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クチコミ
自称フレグランスジプシーにとって、自分自身に合った最高のローズの香りと巡り会うことは、この旅の大きな目的の一つだ。
そしてローズバルバルに出逢ったことで、長かったローズ探しの旅を終わりにすることに決めた、、、。
野蛮なローズと題されたこのフレグランスは、2005年にあのフランシス・クルジャンによって創り出された香りだ。
トップはローズ-アルデハイド。まずダマスクローズアブソリュートのフレッシュなローズの香りがツーンと鼻に刺す。すぐにアルデハイドのごちゃごちゃした酸味が加わり、ローズの刺すような鋭さを、強引にクラシカルなフレグランスとしてまとめたような佇まい。
ミドルはローズ-スパイシー。軽いところは酸味のあるローズを漂わせながら、奥からはピリッとスパイスを効かせたローズが香る。ピラミッドにはフェヌグリークとある。言われてみると確かにカレーのスパイスのような香りだ。そこから徐々にナエマを思わせるハニーローズの甘さが増してくるものの、アンバーグリスとオリナバムを合わせたような酸味、そしてアニマリックな深みを効かせた、埃っぽいローズの香り。
シプレ-ウッディ。ピーチのような甘さが加わったハニーローズと、奥からは湿ったウッディノート。トップから顔を出していた、酸味やアニマリックな香りが、ここまで進むと、ディオールのオーソバージュのような、非常に男性的なシプレだとはっきり分かる。
クラシカルなローズからスパイシーなローズまでが1時間くらい、そこから一気に甘さを増したローズまでが3時間くらい、ローズとシプレが少しずつ逆転していく。持続時間は6時間くらい。
単純にローズ単体で評価するのであれば、同じゲランのローズの中でも、このローズバルバルは3番手の香りだと思う。ナエマのパルファム(廃盤)が1番、中東三部作レ デーゼル ドリオンのローズ ナクレ デュ デゼール(日本廃盤)が2番。
ゲランのもっとも素晴らしいローズと称されたナエマは、上品な女性の艶っぽいさを感じる香りなので、ムエットで香りを嗅ぐだけで、うっとりとした満ち足りた気分になる。
ローズナクレは、サフラン、ウード、パチョリが脇役に徹することで、まるで女優のような華やかなローズの香りに酔いしれることができる。
一方ローズバルバルは、刺すような鋭いローズを古くさいアルデハイドでぼやかし、甘いローズを男性的なシプレで濁らせたような香り。
ローズナクレのような中東色の強いローズと、ナエマのようなとろけるローズの甘さを漂わせながら、まさに「男性を魅了するとともに、男性にもまとっていただける香り」に仕上げられたシプレローズの傑作だと感じる。
いにしえより、ローズは女性のための香りだった。
ローズの耀かしさがはっきりと映る香りを使うことへの気恥ずかしさがあった。
しかし、これからは躊躇することなく、ローズの香りを楽しめる。
自分自身に合った最高のローズの香り、ローズバルバルを片手に。
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