
紫外線A波・B波とは?肌にどんな影響があるの?日焼け止めやベースメイクに書いてあるSPF値・PA値って何?
そんなUVケアの基礎知識から、日焼け止めを塗るときの大切なコツ、今年注目の新作UVケア・日焼け止め情報までプロが解説。
このページを読んでUVケアを実践すれば、白肌美人に大きく前進!
理想の白肌を持つプロが徹底解説!「UVケア」はメイクじゃなくてスキンケア!!
美肌を叶えるために欠かせないスキンケアの一部、それがUVケア。
白く輝く羨望の美肌の持ち主・宇野ナミコさんが、UVケアの基礎知識やおすすめアイテムを教えてくれました。
監修・執筆:宇野ナミコさん


【大切なポイントはココ!】
●美肌はUVケアあってこそ!
●短時間でも紫外線を浴びると、肌の中で「メラニンを作れ」という指令や、「微弱な炎症」を発生させるスイッチが入ってしまう
●紫外線A波は、雲や窓ガラスを通過するため、室内にいても注意が必要
●「白浮き」「刺激」のイメージはもはや過去のもの
●UVケアに限っては“最新のアイテム”が一番優秀
●ケチケチ使わず、たっぷりと。塗りムラに要注意!
●フェイスライン、あごの下、デコルテなど塗り忘れに注意!
●崩れ対策に塗り直しを。顔はCCクリームやパウダーを上手に活用
UVケアなくして美肌は叶わない!?
紫外線A波・B波とは?肌にどんな影響があるの?
地上に届く紫外線には、主に紫外線A波(UV-A)とB波(UV-B)の2種類です。
紫外線B波は表皮にダメージを与える、短い波長の紫外線。1度に沢山浴びると、赤みやヒリヒリ感を引き起こします。
紫外線A波は、真皮まで到達する長い波長の紫外線。長期的に浴び続けるとコラーゲンにダメージが蓄積し、シワやたるみの原因になることが知られています。実はこの紫外線A波、地上に届く紫外線の約9割を占める存在なんです。B波と違って目に見える症状はすぐに現れないものの、雲や窓ガラスを通過するため、室内にいても注意が必要です。
UVケアに表示されるSPF値・PA値って何?
UVケアは、紫外線吸収剤(紫外線を吸収して熱や赤外線に変化させる素材)、紫外線散乱剤(肌の上で紫外線を跳ね返す素材)を配合し、紫外線から肌を守る働きを担っています。
UVケアを選ぶとき、1つの目安になるのが、製品に表示された「SPF値」。SPF値は、紫外線B波をカットする数値の目安で、SPF50+が最高値です。
「PA値」は紫外線A波をカットする数値の目安で、++++が最高値です。SPF値・PA値ともに高い(プラスが多い)ほうが紫外線防御効果に優れていますが、日常生活の紫外線をカットするにはSPF15以上あれば十分と言われています。現在市場に流通しているUVケアは、SPF30〜50の製品が中心で、感触や仕上がりの透明感、出かける場所によって選択できる点が魅力です。
「白浮きしそう」「刺激になりそう」は過去の話?
UVケアに対して「白浮きしそう」「肌に負担になるのでは?」というイメージをお持ちの方も少なくないのでは…?ここ数年のUVケアの進化は本当にめざましく、そんなイメージはもはや過去のものといっても過言ではありません。
紫外線をカットする粉体や、ベースの処方が進化したおかげで、優れた紫外線カット効果を実現すると同時に、つけていることを忘れそうなくらい透明感あふれる製品が充実しています(プチプラのアイテムにおいても)。
また保湿乳液のようにしっとりした感触のもの、エイジングケア成分を配合したものなど、UVケアというより“日中のスキンケア”と呼びたくなる製品も。もしUVケアに冒頭のようなイメージを持っているなら、新作を1度試してみると、心地良さとナチュラルな仕上がりに感動するかもしれません。
今のトレンドは環境から肌を守る「多機能UV」
近年のUVケアが防いでくれるのは、紫外線だけではありません。“現代女性を取り巻く過酷な肌環境”を視野に入れた、多機能なアイテムが増えています。
たとえば、紫外線の中でも肌の奥深くに届く“ロングUVA”、さらに“近赤外線”や、スマホやPCが発する“ブルーライト”など、あらゆる光ダメージをカットする素材を配合したUVケア。さらにPM2.5などの大気汚染物質から肌を守るUVケアも充実しています。ちなみに今シーズンは、汗だけでなく衣服などのこすれにも強い、“崩れにくさ”にこだわったUVケアがトレンドです。
化粧品にはロングセラーの素晴らしい製品も沢山ありますが、ことUVケアに限っては“最新のアイテム”が一番優秀。機能的な面でも、感触や仕上がりの面でも、満足感が高いと思います。
意外な盲点!?UVケアの使用量と塗り方
優秀なUVケア、すでに毎日使っている方も多いのでは?それでも焼けてしまう…というようなら、使い方にちょっぴりコツが必要なのかもしれません。
まず大切なのは“使用量”です。製品に表示されたSPF値は、1?に2mg塗って測定する決まりなんですね。実際やってみるとコレ、結構な量なんです。UVケアはケチケチ使うのはNG(表示のSPF値を発揮できず、ムラになる可能性もあるため)。使用量の目安を守り、塗りムラがないように、均一になじませてあげましょう。
意外に塗り忘れしやすいのが、フェイスライン、あごの下、デコルテなどのエリアです。夏場は汗で崩れやすいので、デコルテやボディはできることなら塗り直しを。塗り直しが難しい「顔」の場合は、メイク直しの時にCCクリームや紫外線カット効果のあるフェイスパウダーを取り入れて。隙のないプロテクト効果を維持してあげましょう。
日本女性の肌が25年で明るくなった。その理由はUVケア!?
昨年、『@cosme ニッポンプロジェクト』の企画で、資生堂に取材をしたところ、「日本女性の肌は、過去25年間の間に明るくなっている」、という、実に興味深い研究の話しを聞きました。
資生堂が過去に蓄積した膨大な肌データの中で、肌色の指標として注目したのは「メラニン色素」と「ヘモグロビン」。前者は日本人本来のオークルトーンの肌に、後者は肌の自然な赤みに関係しています。過去25年における合計3,638名の肌データを用いて、このメラニン色素とヘモグロビン量の変化を解析したところ…?
まずメラニン色素の量は2001年から2015年にかけて低下しています。さらにヘモグロビンの量は1991年から2001年にかけて低下し、2015年にかけて少しずつ上昇しています。
ここから分かるのは、黄ぐすんだ印象の肌が、ほんのり赤みを帯びた健康的な肌に変化しているということ。上記のデータをシミュレートしたのが下の画像です。
確かに、肌色が明るくなり、ほんのり赤みを帯びている様子が分かりますね。
このように25年間で肌トーンが変化した理由としては「1990年代に美白ブームが起こり、美白ケアを取り入れる女性が増えたこと」。「紫外線ダメージが広く認知され、UVケアを取り入れる女性が増えたこと」が考えられるそうです。
この結果を聞いて、「うーん、なるほど」とうなずいてしまいました。
美白編でもお話しした通り、美白もUVケアも、短期的には効果があるのかないのか、よく分からないお手入れかもしれません。でも、長期的に見ると「やっぱり毎日コツコツお手入れを続けると、肌は応えてくれるんだな」と改めて実感した次第です。
ぜひ皆さんも、優秀なUVケアを味方につけて、透明感のある健やかな肌が手に入りますように。

