万博に合わせた)。四年も待った甲斐があって、シャリマーは香水部門で最高賞を受賞!受賞できなかったらどうするつもりだったんだろ。

シャリマーは濃度違いが4つP、EDP、EDT、EDCがあります。このうち、日本で入手できるのはP、EDP、EDTの3つ。EDCはアメリカ中心に展開しているそうです。
そしてシャリマーと言えば、世界初のオリエンタルフレグランス…

もちろんそれもそうなのですが、とにかくフランカー(アレンジ)が多いことでも有名です(?)。というわけでいくつかご紹介。


まずは、マチルド・ローラン作の「シャリマーレジェール」ですね。トップの柑橘を増やしてさっぱり、バニラもキレイな後味のものにしたライトバージョンです。2008年に出た「オードシャリマー」はバニラがオリジナルに近いものに戻りました。

続いて「オーデアラバニーユ」系。


元々シャリマーに使われていたバニラは、前述の通り合成なんですが(エチルバニリン)、「だったら本物入れたろ!」と、ワッサーがそれに天然バニラも加えたもの。最初に出たものの他に、マダガスカル産バニラ版とメキシコ産バニラ版がありましたが私にはイマイチ違いがわかりませんでした。

そして「パルファンイニシアル」系。


ワッサーが十代の姪っ子に「アタシにも付けられるシャリマーが欲しい~」とおねだりされて作った(らしい)、若向けに調整を行ったバージョン。ゲランに限らず、若い顧客を掴まないとお先真っ暗ですからね。「パルファンイニシアル」の他に、「パルファンイニシアル フルールドゥポー」「パルファンイニシアル ロー(これは日本でも発売されました)」「パルファンイニシアル ロー シセンシュエル」がありました。フランカーのフランカーのフランカーとか、それ原形残ってんの?とか言いたい。
ちなみに、今年「パルファンイニシアル」が“l'Initial”として復刻(値上げして)しました。日本にも上陸する予定だそうです。どうせだったらオーデアラバニーユがよかったな!


次、「コローニュ」です。
ワッサーによるシャリマーのライトバージョン。トップのシトラスを弾ける感じにして、バルサミックな甘みは抑えてお得意のモダンなホワイトムスクを入れました。

そして、「スフルドゥパルファン」系。
オリエンタル過ぎると今の時代に合わない&若ウケしない!と、ワッサラーデ(オレンジブロッサムとホワイトムスク)炸裂の「スフル」の名の通りの軽やかバージョン。正直、このシリーズはシャリマー感はかなり薄いです。
ただのボトルのデザイン違いの他、「スフルアンタンス(バニラ感UP)」「スフルドゥルミエール(ベルガモット感UP)」「スフルドランジェ(オレンジ感UP)」と、フランカーもそれなりに出てるのでやっぱりウケているのでしょう。

じゃあ、今年もスフルドゥパルファンのボトル違いかスフルのアレンジが出るのかな~と思いきや、今年は新系統、“Philtre de Parfum”が発売予定!
参考記事は↓
https://www.fragrantica.com/news/Shalimar-Almost-a-Century-Old-13752.html

名前からしてスゴそうです(小並感)。
軽やか路線からオリエンタル路線に戻るのかな?
日本で発売するかどうかはわかりませんが、シャリマーファンの皆様、乞うご期待です!

(画像は一枚目以外はフレグランティカよりお借りしました)


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コメント(3件)

  • 真昼さん、いつもお世話になっています。よくこれだけの内容をまとめられましたね!すごい。そしてしべたんさんもおっしゃっているように、とても分かりやすい!!自分もワッサーの姪っ子気分で「へー、そうなんだー」的に改めてフランカーシリーズの違いを認識できました。シャリマーEDPとフランカー2つ持ってますが、また集めたくなってきました。トムフォード1本買う気になればすぐ集まるのもうれしいです。ありがとうございました。

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    2020/6/21 08:47

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    ドギーさん、@コスメとtwitterでお世話になっております。ドギーさんのブログや口コミのようにもうちょっとだけでも説得力のある文章が書ければな…との思いはあるのですが、中々うまくいきません。
    ワッサーも、軽めアレンジばかりになるのはあまり本意ではないようなのですが、彼も養子&雇われの身、香水好きでない人にもウケる作品を追い求めなければいけないのでしょう。クラシックなものに寄せれば一般受けせず、現代的にすればこんなのゲランじゃないとファンからそっぽを向かれ、難しい立場なのだと思います。
    シャリマーのアレンジはそこまで値段も張らないので集めやすいのも魅力ですよね。今年の残りはゲランのクラシックに想いを寄せる年になりそうです。

