
汗くさくなる原因は、汗そのものではなく、かいた汗を放っておくこと。汗がニオイに変わるメカニズムや予防法を、医師の五味常明先生に聞きました。
A.本当です。汗そのものには、ほとんどニオイがありません

汗には「いい汗」と「悪い汗」があることをご存じでしょうか。
「いい汗」というのはほとんどが水分のサラサラとした汗のこと。「悪い汗」というのは水分以外の成分が多く含まれたベタベタとした汗のことです。
「悪い汗」に含まれる成分には雑菌などが繁殖しやすく、汗をかいてすぐニオイを感じます。
一方、かいたばかりの「いい汗」はほぼ無臭。しかし時間が経つと、私たちの肌にいる常在菌が、汗や皮脂・古い角質などを分解して雑菌が増殖することで、ニオイの原因になるんです。
つまり、雑菌が繁殖しにくい環境をキープできれば、汗のニオイは予防できます。
「いい汗」がいやなニオイに変わるメカニズム
1.汗をかく
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2.肌のうえで、汗と皮脂、古い角質、垢などが混ざる
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3.常在菌が(2)を分解して、雑菌やニオイの原因が発生する
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4.高温多湿の環境で菌が増え、汗や皮脂などが腐敗してニオイが強くなる
汗がいやなニオイに変わるのを予防するには、汗をかいたらすぐにケアするのが効果的。どんなに汗をかいても、その都度きれいに拭いて清潔な状態をキープすれば雑菌が増えることはありません。そうすれば、ニオイに悩まされることもないのです。
なかでも重点的にケアしてほしいのが、ワキや胸元。その理由は、汗の種類の違いにあります。
「エクリン腺」と「アポクリン腺」から出る汗の違い
汗を出す汗腺という器官には2つの種類があり、ひとつは全身の皮膚表面にある「エクリン腺」、そしてもうひとつがワキや乳首、陰部など特定の場所にだけ存在する「アポクリン腺」です。
エクリン腺から出る汗は、99%以上の水分と、少しのミネラルで構成されています。一方、アポクリン腺から出る汗には、たんぱく質や糖分、鉄分、アンモニア、脂性物質などといった成分が含まれています。
どちらも汗そのものは無臭ですが、アポクリン腺から出る汗は“常在菌に分解されることでニオイに変わる成分”をたくさん含んでいるため、ニオイが強くなりやすい傾向にあるんです。
そのため、アポクリン腺がある場所は、より素早くていねいにケアをする必要があります。
汗をかいたら、放置せずにすぐにケア。これを習慣にすれば、汗によるニオイの悩みをやわらげられます。
>>ニオイのない、いい汗をかくには?
監修:五味クリニック 五味常明院長

医師。昭和大学医学部を卒業後、昭和大学形成外科などで形成外科学を、多摩病院精神科などで精神医学を専攻。患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる「心療外科」の提唱者で、ワキガ・体臭・多汗治療の現場で実践。クリニックで治療を行う傍ら、著書を出版、テレビや雑誌など数多くのメディアにも出演。
かいた汗はすぐに拭き取ろう! 編集部おすすめのボディケアシート
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(@cosme編集部)