更年期障害
2015/10/28

更年期障害には漢方治療か女性ホルモン療法か? どっちが効果的?

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Photo / Takayuki Abe Styling / Makiko Suzuishi

女性ホルモン(エストロゲン)量の低下により、さまざまな症状が現れるのが更年期障害。とくにホットフラッシュやのぼせ、肌老化の予防に効果があると、ホルモン補充療法を選択する女性が増えています。ただ、副作用もあることから二の足を踏む方も多いのも現状。漢方治療も行っている「芝大門いまづクリニック」の今津嘉宏先生に、漢方治療とホルモン療法の違いについて聞いてみます。

漢方薬は薬。漢方治療も即効性はあるし、副作用もあります。

「ホルモン補充療法も、漢方も薬の種類が違うだけで、薬剤を用いることにはかわりません。ホルモン補充はケミカルだからダメ、漢方治療は緩やかにしか効果がでないからダメと決めつけてしまう医師は、両方の良さを知らないのでしょう」

漢方治療は「即効性ない」と思っていませんか?

漢方は緩やかにしか効果が出ない。副作用がないけれど、効果もじわりじわりとしか出ないと思っている女性は多いと思うのですが、違うのでしょうか?

「ケミカルな薬は即効性があって、漢方治療は即効性がないと思われている方はたくさんいらっしゃいますね。でも、それは大間違い。漢方も薬です。副作用もありますし、即効性もあります。じわりと効果が出ると信じて、長期間に渡り効果のない漢方薬を飲んでいるのも間違いなんです」

漢方も薬。だとすると、ホルモン補充療法と漢方治療の選択は「身体に優しそう」といったイメージで決めるものではないんですね。

「どれも薬なので、きちんとした効果があるものを選択し処方します。副作用があるものは、それを考慮して、その人が使える薬を選択する必要がありますね。卵巣がんや乳がんの経験がある方にはホルモン補充療法は使えません。更年期障害に用いられる漢方薬は、女性ホルモン作用がなく、症状を改善するので、癌の経験がある人も使えることが分かっています。そういった薬理効果をきちんと把握して、処方してもらうことが最も大切ですし、受ける側も副作用のことなどを聞く習慣をつけておくと良いと思います」

ホルモン補充療法と漢方治療は どのように使い分ける?

今津先生は、ホルモン剤と漢方薬をどのように処方されるのでしょうか?

「僕は、両方に利点があると思っているので、少量のホルモン補充をしながら、漢方治療で不調を改善したりもします。もちろん、その方の症状や体質に合わせて処方するので、使う漢方薬は複数ありますが……。漢方薬は症状が治まったら出しません。だいたい2週間を目処にしています。症状が改善したら飲まなくて良いし、改善しない場合は違う漢方薬を処方します」

漢方薬は2週間でやめるか、処方を替えるのですか?

「改善しないのは、薬があっていないからです。なので、あなたにより合った処方に切り替えていく。最初に出した漢方薬にプラスすることもありますし、薬を替えることもあります」

西洋医学と漢方医学の違いとは?

その人に合った処方があるのが漢方医学なのでしょうか?

「簡単にいうと、西洋医学は、症状を改善する薬や治療法が主体です。西洋医学は今ある症状を和らげる、治すのが目的です。漢方医学は、根本からの治癒を目指します。今ある症状だけでなく、症状の背景もすべてまとめて治していきます。風邪を引きやすい、寒さに弱い、月経痛が酷い、甘いものが好きといった生活の中で感じていることも一緒に診るんですね。そうすると、何が今の症状と関連していて、足を引っ張っているのかが見えてきます。たとえば腹痛で受診された方でも、痛み止めを処方するのではなく、「冷え」による腹痛であれば、根本原因にあるから、そこである「冷え」を改善する漢方薬をまず処方しましょうといった具合ですね」

症状が出ている原因は、女性ホルモン量の低下以外にも、別にあるということですか?

「西洋医学的に考えると、女性ホルモン量が正常範囲内にあれば、症状があっても更年期障害ではないと診断されます。からだの状態が正常でも、逆に検査値が正常範囲から出て、低い数値だと更年期障害と診断されて、ホルモン補充をしましょうとなる。でも、検査の数値の正常値は何千人の検査結果の平均値であって、その人にとって低いのか、通常なのか? は分からない。もしかしたら、数値が低い状態があなたにとっては通常の状態かもしれませんよね。漢方医学では、症状にスポットを当てて、その症状が出ている原因を探ります。原因を探るのに時間が必要な場合もあるので、何回か診察させて頂くうちに漢方薬を替えることがあるんですね」

漢方医学の診たてで、西洋医学の薬を使ったり、漢方薬を使ったりするのでしょうか?

「僕の場合は、癌検診やエコーといった、必要な検査もしっかり受けてもらいます。さらに、漢方医学で大切にしている生活習慣に関する質問、食事に関することも多数するので、診たても西洋医学と漢方医学を取り入れ多面的に診ますし、処方も多面的なんですね」

更年期障害の相談なら、漢方を使える婦人科医に相談を

先生のように、いろんな面から診て、処方して貰える医師はどのように探したら良いのでしょうか?

「更年期障害であれば、まず婦人科で漢方薬を使える医師を探すといいでしょう。日本東洋医学会(http://www.jsom.or.jp/)という学会に所属している医師の一覧がサイトに出ていますので、そこに所属している医師であれば、西洋と漢方の両面からアプローチしてくれます」

漢方が処方できるだけでなく、婦人科医であることも重要ですか?

「漢方医や漢方薬局の先生は、漢方のプロですが、婦人科のプロではないんですね。内科で漢方を使えても、婦人科のプロではない。なので、更年期障害の治療で漢方も混ぜて考えたい場合は双方のバランスがとれた婦人科で漢方医を探すのがベストです」

芝大門 いまづクリニック
今津 嘉宏先生

西洋医学と漢方医学、栄養療法を組み合わせ「頭のてっぺんから足の先まで」を合い言葉に診療を続ける。外傷治療にはじまり、食道癌の内視鏡治療や手術、抗がん剤治療、放射線治療など様々な癌治療に携わる。また、生活習慣病の診療、女性の漢方外来なども行い、多面的な診察、治療が行える希有な医師。近著には「115歳が見えてくる、ちょい足し健康法」(ワニブックスPLUS新書)がある。

取材・文 坂本真理

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