2018年おすすめの新作日焼け止め・UVケア
宇野ナミコさんが注目する最新の日焼け止め・UVケアを目的別にご紹介♪
全方位からプロテクト!多機能UVケア
紫外線、大気汚染、酸化、ストレスなどから肌を守る多機能な名作UVケア、今シーズンは光をあやつり、肌をツヤやかに見せる処方へと進化しました。なめらかな感触で、日常使いからバカンスまでシーンを選ばず活躍します。

アネッサ
容量・本体価格 20ml・1,200円 / 60ml・3,000円 / 90ml・3,600円 (編集部調べ)
発売日 2018/02/21
鉄壁の紫外線防止効果に定評のあるアネッサ。この夏は、汗や水に濡れると「シールド膜を強化」する機能を搭載しています。街歩きはもちろん、海や山でアクティブに一夏を過ごしたい女性にオススメです。

水のように軽く、スルスルッと肌に広がって、紫外線や大気汚染など環境ストレスをカットします。ツヤを宿したヘルシーな肌に整う点が◎。


汗や水に強いウォータープルーフに加え、摩擦に強いフリクションプルーフ機能を備えたみずみずしいジェル。透明感にすぐれ、顔はもちろんボディにもオススメです。

鉄壁のプロテクト効果に加え、皮脂を吸着する働きに優れたUVケア。本当に感触が軽くて、薄膜でピタッと肌に寄り添い、薄化粧効果も期待できます。細くて取り出しやすいチューブ先端など、細部にまで気配りが行き届いた設計が◎。
昼間の肌もしっとり。スキンケア効果に注目!
SK-II
容量・本体価格 30g・8,500円 (編集部調べ)
発売日 2018/03/05


