【もくじ】

花粉症やアレルギーにも関係している腸内環境

腸内環境の改善は、便秘や下痢の改善や予防だけでなく、肌をきれいにするためにも、疲れにくい体をつくるためにも重要。というのは、美容と健康を気にする女子にとって、もはや常識ですよね。

最近では、花粉症やアトピーなどのアレルギーと腸内環境の関係が注目され、さまざまな研究が行われています。

腸とアレルギー。すぐには結びつかないようなイメージですが、一体どんな関係があるのでしょうか?

免疫細胞の7割が集まる腸

腸は食べ物の消化吸収をしているだけではありません。なんと腸には全身のおよそ7割もの免疫細胞が集まり、常に外敵の侵入に備えているのです。

腸内環境が悪化すると、免疫をコントロールする善玉菌が減少。すると、免疫細胞が暴走をはじめ、攻撃する必要のない刺激に対して過剰に反応するようになります。それが花粉症やアトピーなどの自己免疫性疾患です。

腸が弱ると“かゆみ”が出る

腸とアレルギーの関係は、西洋医学では、ここ数年で注目され始めたトピックです。でも、中国医学では2000年も前から「腸が弱ると“かゆみ”が出る」と言われています。

お粥でアトピーが良くなる?

研修先の中国の病院での体験です。ある日、小学生の子供を連れた日本人の奥様がやってきました。

「この子はずっとひどいアトピーに苦しんでいるんです。主人の駐在で北京に住むことになったので、漢方でアトピーを治したいのですが、苦い薬は飲めないんじゃないかと思うんです」

名医と言われる先生は、子供を診察してこう言いました。
「大丈夫です。お粥を食べて、ふくらはぎをもんでいれば、次第によくなります。夜は腹巻をして寝てください」

それからおよそ3カ月ほどで、子供のアトピーはすっかりよくなりました。

湿疹と冷えたビールの関係は?

ある日、青島に住んでいるという男性の患者さんが来ました。

「湿疹が出やすくて困っています。体も重だるくて、寝ても疲れが抜けません」

先生は漢方薬を処方して、次のような指示を出しました。
「冷えたビールは飲まないこと。ふくらはぎをもんで、運動をして汗をかくこと」

“脾胃”って何?

この2人の患者さんの治療のポイントは「脾胃の働きを高める」ということでした。

“脾胃”は中国独特の考え方で、消化吸収やエネルギー代謝、水分代謝に関わる働きをしています。つまり西洋医学でいう“腸”を含む概念。

脾胃の働きが弱まると、便秘や下痢になりやすく、腸内環境が悪化。排出できない水分が”水毒“となり、皮膚のかゆみや鼻水などのアレルギー症状の原因になります。

さらに、むくみや体の重だるさ、不眠などのさまざまな体調不良につながるのです。

冷えが腸を弱らせる

脾胃の第一の敵は“冷え”。

アトピーの子供さんへの指示は、お粥と腹巻でお腹を温めること。ふくらはぎの内側にある“脾胃のツボ”を刺激することでした。

男性への指示にあった「冷えたビールを飲まないこと」。これは、腸活でなかなか結果がでない皆さんにも、ぜひ実践していただきたい習慣です。

冷えたビールを一気にがぶ飲み。それは漢方でいう“寒邪直中(かんじゃじきちゅう)”。冷えが体の真ん中にある胃腸を一気にアタック。脾胃が弱る元凶となります。

日本の湿気は腸の大敵

子供の患者さんが薬を飲まないでも大丈夫だったのは、日本と北京の気候の違いによるもの。

日本は海に囲まれた湿気が高い国。そのため脾胃が弱まり、腸内環境の悪化につながりやすいのです。

北京の気候はとても乾燥しています。そのため、普通に生活しているだけで、日本のような”湿気によるトラブル“が改善しやすいのです。

運動をして体のみずはけを改善する

では、男性に薬が処方されたのはなぜでしょうか?

青島は海のそばの町。北京に比べ、湿気が高く、さらに青島ビールの産地でもあるため“冷えたビール”を飲むのが日常的。

そのため薬を処方し、運動で汗をかくことで、体のみずはけを改善することが必要だったのです。

ちなみに、中国で冷えたビールが一般的になったのは、ここ10数年のこと。以前は室温のぬるいビールが当たり前で、一流店でもキンキンに冷えたビールが出てくることは、ほとんどありませんでした。

ある中国のお医者さんは、「“おなかを冷やさない”という中国人の常識、古き良き習慣が崩れて、いろいろな現代病が増えてきた」と嘆いてました。

腸活漢方生活のポイント

腸の働きを助け、腸内環境を整えるためには、

〇冷やさない
〇湿気をためない

という2点です。

〇なるべく冷たい食べ物や飲み物を避け、温かいものを食べる
〇腹巻などでお腹を冷やさないようにする
〇お風呂や運動でしっかり汗をかく
〇湿気が高い時期には、除湿を心がけたり、風通しをよくする

など、生活の中でさまざまな工夫ができると思います。

腸を元気にするツボ

腸を元気にするためには、日頃から自分でツボ押しをするのもおすすめです。なかでも消化器の働きを整える“脾経”のツボは、即効性もあるおすすめのツボです。

脾経は足先から腹部、胸まで通っています。その中で、特に効果が高く、自分でも刺激しやすいツボが集まっているポイントがふくらはぎの内側です。

刺激の方法も簡単です。

① 床に座って、片足を曲げる
② 曲げた脚のひざ下を、骨に沿ってゆっくりと親指で押す

足首からひざ下まで、少しずつ指の位置を移動させながら、コリや痛みを感じる部分を中心に押していきましょう。

押し込むときに、深く息を吐くようにすると、より効果的。これで、消化器系の働きを活性化していくことができます。

5分ほど続けていると、胃腸がぐるぐると鳴ったり、体が温まってくるのが分かるかもしれません。

まとめ

体質改善は毎日の生活習慣が大切です。

腸にいいものを食べることも大切ですが、それだけでなく、生活の中でトータルに腸の力を高めていくことが大切です。

すぐには効果が実感できない人も、ぜひ2週間ほど続けてみてください。便秘や下痢が改善したり、むくみにくくなったり、花粉症がなんとなく軽くなったり。

何からどう変わるかを楽しみに、腸活漢方生活を試してみてくださいね。

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