Chapter.2 「モテマスカラ」はこうやって生まれた![@cosme NIPPON PROJECT]

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Chapter.2 「モテマスカラ」はこうやって生まれた![@cosme NIPPON PROJECT]
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「僕らは美容の知識がまったくなかったので、何をどうつくったらいいのかさえわかりませんでした。今思うと、無謀ですよね(笑)」と語るのは、もうひとりの創設者、桑島正幸さん。今村さんから“一緒にコスメブランドを立ち上げよう”と連絡を受け、転職を決めたといいます。

「どうせやるならおもしろいことをやりたいと考えていたし、“不可能を可能にする”という今村の話を聞いて、ワクワクしたんですよね。よし、やってみようと…」。とはいえ、一体何から始めたらいい?

「それまでコスメに触れたこともなかったので(笑)、まずはドラッグストアへ行って世の中にどんなコスメがあるのか、アイテムをチェックすることから始めました」(今村さん)。

数あるコスメアイテムの中からエンドミネラルの効果を一番感じづらいアイテム、つまり「みなさんの想像を超えたマスカラを製品化していこう」と決めた今村さん。

「メイクをするときに立体的なパーツといえばまつげ。マスカラはメイクアイテムの中で唯一立体的な部分で、エンドミネラルの効果を一番連想しづらいと感じました。だからこそ、つくる価値があるのかなと。ウソのようなことが本当であれば、人は感動します。僕らはマスカラづくりに挑戦することを決めました」(今村さん)。

ですが、実際のマスカラづくりは大苦戦。「そりゃそうですよ、作ったことがないんですから(笑)。基本的なつくり方を学んだ後、作ってみたのですが、マスカラ液がしゃばしゃばになってしまい、使い物にならなかった」(桑島さん)。

「失敗の連続で、いつ、完成するんだろう…」と困っていたところに知り合ったのが、マスカラ博士だといいます。

さまざまな化粧品メーカーのメイクアイテムの開発に携わってきた“マスカラ博士”は、特に、マスカラやアイライナー、ファンデーションのように、ブラシ等の道具を必要とするアイテムの開発が得意。

「エンドミネラルを使ったマスカラづくりをお願いしたとき、マスカラ博士から『正直、そこまでの効果は期待できない』と言われたことは今でも覚えています。」(今村さん)

しかし、2人はマスカラ博士にお願いすることを諦めませんでした。エンドミネラルは希少価値が高いうえ、扱いは非常に難しく、マスカラ液の開発も細心の注意が必要だったとか。

「経時変化テストをしているとき、マスカラ博士から“バルクに変化が表れた”という連絡がありました」(今村さん)。マスカラ博士の言葉でいうならば、「何らかの力が働いている」と。

(上:2011年に誕生したフローフシの初代マスカラ「もてますカラ」)

そのため、バルクを紫外線から守り、水分を蒸発させない容器の設計を一からやり直し、アルミで容器全体を包むデザインにした、といいます。

「試作品があがってきたときは驚きを超え、感動しました。しかも、ちゃんとマスカラになっていました(笑)。この試作品をまわりの人に試してもらったのですが、とても好評だったんです」(今村さん)

手応えを掴み、2011年に完成したのが「もてますカラ」。のちの「モテマスカラ」となるわけです。

創業当時から「世界に唯一無二のコスメをつくりたい」という気持ちを抱き、ようやく完成したマスカラでしたが、またもや大きな壁に突き当たります。「そこそこ売れていたのですが、この機能性があればもっと売れてもいいハズなのに」と思ったそう。

「せっかく生み出した製品を売る場所は、みんなが手に取りやすい場所にしたい。だからドラッグストアやバラエティストアなどのチャネルで販売したかったんです。でも、甘かったですね」(今村さん)

「店頭に置いてもらえるために何をすればいいのか、さえわかりませんでした。だから、まずはマスカラ片手にバラエティストアの店長さんに売り込みに行ったんです。“世界一のマスカラを持ってきました”と飛び込み営業(笑)。もちろん、門前払いを受けました」(桑島さん)

どこからも相手にされず、ECからスタートすることになったフローフシのマスカラ。大人気ブランドの“今だから語れるエピソード”として、関係者の中では逸話として話されています。

そのマスカラもクチコミ効果で徐々に売れるようになり、2011年にPLAZAに初出店。当時のエピソードを増澤木絵さん(株式会社スタイリングライフ・ホールディングス プラザスタイル カンパニー 商品二部 H&B課 課長)は、こう語ります。

「最初のコンタクトは商談ルートや方法がわからなかったため、当時ソニービルにあったPLAZA銀座店に飛び込み営業されたと当時のバイヤーから聞きました。その後、本社商品部に連絡があり、後日正式に商談をさせていただいたそうです。結果、ユニークな商品だったので導入に至りました。飛び込み営業というのは、今も昔もなかなかそのような方はいらっしゃらず(笑)、当時より開発者の方の商品に対する情熱と行動力が印象深かったですね」。

着実に売り上げを伸ばしていくフローフシですが、2人は今ある現状に満足していませんでした。

「何度かマイナーチェンジをしながら精度を高めてきたのですが、機能性が良いだけでは皆さんに愛されるコスメにはなれないと気づいたんです」(今村さん)。ここで大きな賭けに出ます。それは、マスカラの大リニューアルでした。

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