声優という職業は将来的にAIに奪われる可能性はあると思いますか？

現在は声優は「人間」が声を吹き込んで、キャラクターを演じていますがAIの技術が発達した場合にアニメの声までAIになるということは考えられると思いますか？
感情に応じて声の抑揚であったり、涙声をしたりとそういう演技は今の技術では「人間」にしかできない技・技術だと思います。
しかし、人工知能がより発達して、セリフの技術（声の抑揚であったり、涙声をしたりなど）が格段に進歩した場合、AIが声優に取って代わる時代は来ると思いますか？

現在は声優さんが高齢化や病気で降板すると、新しい声優さんが選ばれてその人が2代目・3代目の声としてキャラクターの声を演じています。
しかし、AIの技術が発達した将来、既存の声優さんのボイスサンプルを50音全てサンプリングして、その声を繋ぎ合わせて台詞を読ませるという技術に違和感を感じない程にセリフの技術（声の抑揚であったり、涙声をしたりなど）が格段に進歩した場合、わざわざ新しい声優さんを選ぶよりも、今までの声をAIに演じさせるという選択肢を選ぶアニメも出てくる気がします。実際に、視聴者も声は慣れ親しんだ声の方が嬉しいと思うので、そういうことも含めて、AIが声優という職業を取って代わる時代がくる気がします。


アニメ「ドラえもん」では、2001年に大山のぶ代さんが直腸がんを患い、大山さんのがんは手術で根治しましたが大山さんが「何か自分に起きる前に、自分が元気な間にドラえもんを降りて若い俳優さんに譲りたい。」と大山さんがドラえもん役の降板を申し入れたことがある話は有名です。
この時、スタッフが大山さんを慰留したので大山さんは降板申し入れを撤回して、ドラえもん役を続投することになりましたが、この件はきっかけに、製作スタッフや製作会社、スポンサーなどがアニメ「ドラえもん」の今後について数年に渡り長期間に渡り協議したそうです。

結局、アニメ「ドラえもん」は、2005年に声優と製作スタッフの総入れ替えによる全員交代という結論が出されましたが、長期間に渡る協議の中で2つの案が当時、提示されたそうです。
2つの案としては

①大山のぶ代さんのボイスサンプルを50音全て収録して、ドラえもんの声は大山さんの50音で合成する
②新しい声優を選んでその人をドラえもんの声優にする

という案が出たそうです。しかし、①の案について大山さんが「音を合成してもドラえもんの感情を表現しきれない。声は自分と違う人でも全く問題ない。しっかりと声優さんを選んで、選ばれた方にドラえもんを託したい。」と強く主張したそうです。

長期的に話し合いが行われたそうですが大山さんの意思も固かったようで、結局は合成サンプリングの案は実現せず、オーディションで後任声優を決定する形となり、結果的に水田わさびさんがドラえもん役に選ばれる形で決着したという経緯があるようです。（2004年の春に、テレビ朝日や藤子プロなどの製作者サイドは大山さんが2001年にドラえもん役の降板を申し入れていたことに対して、大山さんの意向を大きく汲む形で大山のぶ代さんのドラえもん役の降板と、大山さんを含むレギュラー声優陣全員の交代を提案し、大山さんを始めとする声優陣もこの提案を受諾して、交代が決定したそうです。）そして、2005年に大山さんチームのドラえもんが終了して、今の新しいメンバーでのドラえもんに引き継がれました。


大山のぶ代さんのボイスサンプルを50音全て収録して、ドラえもんの声は大山さんの50音で合成するということが真剣に検討されていたことがあることが著書の中でもしっかりと記載があり明かされています。（大山さんの夫の砂川氏の著書・「娘になったのぶ代へ」）



もし、大山さんが降板を申し入れた2001年当時、AIのセリフの技術（声の抑揚であったり、涙声をしたりなど）が格段に進歩していた場合は、大山さんもAIでもドラえもんの感情表現が出来るとお考えになり、製作スタッフの提案に応じていて、大山さんの声をサンプリングしていたということも十分に現実味を帯びた話だったと思います。


実際、声優の内田彩さんのボイスサンプルを50音全て収録し、そのAIの声と実際の内田彩さんが対談するという企画があり、それがYoutubeに公開されていました。

声優・内田彩とAI合成音声のデモ 【ケータイ Watch】
https://www.youtube.com/watch?v=NiFIiq9OCv8


質問は2点です。
①声優という職業は将来的にAIに奪われる可能性はあると思いますか？

②大山のぶ代さんが当時、製作スタッフによる大山さんの声をボイスサンプル収録して、AIを後任とする案に反対したことについてどう思いますか？