- クチコミ 13件
- 注目人数 人
- 購入者のクチコミで絞り込む
クチコミ
シトラスの香りが好きだ。
特にオレンジは、爽やかさで、みずみずしくて、ジュースのような甘さやフレッシュな酸味もあり、何より美味しそうで、そして気持ちが良い。
ニッチフレグランス界の大御所として個人的に敬愛するフレデリック・マルが提示した「ビガラード コンサントレ(2002年)」は、オレンジの軽やかさや透明感、フレッシュ感に加え、皮を剥いた時の鼻を刺す苦みまで再現した、究極のオレンジの香りに仕上げられている。
調香は前エルメスの専属調香師ジャン=クロード・エレナ。
フレデリック・マルでのジャン=クロード・エレナの作品は、非常にパンチを効かせた香りが多く、エルメスでの淡い印象の作風とは全く異なっている。
トップはシトラス・スパイシー。
スプレーすると濃厚なみずみずしいオレンジと、クミンやブラックペッパーなど過剰なスパイスで味付けしたような香り。かなりスパイシーを効かせた、ゴリッと苦いオレンジに、うっすらとペチグレンの乾いたグリーンも香ってくる。
ミドルはグリーン・スパイシー。
オレンジのみずみずしさは一気に淡くなり、入れ替わるように果皮の苦味が増していく。この苦みが非常に男っぽい。でも、わずかにローズオイルが香ることで、明るさとフレグランスらしいを複雑さを与えている。
ベースはグリーン・ウッディ。
ペチグレンの残香や、苦味の骨格となっていたセダーウッドに、干草のような燻したカルダモンの苦味と、オレンジのもったりとした甘さ。そして、このビター感が抜けるいくと、みかんの甘皮のような香りが最後まで続く。
持続時間は、フレッシュなビターオレンジが30分程度、強い苦みに引っ張られたオレンジが3時間程度、みかんの甘皮のような仄かに甘苦い香りは5時間以上持続する。
すごいのは終始オレンジらしい香りが消えないことで、分子蒸留することで実現したビターオレンジのエッセンスを加えたからかもしれない。
そして、オレンジという素材を、オレンジコロンやフゼアやウッディなどのいわゆるフレグランスらしい香りに持って行かずに、最初から最後までオレンジの皮の香りと完結しているため、オレンジ好きにたまらない逸品ではと感じる。
でも、それにしても苦い。特にクミンが相当効いていて、あと半歩で苦いわき汗臭?がオレンジのに勝ってしまうくらい攻め込んでいるため、毎回、使う時に一瞬躊躇してしまうほど。
オレンジオイルの過剰使用と、分子蒸留エッセンスに自信があったらこそ、ここまで苦みを追求できたような、非常にフレデリック・マルらしい香りだと思う。
- 使用した商品
- 現品
- 購入品
この商品を高評価している人のオススメ商品をCheck!
戻る
次へ
フレデリック マルについて
メーカー関係者の皆様へ
より多くの方に商品やブランドの魅力を伝えるために、情報掲載を希望されるメーカー様はぜひこちらをご覧ください。詳細はこちら