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電車メイクはなぜ減ってきたのか

電車メイクはなぜ減ってきたのか

 日本の女が、電車の中でメイクを始めてから、もう何年になるのだろう。何だかんだ言われながらも、すでにひと時代を築いてしまったから目がすっかり慣れていて、もはや日本の慣習のひとつみたいになってしまった。
 ただ、見慣れてはいるけれど、“微笑ましい”と思う人は相変わらず誰もいないし、男たちはだいたいこう言っている。「昔ほどの衝撃はないけれど、今も思うことは同じ。あの女、だらしなさそう……」。
 そう思われていても何でも、やる人はやる。30代になってやめる人がいても、それを見て育った女子はそういうもんだと思いこんでいるから、さらに堂々と電車メイクをして、後世に伝えていくのかと思うと、やっぱり悲しい。
 一方に電車メイクもさすがに減ってきたという見方があるが、20代の43%は経験者というのは不安な数字。減ってる理由は“スマホをいじるので忙しい”からなんじゃないか。
 あらためて言ってしまえば、“化粧”というものは身繕いに他ならず、電車の中で着替えしているのと一緒。今さら何を……と言うかもしれないけれど、誰もあんまり言わなくなったからあえて言ってみようかと。
 メイクは“身支度”の一部、人には見せないもの。だから今や誰も文句を言わないかわりに、面白がられる。へエーあんなことするんだと、以前より冷めた目で眺められてることを知っておこう。
 もちろん今も、人前での化粧直しなんてもってのほかという日本人はいっぱいいる。昔は、持ち歩いている化粧道具を、人に見られることすら恥ずかしいという時代があったのだから。
 でもそういう昔話より大事なのは、あんまり舞台裏を見せないほうが人生お得だということ。何をしてキレイになったのか、人に見せずにキレイになったほうが、キレイが高くなる。格があがる。化粧の本質は、人をダマすことなのだから。いかに素顔に見えて、別人のように美しくなっているか、それがメイクの身上なのだから。
 電車メイクは、もともとそういう意識を持たない人がやるから、じつはあんまりキレイにはなれない。仮にそういう計算があっても、電車の“乗客”というアカの他人は、“人”じゃなくただの“景色”と思っているフシがあり、それは充分ゴーマンな考え方。だらしない上に不遜な女に見えているとしたら、やっぱり相当損だ。
 なんの後ろめたさも持たずにやっているなら、あくまで知識として知っておくべき。電車メイクはやっぱりキレイになれないって。さすがにみんな、そのことに気づいたから、減ってきたのではないだろうか?


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