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クチコミ13件中 11件目を表示

doggyhonzawaさん
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4購入品

2019/6/15 21:23:02

「ねえ、なんか香水つけたでしょ?」
「え?つけてないよ。今日はデートの約束だろ。君は香水いやがるじゃないか。」
「そうよ。だってああいうの、頭が痛くなるのよ。」
「うん、知ってる。あ!ちょっと!何するんだよ!?」
「じっとして。何か匂うわ。あたしわかるのよ。ちょっと動かないで!」
「そんなこと言ったって、何でシャツのボタンばずして顔をつっこむんだよ!」
「くんくん…やっぱりなんかつけてる!うっすらとだけど、ミントのようなクリームのような、土っぽいような…。この匂い、なに?」
「えっと…参ったなあ。わからないと思ったのに。」
「ちょっと!あたしの鼻は地獄鼻なのよ。さ、おっしゃい。一体何をつけてきたのよ?」
「あーもう。もういいや。わかったよ!言うよ。言いますよ。」

ぼくは頭をかきながら仕方なく話し始めた。つけてきたのはほぼ香りのしない香水、アンチパフュームとかスキンパフュームと呼ばれるフエギア1833の「ムスカラフェロジェイ」という香りだと。これはヒトフェロモンの研究から生まれた画期的な香りで、フェロモンと類似した分子構造をもつ植物から抽出した香料で作った香水であること、ただこの植物には香り分子はなく香りがしないこと。もともと南米で古くから用いられてきた催淫効果の高い植物の成分を使っていること。その分子は人の身体から出ているその人独自の匂いを吸着して引き出すという効果を持っているらしいことなどなど。

そんなことを調子に乗って話していたら、不意に彼女がぼくを冷たく見下していることに気付き、はっとして口をつぐんだ。だが、もう遅かった。

「フェロモン?催淫効果〜?へ〜、誰を誘惑したくてつけてきたわけ?ねえ?…ねえ!」
「いや、その、そんなんじゃないよ。誤解してるよ。ちょっと待って!わー、胸ぐらつかむなよ!」
「なんであたしとデートするのにフェロモンとか催淫効果高いとかそんなものつけてくるのよ!どこの女を誘惑するつもりよ!」
「違うってば!全然違うよ!これはほんとに君のためだよ、君のため!」
「はあ〜?じゃあ何?あたしを誘惑したいわけ?今さら何言ってるの?あたしたちつきあってもう2年よねー?」
「だ・か・ら!ちょっと落ち着いて聞いてよ!この香りはね、つまりね」

そこでぼくはいやな汗をかきかき説明し始めた。腰に手を置いてぷんぷん姿勢の彼女を必死で説得するように。つまりね、この「フェロモンの模倣」香水はね、女性の心を幸せにして心地よくさせるホルモン、ほらエストロゲンてあるでしょ?その女性ホルモンの分泌を促す作用があるんだって!だから女性がつければ自分のエストロゲンが分泌されてさ、多幸感ていうか、うっとりした気持ちになるみたい。でね、ぼくがつけてればそれを感じ取って自然に君がそうなるでしょ?そしたらほら、君が幸せな気分になるわけで…。

彼女は斜めにぼくを見て聞いていたが、ツンとあごをあげて言った。

「へー、そうなんだー。あたしはてっきりエストロゲンって女性を発情させるホルモンだと思ってたけど?」
「え?」
「あなたねー、女のあたしが知らないとでも?エストロゲンって言ったら女性を欲情させるホルモンじゃない!あなたやっぱり何か隠してるでしょ。今さらあたしにそんなものを使うとは思えない!」
「わー!ちょっと本当に誤解だってば!ほらそうやってさ、最近君がやたらカリカリするからさ、ちょっと効果あるかなーと思ってさ」
「何ですって!それは女の子だからいろいろあるの!いろんな周期とか!とにかく変なものつけてきた罰としてあたしにお詫びして。」
「お詫びって…。はー、なんだか変なことになっちゃったなあ。」
「自業自得でしょ。ほら、誠意ってものを見せたらどうなの?」
「誠意って…んー、ごめんよ。あやまるからさ。ね!」

そのとき、彼女がぼくをチラリと見て言った。

「んっとにもう…。ん…?あれ?なんだかあたし急に動悸が…。どうしたのかしら?」
「え?なに、具合悪いの?」
「あ、なんだか急に心臓がドキドキして…。」
「え?大丈夫?そのへん座る?」
「あ、もうだめ。ちょっと支えて!」

そう言うなり、彼女は身体をゆっくりと預けてきた。その瞬間、ぼくの口が彼女の唇でふさがれた。

「!?」
「…やられたわ。そのムスカラなんとかって香水に。変な気分になっちゃった!」

「嘘だ!」そう言おうとしたけどやめた。彼女がぼくの腰に手を回して、悪戯っぽく笑っていたから。

だからぼくもにっこり笑い返した。ムスカラフェロジェイの香りはしなかった。ただ、抱き寄せた彼女の柔らかな髪の香りが、まるで仕返しのようにぼくを誘惑していた。

  • フェロモン by doggyhonzawaさん
  • ムスカラフェロジェイ by doggyhonzawaさん
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