ヘルスケア
2016/03/03

サプリも薬も不要! 女性ホルモンアップ方法

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Photo / Takayuki Abe Styling / Makiko Suzuishi

「エストロゲンをただ増やしてもダメ!」 そんな衝撃的なメッセージが目を引く著書『キレイの秘訣は女性ホルモン』を上梓された産婦人科医の丸田佳奈先生。臨床の現場で様々な患者さんと触れる中で、女性ホルモンにまつわる勘違いに戸惑うことも多く、そんな女性たちに女性ホルモンとの正しいつき合い方を伝えたい!という思いから本にまとめたそう。そんな丸田先生に、「エストロゲンをただ増やしてもダメ!」という発言の真相と、女性ホルモンアップ方法を教えていただきました。

「女性ホルモンを増やす」とは正常値に戻すこと

「女性ホルモンは30歳がピークといわれていて、40歳に向けてゆるやかに低下し、更年期を迎えると急激に低下します。すると、皆さん“女性じゃなくなってしまう”という意識がでてくるようで、また更年期障害のような症状がでてくると“自分が終わってしまう”という不安を感じる人もいるようです」

「でも閉経は自然な流れなので、それに逆らって女性ホルモンを増やしてしまうと、身体にとって悪いことも起きてしまうのです。日常生活に支障をきたすような辛い症状がないのであれば、女性ホルモン剤を使って増やすということは考えないでほしいと思います。誰でも、その年齢にあったホルモン値があります。でも、不摂生な生活をしていると、本来あるべきホルモン値が低くなっていることも。それを、薬という手段で補うのではなく、本来あるべき正常値に戻すことはできるのです。私はそういう意味で、女性ホルモンアップ方法をお伝えしたいと思います」

無月経=女性ホルモンが出ていない状態

先生の著書では、より理想的な女性ホルモンの身体にするための方法を、1日単位、1週間単位、1カ月単位で細かく紹介されていますが、忙しい生活の中ですべてを実践するのはなかなか難しそう。そこで、先生が考える、最も効果的な方法をいくつか教えていただきました。

「女性ホルモンがちゃんと出ている状態の逆を考えてみると、本来ホルモンがしっかり出ているはずの若い方が、どういうことをすると無月経(=女性ホルモンが正常に出ない状態)になってしまうかを考えるといいと思います」

<女性ホルモンが正常に出なくなる原因>
1 ストレス
2 体重(痩せ過ぎ、太り過ぎ)
3 不規則な生活
4 睡眠の乱れ
5 運動不足
6 食事

「まず月経が止まってしまう理由の圧倒的に1番はストレス。2番目は体重、BMI値が22から離れれば離れるほど、太っていてもやせていても生理が止まってしまいます。3番目は生活時間の乱れ。生活時間がバラバラだと、女性ホルモン以外の日内変動がある各種ホルモンが狂い、女性ホルモンにも悪影響を与えます。あとは睡眠、運動、食事。食事は極端なダイエットなどしなければ生理不順にはなりませんので、神経質になる必要はありません」

女性ホルモンを増やすなら、ストレスを減らす!

太り過ぎでも生理が止まるというのは、初耳です。

「太りすぎると、エストロゲン過多になって、無月経にはなりませんが生理不順が起こるんです。不正出血があったり、成長ホルモンなども狂います。エストロゲンは脂肪からも作られるので、太っている人はがんになりやすいというのは、エストロゲン過多のせいなんです。皮下脂肪からエストロゲンが作られるので、脂肪が多いほどエストロゲン過多気味なんです」

女性ホルモンを狂わせる原因の1位、ストレスを減らせば女性ホルモンが増える可能性があるのですか?

