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ダイエット、というと、脂肪を減らす、ということが注目され、脂肪はダイエットの敵、と考えることも多いですね。脂肪細胞から放出され体にはらたく物質のうち、健康なダイエットに味方してくれるものもあります。それがアディポネクチンや、以前こちらでお伝えしたことのあるレプチンです。脂肪細胞は小さい時に数が決定され、それが少なくなることはあまりないと考えられていますがはたして本当にそうなのでしょうか?

脂肪は多いと問題になりますが、少なすぎても肌の調子が悪化したり、生理のサイクルが乱れたりと体に影響を及ぼすこともあります。脂肪にはいくつか種類があります。適度に脂肪をコントロールしていきたいですね。

脂肪の種類、脂肪蓄積のメカニズムについて

脂肪というと、白色脂肪細胞=いわゆる脂肪とイメージされるもの、褐色脂肪細胞、の2つの種類に分けられます。

食べ物の蓄積でできている白色脂肪

白色脂肪細胞は、消費より取り込みが増加したエネルギーが蓄積されたものです。皮下脂肪や腸の周りなどにつく内臓脂肪にわかれます。

脂肪の蓄積についてもう少し詳しくお伝えすると、食事よりとりこまれた栄養が脂肪酸とブドウ糖に分解され、エネルギーが消費されないと過剰な分は脂肪となり、たまっていきます。逆に、エネルギーを補給しないまま使用していくと身体は燃料切れになります。その時は肝臓や筋肉に貯蓄された脂肪が遊離脂肪酸とグリセロールという物質に分解され、身体に必要なエネルギーとして利用されます。つまり、白色脂肪細胞は身体のエネルギー消費に合わせて、過剰である場合はエネルギーを蓄えたり、足りない場合はエネルギーを作り出すために働いているのです。また、あまり体脂肪が少なくなると、コレステロールを原料とする女性ホルモンなどのホルモンがアンバランスになり、生理不順などの原因になることもあるので注意が必要です。

脂肪を消費してくれる褐色脂肪細胞

一方、褐色脂肪細胞は、脂肪を燃焼してくれる、といううれしい働きがあります。褐色脂肪細胞は鉄を多く含むミトコンドリアという細胞内器官が豊富なため、言葉のとおり褐色に見えます。

ミトコンドリアは細胞内のエネルギー産生をつかさどっていますが、ミトコンドリア内にあるUCP(熱結合たんぱく)が、白色脂肪細胞から分解された遊離脂肪酸を取り込んで熱を産生、脂肪を消費してくれるのです。褐色脂肪細胞は体温を保つため、幼児期では脂肪燃焼をして体温維持をはかるため褐色脂肪細胞が豊富です。成人になると、体温を保つために大切な筋肉の量が増えてくるので、それに伴い褐色脂肪細胞は減っていき、肩甲骨や首回りなどに少しだけ存在するといわれています。

脂肪細胞は増えたり減ったりするのでしょうか?

脂肪細胞の数は思春期くらいまでにある程度決定し、その後数は増えないが脂肪の蓄積により脂肪細胞のサイズが大きくなると考えられていました。しかし、最近では、思春期を超えても、身体の中に脂肪がどんどん蓄積されていけば、脂肪細胞の数は増えていくのではないかと考えられています。

女性では、ホルモンバランスの変化とあいまって、下腹部や太ももの内側、二の腕などに脂肪がつきやすくなってきます。ついてから減らすより、脂肪がつきすぎないように、少しずつ心がけていくことが大切です。また、ついてしまったからといってあきらめないでください。普段運動をあまりされない方でもはじめやすい有酸素運動、ウォーキングなどでも、長時間でなくても週3回程度、30分程度を継続すること、途中運動強度をあげるのに、歩幅を5分きざみに小さくしたり大きくしたりしてみることも効果を高めてくれると思います。

アディポネクチンについて

脂肪細胞から分泌される善玉ホルモンの一つが、アディポネクチンです。善玉ホルモンなので脂肪が増えるとよいのかしら、と考える方もいそうですが、逆なんです。脂肪、特に内臓脂肪がふえてしまうと、アディポネクチンは減ってしまうことが知られています。アディポネクチンがあると、血管がしなやかに保たれる他、筋肉にあるAMPカイネースという酵素を活性化します。すると、脂肪が燃焼することが知られています。普通は運動によって身体が“エネルギー消費モード”になると、筋肉で活性化する酵素なのですが、アディポネクチンは運動せずしてこの酵素を活性化することにより、脂肪燃焼をおこしてくれます。このアディポネクチンをしっかり分泌するように、内臓脂肪をためないよう運動を心掛けるとよいですね。

レプチンについて

レプチンも脂肪細胞から分泌される善玉ホルモンなのですが、脳にはたらきかけることにより、褐色脂肪細胞の脂肪燃焼効果を高める白色脂肪細胞で脂肪代謝を上げることがわかっています。レプチンについては睡眠不足になることで減ってしまうことが知られており、良質の睡眠を適度な時間とることが、レプチンを保つ秘訣です。

食物繊維をとって脂肪燃焼を

食物繊維を多く摂る方が消化や吸収がゆっくりになり、水溶性の食物繊維がコレステロールやブドウ糖の吸収を抑えることが知られています。善玉菌を増やすなど、腸管内の環境もより良い状態に保たれていることがわかっています。しかし日本人の食物繊維摂取量は食事の欧米化により減少してきています。食事摂取基準では、成人女性では1日で食物繊維を18グラム摂ることをすすめています。野菜や果物、納豆、海藻など水溶性食物繊維、きのこや全粒粉などの穀類、豆類やこんにゃくなどの不溶性食物繊維をバランスよく摂っていくとよいでしょう。

まとめ

今日は脂肪を健康的に制御するための方法について、脂肪の代謝や脂肪の種類からご説明してきました。少しずつでも運動を長期に継続し、食物繊維を含む食物をとること、睡眠をしっかりとることなどがよさそうですね。健康的な方法で急激に脂肪を減らすのは難しいので、長期的に、無理のない範囲で取り組んでいきましょう。

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