手に取ったときは濃密なのに、なじませるとなめらかな感触に変化。あと肌のしっとり感&フィット感も優秀です。紫外線はもちろんのこと、昼間の乾燥が気になる方にぜひ。


美白成分と保湿成分を配合し、使用感はとても軽やか。最高数値のUVプロテクト効果なで汗や水に強いという、女性が欲する機能をあますところなく網羅した1品です。忙しい女性のデイリーケアにオススメ。

忙しい女性に、薄化粧効果が嬉しいCCクリーム


2種類の美白成分をはじめとする美容成分を、なんと85%も配合。程よいカバー効果で、つるんとした肌を演出します。メイクを落としたあとの素肌も健やかな状態に。

ストレスフルな肌を解放する植物派UV

レモングラスのように爽やかな香り。カレンドラやカミツレの力で肌をいたわりながら、生活紫外線をしっかりカットします。日本人の肌に合わせた処方で、お子さんへの使用もオススメ。

自然なツヤを演出し、ほんのり肌をトーンアップするミルクタイプ。紫外線やブルーライトから肌を守り、素肌そのものをヘルシーな質感へと導きます。


shiro/サンケアローション
容量・本体価格 50ml・6,800円
発売日 2018/03/08
酸化チタン、酸化亜鉛フリー、米ぬか由来の紫外線吸収剤を配合した日中用トリートメント。SPF値は低めなものの、植物エキスの力で肌を紫外線に負けないすこやかな状態へと導きます。ローズの穏やかな香りも◎
紫外線や汗で肌あれしやすい夏にやさしい使い心地のUV


ファンケル/サンガード25 デイリーUV
SPF25・PA+++
容量・本体価格 18g・1,450円
発売日 2018/03/20

化粧直しの頼もしい味方 UVパウダー&パウダーファンデ
@cosmeでも大人気のパウダーは、UVケア機能もさることながら、きめ細かな仕上がりが秀逸。スキンケア成分を配合し、キメの乱れた肌にもふんわりと寄り添います。


オルビス/サンスクリーン®パウダー
SPF50+・PA++++
全2色
本体価格
リフィル(専用パフ付):1,620円
別売りケース:670 円
発売日:2018/05/23
人気のパウダーがウォータープルーフ処方にパワーアップ。サラサラの感触で肌の上をすべるようになじみ、紫外線から守ります。皮脂分泌が多く、テカりが気になる方にオススメ。

シルキーな感触のきめ細かなパウダーが、肌の均一感を高めます。薄づきでもしっかりUVカットしてくれる点が魅力。端正な仕上がりでプロのメイクさんや海外でも評価が高いという名作です。

肌を自然にトーンアップする、ほんのりラベンダー色のパウダー。まるでベビーパウダーのようにやさしい使い心地で、室内にいるときの薄化粧にも活躍します。

雪肌精
雪肌精と共通の美容成分を配合した、パウダーとは思えないしっとりやわらかなフィット感。朝のメイクはもちろんのこと、紫外線や空調にさらされた昼間のメイク直しにも最適です。

どのアイテムも、日焼け止め・UVケアの進化を感じるはずです。
「あの時UVケアしていれば…」と後悔しないためにも、あなたにとって心地よく使える一品をチョイスして“スキンケアの一部”としてUVケアを取り入れて。
美白編もお見逃しなく!美白ケアの基本、シミはなぜできる?おすすめ美白アイテム
スキンケアをはじめとするビューティへの深い知識、丁寧な取材と分かりやすい記事で美容業界でもファンが多い宇野ナミコさんが、初心者さんにもわかりやすく「美白」について全方位的に解説!
【コンテンツ内容】
・シミはどうして出来る?基本をおさらい
・シミの原因、実は紫外線だけじゃない!?なんと≪???≫もシミの要因に
・日本の美白の歴史は長い!美白コスメは約≪???≫年前に登場していた
・現代のリアルな美白事情を公開!美白の経験者は約8割!
・効果を実感できる美白、そのために大切なこととは…
・無理なく美白を続けるためのコツ
・必見!2018年のおすすめ新作美白アイテム
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美容ライター。
女性誌の美容班アシスタントを経て独立。ライター歴24年。女性誌を始め、WEBや広告媒体で美容の記事を執筆中。スキンケアを中心に、メイクアップ、ヘアケア等幅広い分野を担当。丁寧な取材に基づいた、分かりやすい記事に定評がある。