不況の弊害

私の就職は大不況のときだった。
今も不況だ不況だと言われているが
あれから20年も不況が続いているのだと思うと、ちょっとおかしい。
スーツが売れないだの、化粧品が、車が売れないだの企業が言っているが
そんなの当たり前だ。
本来なら、今頃私たち世代が車を買い家を買い、みっともない恰好で会社に行けないと
スーツを買うはずが、そんなもの必要ないからだ。
欲しいのは貯金、不安のない未来。夢と希望。

バブル期は異常だったとしても、希望すれば全員働ける場所が
与えられる社会にならなければ、お金は回らないってことに
気づかないの？
ちなみに、私たちのときは自称中流家庭の子たちが
猫も杓子も学歴社会の始まりで、親たちにはまだお金があって
どうにかしてわが子を大学に行かせないと。
大学にさえいけばと
思い込んでいた世界だった。

今では定員割れをおこして潰れそうなFランクでも、
笑えるくらい入学金で儲かったはずだ。

大学受験でも競争に負け、就職もできなかった人たち。
大学まではよかったけど、就職できなかった人たち。
そのまま繰り上がり、30代に突入したのではないかと思っている。
なぜなら39歳まで若年層扱いで、雇用促進するシステムがあるからだ。
だけど、本来なら中堅どころになるはずの年齢で新入社員とは
会社も扱いづらいだろうし、糸が通すかのような狭き門だろう。
反吐をはくほどがんばってがんばって、
それでも不景気だからの一言で人生が狂い、
新卒のみを欲しがる企業には、第二新卒という名称をつけてもノーと言われ
仕事をしている女子たちは今頃行き遅れに気付き
婚活と称して出会いを求め歩く。
この年代はひきこもりも多いらしい。
このままひきこもって、親が死んだらどうするんだろうと思う将来が
本当にリアルにすぐそこまで来ている。
若者の自殺率が高いと聞くが
そりゃ死にたくもなるさ。

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