
知られざる日本のBEAUTYを再発見!@cosme NIPPON PROJECTでは、日本ならではの美容文化や美容素材、美容技術を発掘し配信していきます。
日本には、その土地ならではの「美容素材」や世界に誇る「美容技術」から生まれるコスメがたくさんあります。例えば「お米」もそのひとつ。本連載では、そんな「日本のコスメ」を支える素材や技術を紐解き、知っているようで知らなかった日本コスメの魅力をお伝えします。

私たち日本人の食生活に欠かせないお米。季節によって変わる気温や湿度、日照時間など、日本にはおいしく栄養豊富なお米が育つための環境が整っています。その栄養は食事だけでなく、スキンケアとして肌からも摂ることができ、美容効果が大いに期待できる素材として、いま世界中から注目を浴びています。
日本のお米と発酵技術から生まれた美容エキス
お米の持つ美容パワーは、私たち日本人でもまだまだ知らないことだらけ。お米のとぎ汁や米ぬかなど、お米を使ったお手入れというのは、アジアで最も古くから行われていたセルフ ケアだと言われています。顔や髪に美容効果を与えることも以前から知られてきました。

そんななか、香川県にある酒造メーカーが日本酒を造る杜氏が白くふっくらとした美しい手をもつことに気づき、お米の高い美容効果を期待して研究を進めました。開発に30年以上を費やし発見したのが「ライスパワー®No.11」です。聞きなれない名前ですが、これは国産米を蒸した後、発酵と熟成を90日間繰り返し、丁寧に抽出されたエキスのこと。ライスパワーエキスは「No.11」以外にも数十種類あり、それぞれ肌への作用が異なり洗浄効果があるもの、皮脂量をコントロールするものなど、お米の持つ力を細分化して抽出されています。その中でも「No.11」は、肌の保湿力を“改善できる”日本で唯一の成分として認められています。

一般的に「改善」という言葉は化粧品では使えません。しかし、「ライスパワー®No.11」は医薬部外品の効能として、唯一“水分保持能の改善”効果を認可された成分です。ここで言う「改善」とは、肌のうるおいを生み出すセラミドを増産し、肌の外側ではなく内側からうるおいを蓄える力を養ってくれるということ。これが他の成分とは大きく異なる点です。自らうるおいを生み出す肌に変えてくれるのが、ライスパワー®No.11の魅力といえます。また、発酵させているので粒子がとても細かく、各層の深部までうるおいが届くのも特長です。そんなライスパワー®No.11は、今ではコーセーの「米肌(まいはだ)」や「肌極」など、さまざまな化粧品に使われている注目の美容素材なのです。

海外からも注目が集まる日本人の“陶器肌”
「最近は特に海外のお客様からも日本米を使った商品へのお問い合わせが増え、関心が高まっているのを感じます」
そう語るのは、コーセープロビジョンのPR担当・高橋真理さん。お米の美容パワーが凝縮された「ライスパワー®No.11」は、コーセーの通販限定スキンケアブランド「米肌(まいはだ)」に使われています。高橋さんいわく、「米肌は現在日本国内のみ販売しているのですが、ここ最近で海外ユーザーからのお問い合わせが急激に増えている」そうです。
「実際にライスパワー®No.11を3か月継続使用し、セラミド量が約1.4倍になったという報告も上がっています。肌がうるおうことでターンオーバーも健やかになり、ハリが生まれ、日本人が本来もつ、キメの整った理想的な肌に近づくことができるのです」

コーセーは以前から「日本人のお肌に良いものを作りたい。古来より日本で親しまれてきたお米が一番合うのではないか」と、お米の持つ美容成分に注目してきたといいます。そんなときに出会ったのがライスパワー®No.11でした。
しかし、化粧品にそのまま利用することは決して簡単ではありません。そこにはメーカーとしての化粧品づくりのノウハウ、そして最新技術の結集が欠かせなかったといいます。
「ライスパワー®No.11は、米肌の化粧水やクリームだけでなく、固形石鹸にも入っています。本来、微量にしか液状成分を配合できない固形石鹸に、液状のライスパワー®No.11をふんだんに配合するのは大変難しく、精製するときは相応の技術が必要でした。化粧水も、よりお客様の満足感を得られるようとろみのあるテクスチャーを目指していたので、ライスパワー®No.11と他の美容成分とのバランスが難しく、配分比率のの違いで全く違う使い心地になるので、そこは研究・開発チームも大いに苦労していたようです」

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取材・文/芳賀直美