「はい、ストレスによって狂っていたホルモンのバランスが整う可能性はあります。仕事をしていて、一日のリズムが決められてしまう方は、睡眠、運動、食事を変えるのは難しいんですよね。その点、ストレスはためないというのは難しいかもしれませんが、解消する方法はありますよね。ためない努力と、たまったものを解消するという2段階でストレスを減らすことは可能です」

更年期はストレスを感じやすい年代だから自分を甘やかして

「更年期障害がでやすいのは、もともとストレスを抱えやすいタイプが多いですね。さらにこの時期は、子育てが終わって自分の生き甲斐をすぐに見つけられない人も多い。夫との関係性も新婚の頃とは変わっていて、夫婦単位で生活するというより、自分ひとりという単位になって、心にぽっかり穴があいて、落ち込みやすくなっています。それをうまく調節して、生き甲斐のある生活をしていくのが、ストレス解消につながります」

「小さなことでも自分が好きなことってあると思うんです。食べるのが好きなら、量を調整しながらいろんなところに出かけて食べ歩くとか、趣味というほどのレベルにしなくても、自分が“あ〜楽だな、楽しいな”と思う時間をできるだけ長くとることをおすすめしています」

「とにかく自分に甘い生活にしてみてください。がんばらなきゃいけない、と思うからストレスを感じてしまうので、時間に余裕をもって、やらなくていいことは全部やらない。旦那さんが理解がある人なら、時にはごはんを作るのをやめて外食にさせてもらうとか、介護で大変なら、ヘルプを頼むとか、すると今までたまっていたストレスが解消されるし、これからのストレスが少なくなります。すると皆さん更年期障害の症状も安定しますね」

「とにかく、いろんなことを諦めないでほしいと思います。調子が悪いのは女性ホルモンが下降しているせいだから仕方ない、と思わない。女性ホルモンが下がる曲線は、工夫次第でゆるやかにできますし、ゆるやかになるということは女性ホルモンが復活するということなので、不調や外見も良くなる可能性はあるんです」

女性ホルモンが減少してしまう理由はさまざまですが、これまで述べてきたように、ストレスが大きく関係しています。
脳が卵巣に信号を送って、女性ホルモンの分泌を促しているわけですが、ストレスがかかると交感神経が過度に刺激され、体が緊張し、血行障害を起こしやすくします。すると酸素の配給も滞らせてしまうため、ホルモン分泌を促す指令がうまくなされなくなります。
つまり、ホルモン分泌を促す司令塔である脳にとっては、ストレスは大敵なのです。

そのため、ストレスを減らすことはとても重要です。また、卵巣を元気に保っていくためには「血液の循環」がカギとなります。先に述べたように、ストレスによって血液循環がよくない状態になるので、卵巣にも影響が及びます。卵巣が元気ならば、更年期になる時期も遅らせられ、さらに若々しさを保つことにつながります。

バスタイムでリラックス

毎日のお風呂でリラックスするように心がけるのはとてもおすすめ。
お風呂につかり体を温めることで血液循環がよくなり、脳からホルモン分泌を促す指令がスムーズに行えるようになります。そして卵巣にも酸素や栄養が届くようになります。また、リラックスすることで自律神経が整い、女性ホルモンのバランスも整います。副交感神経が優位になることで、細胞の活性化や免疫力のアップなどの効果も。お風呂でリラックスはとても効果のあるものです。

女性ホルモンアップに有効なアロマやハーブ

よい香りにはリラックス効果があります。匂いはホルモンを調整する視床下部に伝わり、心身に影響を与えます。

◆ローズ

女性ホルモンのバランスを整えてくれる効果が。子宮内膜を強くし、不妊治療にも効果的。また、血行を良くし、炎症を抑える効果があるため、生理前のむくみや下腹部の痛みの改善にも。そして、自律神経にもはたらきかける作用や、アンチエイジングに効果もがあります。ハーブティーとして飲む場合は単体でとるよりも、他のハーブと一緒に取り入れることで、より良い効果をもたらしてくれます。

◆ネロリ

ビターオレンジの花から抽出される「ネロリ」。更年期障害や月経前症候群(PMS)の症状を緩和してくれると言われています。新陳代謝を高める作用もあるので、美容効果も期待できます。また、交感神経を鎮めるはたらきもあり、夜に寝付けない時には非常に有効な精油。ストレスを軽減させたり、不安を軽くしてくれる効果も。

