Chapter.3 宇宙にインスパイアされた斬新なデザイン![@cosme NIPPON PROJECT]

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Chapter.3 宇宙にインスパイアされた斬新なデザイン![@cosme NIPPON PROJECT]
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ニールワンの承認がおりた瞬間から、急ピッチで発売に向けた作業が始まったポーラ。製品の“顔”ともいうべきデザインを担当したのが、デザイナーの渡辺有史さんでした。

「2016年のゴールデンウィーク頃、内々にニールワンの承認がおりるかもしれないという話がありました。仮におりたとして発売が2017年1月ですから、デザイン完成まで正味1ヶ月半しかない。非常に時間がないプロジェクトでした」(渡辺さん)

(デザイン研究室 チーフデザイナーの渡辺有史さん)

実はこのリンクルショット、2012年にも1度、製品化に向けたプロジェクトが進行していたそう。「その時にベースとなるデザインは存在していたんです」と、渡辺さん。

(2012年に作成された、幻の初期デザイン)

「承認がおり、発売が本決まりになって“さて、デザインはどうするか”という話になりました。“シワ対策の医薬部外品”というポーラにとっても画期的な製品ですし、デザインも2017年にふさわしいものに作り直すべきではないかと」(渡辺さん)

この重要なミッションが、渡辺さんのチームに託されたわけです。

「そもそもショットシリーズ(*リンクルショットホワイトショット)は、お客様に“確かな実感をお約束する”という意味を込め、“契約”がコンセプトのブランドです。“お客様との契約書にサインする”イメージで、ロゴには筆記体が使われています」(渡辺さん)

リンクルショットのロゴ刷新にあたり、渡辺さんのチームは、ガリレオやアインシュタインなど、歴史上の著名人のサインを参考にしました。

(参考にした歴史上の著名人のサイン)

「もうひとつ、インスピレーションの源は“Discovery(発見)”です」と、渡辺さん。

「研究部門が行った膨大な成分の探索や、医薬部外品承認への挑戦は、まるで広大な宇宙で星を探すような作業に似ているなと。その過程のドラマや感動を表現したいと思いました。“未知なる世界への挑戦”を表現するカラーとして、はじめは宇宙の深いブルーや輝く星々のゴールド、シルバーを基調にしたデザインを考えました」(渡辺さん)

深いブルー、ゴールド、シルバーを主役とした単色のデザイン案で、初回の社内プレゼンに挑んだ渡辺さん。結果はというと…?

「反応はイマイチでしたね。“気持ちはわかるけど少々古いよ”みたいな。平たく言うと全部ボツの状態でした」(渡辺さん)

(初回プレゼン用の、単色カラーのデザイン案)

承認がおりた以上、製品の発売は決定事項! デザイン完成の期限は、容赦なく迫ってきます。「いやもう、本当にどうしようと…。ここから先は、配色もロゴも思いつくことは何でも試した感じですね。そんな試行錯誤の中で生まれたのが、ブルーとゴールドを組み合わせた2トーンのデザインです」(渡辺さん)

(最終プレゼンで提案した2トーンのデザイン案)

この2トーン案、デザイン部門内では好評だったとか。しかし、ポーラの化粧品としては、過去に例のないカラー配置。“本当にこれでいいのか”という議論の末、「中味もかつてない製品ですから、斬新なデザインに挑戦してみようということになりました」(渡辺さん)

同時進行で筆記体のロゴも、改めて検討します。

「著名人のサインを参考に、オリジナルで何百というロゴを書き起こしました。そのなかで“1周回ってやはりこれが良い”と思ったロゴが下の写真です」(渡辺さん)

(上:筆記体ロゴの初期デザイン案。下:決定したリンクルショットのロゴ)

イメージの源泉になったのは、往年の名女優グレース・ケリーのサイン。

「丸みを帯びて、愛嬌と親しみやすさがあって、そこに信頼感が生まれるのではと。サインって右利きの人が感情を込めて書くと、少々右上がりになるんですね。ロゴの配置も右肩上がりのものを加えました」(渡辺さん)。

ロゴのカラーに選んだのは、鮮やかなオレンジです。

「宇宙に関するリサーチをしていたとき、たまたま宇宙飛行士が、鮮やかなオレンジのユニフォームを着ている写真を見つけたんです。船外活動用の宇宙服は白ですが、出発と帰還のさいには、このオレンジのユニフォームを着用するそうです」(渡辺さん)

(デザインのイメージソースとして、渡辺さんが収集した資料)

「“宇宙に旅立つ時に着る色=挑戦する色”ということで、まさにリンクルショットにふさわしいのではと。ロゴだけでなく、製品の外箱にもキーカラーとしてオレンジを採用しました」(渡辺さん)

化粧品のデザインは、“見た目の美しさ”だけでなく“使いやすい”ことも重要です。「リンクルショットのボトルとキャップは、契約書にサインする“ペンとペンスタンド”をイメージしています。この形、使用後に立てかけておけるんですね」(渡辺さん)

内容物が直接肌に塗りやすいよう、チューブの先端は二股の、独自の形式を採用しています。シワを押し広げ、深い部分まで塗布しやすい先端を探すため、いくつものサンプルを試した結果、この二股形状が選ばれました。

満を持して迎えた2度目のプレゼン、社内では高評価を得ます。

「カラーやロゴを含め、“未踏の地発見、挑戦のオレンジ”というストーリーが、伝わりやすかったのだと思います」と、渡辺さん。パッケージデザインが決定して安堵する一方で、渡辺さんの中には“本当にこれでいいのか”という思いがありました。

「社内でデザインが評価されても、それがお客様にどう受け止められるかは、また別の話です。ここに至るまでに15年の苦労があったわけですから、“デザインで何かあったら責任は重大”」と、渡辺さん。発売まで不安な日々が続いたといいます。

発売直前の2016年12月30日、ポーラ本社には、カメラを携えた渡辺さんの姿がありました。「本社の社屋をリンクルショットのオレンジ色に飾った資料写真を撮りに来たんです。晦日返上で、朝から晩まで。当時はもう“リンクルショットのためなら何でもします!”っていう気持ちでしたね(笑)」(渡辺さん)

そして迎えた2017年1月1日元旦、いよいよリンクルショットは発売を迎えます。
CM や交通広告が華々しく打たれ、街中がリンクルショットで彩られました。

「僕は実家に帰省していて、新聞を開いたら一面広告がリンクルショットだった。思わず胸が熱くなりましたね。その新聞は切り抜いて、今でも取ってあります」(竹内さん)

(2017年1月1日には、主要各紙に一面広告を掲載)

「僕も正月で旅行していて、空港から電車に乗ったら、駅や電車がリンクルショット一色だった。感無量で、思わず近くにいた妻に“これ僕がやったんだよ”って。そんなこと言ったのは、研究者生活で初めてでした(笑)」(檜谷さん)

(JR山手線車両の車内広告)

1月1日には、全国の百貨店やポーラの直営店に、リンクルショットを求める行列ができました。センセーショナルなデビューから約1年半、現在までの間に累計販売数は111万本突破!延べ56万人が体験し、2017年〜2018年2月までの間にベストコスメ40冠という快挙を成し遂げます。

15年間にも及ぶ、担当者たちの熱い想いと努力が結集した、リンクルショット メディカル セラム。多くの女性に愛されベストセラーに成長した名作は、2018年からは価格を10%下げ、¥13,500(税抜)で販売されています。

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