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公式に明かされている香りの調合は、インセンス、ムスク、カストリウム。
インセンスはサンダルウッド(白檀)ではなく、沈香の静謐さで、静かに押し広げるような雰囲気を醸している。
ルタンスが「浮遊するベール」と表現するのはこのことか。
そして、揺蕩うインセンスのストイックさの襞(ひだ)の狭間に潜む、ムスクとカストリウムのアニマリックな官能性。
相反するイメージがインセンスの香りの中で波のように漂うものの、ジレンマを感じるような違和感はない。
むしろ一人の人間の中に同時に存在するアンビバレントな二つの性(さが)のように、分け隔てることのできない一体感を感ずる。
「香り」でそんな精神性を意図して表しているのだとしたら、見事の一言。
いずれ霞んで消えてゆく予感を感じさせる淡い香りでありながら、何気無いモーションに合わせて、掴みとれないようなほんの一瞬だけ、けれども何度も、母の胸で憩うような安息を思わせる香りが蘇り、それが名残惜しくも心地良い。
いつかは終わる人生だと分かっているけれど、この道はまだ続く。
それは痛ましいことなのかもしれないし、喜ぶべきことなのかもしれない。
答えの出ないその狭間で揺れ動く、その状態こそが「完全」なのであるとしたら、
人間とはなんと厄介な生き物であろうか。
うんざりするほどの、けれどそれ以上でもそれ以下でもない、
「永遠」がここにあるーーーーーー
【調香】
アルデヒド、シダーウッド、フゼアアコード、クマリン(桜の葉に代表される植物の芳香成分の一種。桜餅様の芳香。)、アンバーグリス、パチョリ、インセンス、カシュメラン(ウッディ調のムスク。「カシミアのソフトな感覚」と表現される香り)
《雑感》
どこかロマンティックな香りでありながら、香料的には男性的な名前が並ぶ。
男女ともに、クミンのようなスパイス系、あるいはウッディ系の体臭の人が纏うと、体臭と見事に混ざり合い、湿度の低いドラマチックな香り立ちをする。
体臭の薄い人が纏うと、この香水のクリーンさがより一層際立ちます。
【想起する香り】
針葉樹の森、アルコール、石鹸、苔、赤い花びらのジャーマンアイリス、桜餅
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