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    2020/6/21 18:17
  • こんばんは。度々すみません。
    カオスなシャリマーシリーズを綺麗に整理した記事、大変分かりやすかったです。ありがとうございます。
    私が持ってるのはシャリマーPとシャリマースフルドゥパルファンです。Pはクチコミしそびれですが、ゲランのP濃度7.5mlサイズがシャリマー以外全廃になった時、シャリマーも時間の問題に違いないと購入しておいたものです。

    ゲランの香りに親しみだしたのは私は2010年代からなのですが、真の香料芸術と呼べるのはP濃度香水と理解している世代なので、その重要性が身に染みてます。単に濃度の問題だけでなく、原料のランクや構成からしてPは違いますからね。
    私の同世代でもそれを分かってない人も多いのに新真昼さんの年代で理解しているのはすごいと思っています。

    ゲランとしては、派生を沢山作る事に決めている種類とそうでないものははっきり分けているのでしょうかね。ジャックゲランの作品ではミツコと夜間飛行の方がより好きですが、過去にも派生作はほとんど無かったでしょうか。背景としてのストーリーも、シャリマーより共感を覚えます^^。

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    2020/6/20 00:18

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    しべたんさん、またコメントありがとうございます。
    遂にシャリマーもミニサイズがなくなり、30mlのみになるそうです。ちんまりしたボトル可愛かったのに、残念です。

    ゲランはPは明らかに素材の質を上げて作っています。というより、EDTやEDPの質を落としていると言った方がいいのか?けっこう露骨にわかります。LVMH系で言うと、ディオールがさらに露骨です。一部店舗限定のエクストゥレドゥパルファン四種はもう全然違います。「いつものやつ(特にミスディオール)は、あんなに安いのよ!」と鼻であしらわれた気がしました(笑)どうせ日本人に香水なんてわかんねーべ、一応置いとくけどどうせ買わないでしょ?とドゥマシーの皮肉とも恨み節ともとれる怨嗟の声が聞こえてきそう。

    ほんとシャリマーはクラシックの中ではドジョウ作品が多いです。シャマードは濃度違い以外は「プールオム」のみ、ミツコは「フルールドゥロータス」くらい、「ルールブルー」は100年記念のセットと「ルールドゥニュイ」、夜間飛行は濃度違いのみ(夜間逃避行は派生ではないと思っています)ですもんね。

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    2020/6/20 08:10
  • 新真昼さん、こんばんは^ ^

    今日もワッサー情報をありがとうございます。
    シャリマーが万博に合わせて、はガチで知らなかった!
    あとワッサーが姪っ子思いのいいワサ夫なことも知らなかったです。マーケティングチームやS女史あたりから若向けのシャリマーを作れと脅迫されてワッサー泣きながら作ったものかと←

    Pは私も急ぎで買わねばと思っております。ネクターも欲しいし、ゲランはそこそこ掘ったつもりでいたのにいまだに欲しいものだらけ。5兆円くらい道に落ちてないかなあ。山分けしましょう。

    コローニュはダブルポイントかなんかのノリでよく考えずに買ってしまい、冬には若干軽いし夏は重い(スキンタイプ的にシャリマーの香料と相性悪い、でもシャリマーが好き)つい本家シャリマーに手が伸びますが、コローニュはワッサーが作った、おれのおもういまふうのしゃりまーと解釈してるのでそのワッサー心を含めて大切に使おうと思います。

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    2020/6/19 22:57

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    かえーでさん、おはようございます。
    そうなんですよ、わざわざ万博まで待ったんです。今じゃ考えられないですよね。
    ひょっとしたら、ジェルクさんにも睨まれて震える手でパルファンイニシアルを作ったのかもしれません笑

    Pはこれで30mlのみの取り扱いになってしまうので、買うなら早めが良いですよ。冷静に考えると香水に四万ってけっこう高いですから。5兆円道に落ちてたら、一緒にシャンゼリゼ通りの本店でジャクソン買いしましょう。

    コローニュは私もそれなりに好きだったのですが、いつの間にやら廃番になってしまいました。スフルいっぱい派生させるからコローニュやーめた!って感じでしょうか。ワサ夫の俺流シャリマー、次作に私は非常に期待しております。

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    2020/6/20 07:51

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