【もくじ】

<胸や背中、固まっていませんか?>

みなさんは、胸や背中の柔軟性を意識したことがありますか?

「多くの人はパソコンやスマホで姿勢が悪くなり、胸を開くことができなくなっています。逆に、姿勢をよくしようと意識して、胸を張り過ぎ、背中をうまく丸めることができなくなっている人もいます」(中村先生)

胸が硬く、丸まった姿勢は内臓が押されて、おなかぽっこりの原因に。また柔軟性を失い、動きが悪くなった背中には、よけいなお肉がついて、後ろ姿をもったりさせてしまいます。

ヨガをしているのに全然痩せない人は、体幹がロックされたような状態で、正しいポーズがとれていない可能性が大。

パーツ別即やせヨガの前に、胸と背中の柔軟性をチェックしましょう。

<胸の柔軟性をチェックする>

みなさんは、こちらのポーズが取れますか?

・両手をぴったりあわせ、ひじを伸ばす。
・肩甲骨を少し前に突き出すように意識しながら、両手を上にあげる。
・腰を反らせないこと。

前から見た状態がこちらです。

こちらはNGポーズ。

・両手が指先しかついていない
・ひじが曲がっている
・肩がすくんでいる

いかがですか?

気持ちよく上の2枚の写真のようにポーズが取れる人は胸の柔軟性がある人。
NGポーズのようになってしまう人はもちろん、頑張らなければ上の2枚の写真のようにすっきり伸びることができない人も、胸が固くなっている状態です。

この胸の硬さは、ヨガのポーズにどのように影響するのでしょうか?

<「戦士のポーズ」には胸の柔軟性が大切>

ヨガの代表的なポーズのひとつが「戦士のポーズ」。

大きく反ったり、足を開いたりすることもないので、一見、だれにでもできる簡単なポーズに見えます。ところが、実際にやってみると、多くの人が次の写真のような感じに。

<よくある「ダメ戦士のポーズ」>

腕が上にのびない、両手が開いてしまう、肩がすくむ、ひじが曲がる。これがよくあるダメ戦士のポーズです。

<ダメ戦士になる原因は胸の硬さ>

「戦士のポーズがきつい原因は、胸がきちんと動いていないこと」という中村先生。

ヨガには体を伸ばしたり、反らしたりポーズがたくさんありますが、その際のポイントのひつが、胸の使い方なのだそうです。

―手が上がらないのは、肩の硬さではないんですか?

「肩だけは手を真上に上げることはできません。肩の可動域に胸の反りが加わって、はじめて、手を真上に挙げることができるんです」(中村先生)

<肩+胸の連動が大切>

肩だけを動かしたのがこちらの状態です。

モデルの梅澤さんは、実力派のヨガインストラクターとしても人気の先生。ところが、胸も腰も反らせず、まっすぐなままだと、この程度しか上がりません。

では、胸がどの程度動くのかを見てみましょう。

この2つの動きが組み合わせたのが、次の写真です。

これでできあがるのが、写真4の美しい戦士のポーズです。

<胸が硬くなると、バストが垂れてデブになる!?>

スマホやパソコンを使っていると、どうしてもこんな状態が長時間続きがち。すると、胸の筋肉が縮まった状態で硬くなり、動きが悪くなります。

その結果、動作が小さくなったり、呼吸が浅くなることで、血行が悪くなったり、むくみやすくなる。さらにバストの脂肪の土台となっている大胸筋も衰えて、胸が小さくなったり、垂れやすくなることも。

<胸の柔軟性をアップする戦士のポーズ>

「胸の動きを意識することで、より快適に戦士のポーズがとれるようになり、日々動かすことで、次第に胸の柔軟性もアップしてきます。無理にきれいなポーズをとるのではなく、快適に感じる範囲で、続けて行うことが大切です」(中村先生)

ヨガをする時間がないという人は、椅子に座って、写真1のポーズをとるだけでもOKです。動かす範囲も時間も、自分が“快適”と思えるていどで十分です。

ぜひ、毎日続けてみてください。

<これできる? 背中の硬さチェック>

次は背中の硬さチェックです。みなさんはこのポーズがとれますか?

・正座の姿勢から、へそをのぞき込むようにしながら、頭を下げていく。
・背中と腰がきれいに丸まり、おでこが膝につけばOK。

背中が硬い人は、このようになってしまいます。

・背中があまり丸まらず、伸びている。
・おでこが膝につかない。

実は、私はこの写11のパターン。背中を丸めることができないため、いわゆる腹筋運動をすると、腹筋に効くより前に、首や背中が痛くなってしまいます。

背中の柔軟性を高めるにはどうしたらいいのでしょうか?

<骨格が原因ならば、変わらない>

「体が硬いのは、筋肉が原因になっている場合と、骨格が原因の場合とがあります。運動不足や不良姿勢が原因で筋肉が硬くなった場合は、動かすことで柔らかくなりますが、骨格が原因の場合は変わりません」(中村先生)

私の場合は、学生の頃からそうだったので、どうやら骨格が原因のよう。でも、180度開脚ができる必要がないように、頭を膝につける必要も全くないので、それはそれでよしとするのが正解なのでしょう。

<まとめ>

今回の胸と背中の硬さチェックの目的は、自分の体の状態を知ることです。

「ヨガの目的は、体を柔らかくすることではありません。まず自分の体の状態を知ること。そして、快適に動けるようになること。その結果、体は自然に柔らかくなっていくのです」(中村先生)

硬いと思っていた体も、正しい動かし方をすることで、ふっと柔らかく動けるようになることもあります。人と比べたり、無理をしてきれいなポーズをとる必要はありません。自分の体と向き合うのが、ヨガの第一歩ということを忘れないようにしましょう。

中村尚人先生

理学療法士として病院、老人保健施設、訪問リハビリなどでの臨床経験を経て、八王子に予防医学を目的としたヨガ・ピラティス・ウォーキングスタジオTAKT EIGHT(タクトエイト)を立ち上げる。豊富な知識をもとに、ヨガインストラクター、ピラティスインストラクター、予防運動アドバイザーとして活動。ヨガの解剖学講師、指導者育成、執筆、講演等に携わる。著書に『ヨガの解剖学』(BABジャパン)など多数。http://www.takt8.com

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