◆クラリセージ

ほんのり甘い、ナッツのような、草木の香りが楽しめます。「エストロゲン」に似た構造を持つ成分が含まれており、更年期障害の緩和や月経不順など婦人科系のトラブルに有効。免疫力を高めてくれるので、病気の後にもおすすめ。

◆イランイラン

フローラルの香りで、嗅ぐことによってリラックス効果があります。心を落ち着かせ、リラックスするとともに、精神を高揚させ、楽しさや喜びの感情をもたらします。また、女性ホルモンの調整や、生殖系の不調改善にも効果的。

◆ゼラニウム

緊張緩和や自律神経の調整をする作用があり、不安な気持ちや気持ちを落ち着かせてくれます。リラックスした気分になり、気持ちを高揚させ、ポジティブにするといった効果も期待できます。生理痛にも有効で、女性ホルモンを調整してくれるはたらきも。

◆ジャーマンカモミール

古くから婦人科、女性特有の症状の治療に用いられてきたハーブ。リラクゼーションを促し、不安や恐怖、緊張などマイナスの感情を和らげる効果があります。ストレスから心を開放して安定した精神状態へと導いてくれます。筋肉を落ち着かせてくれ、胃痛や生理痛などにも有効。また、不眠解消、安眠効果があり、睡眠のサポートとしても用いられます。ハーブティーとしても飲みやすいのでおすすめ。

体を冷やさない

血行の鈍りは女性ホルモンに影響します。血行をスムーズにするために体を温めることが大切です。特に足先は心臓から一番遠く、冷えやすいので足先を温めることが重要です。足湯や半身浴を取り入れてみては。また、普段の生活から体を冷やさないよう心がけてください。体を締め付けるものは血行を鈍くして、冷えやすくするので、ガードルやハイヒールもできれば避けたいもの。身に着けた日は、その日の夜に念入りなストレッチやマッサージで滞った血行をほぐしてあげましょう。

そして、普段何気なく飲んでいるものにも目を向けてみてください。温かい飲み物を飲む方がもちろんいいのですが、ホットコーヒーも実は体を冷やしてしまう作用が。紅茶などの発酵茶は体を温める効果のある飲み物とされています。また、ココアにも体を温め、エネルギーを与えてくれる作用があります。生姜も体を温めるのに最適です。すりおろして紅茶やスープ、味噌汁などの料理に少量ずつ入れると、継続して手軽に体内に取り込めます。生姜湯もいいですね。

コーヒーや緑茶に含まれるカフェインは、交感神経を刺激する作用があるので、とりすぎるとかえって体に負担が。女性ホルモンの分泌にも影響が出てしまいます。

女性ホルモン過多で起こる問題も

薬に頼らず女性ホルモンを増やす方法はわかりましたが、薬などで女性ホルモンを増やすことの、デメリットはあるのですか?

「エストロゲンが高いといいことばかりではないんです。自分の本来の数値より高ければ高いほど、不調を生じることもあります。女性ホルモンの過剰投与は子宮がんや乳がんのリスク以外にもイライラしたり、攻撃的になるといった報告もあります。高プロゲステロン高エストロゲンの状態は、生理前と同じような状態なので、月経前症候群(PMS)に似た症状になることも」

「女性ホルモン補充によってミクロのレベルでは肌の水分量が増えたり、ウエストのくびれができたりといった変化はあるかもしれませんが、リスクもあるということをきちんと理解したうえで、判断していただきたいと思います。女性の美しさは、女性ホルモン量だけで計られるものではないということを忘れずに」

サプリメントや女性ホルモン剤に頼る前に、まずは自分を甘やかしてストレスを軽減してみる。簡単に自分自身でできる女性ホルモンアップ方法、試してみてはいかがでしょうか?

『キレイの秘密は女性ホルモン』本体価格  ¥1,200 丸田佳奈著(小学館)

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丸田佳奈
産婦人科医、モデル、タレント。 日本大学医学部医学科卒業後、産婦人科専門医に。2007年「ミス日本」。 現役の産婦人科医としてテレビや雑誌等のメディアを通じ、医療サイドからの情報を発信。著書に『間違いだらけの産活』(学研パブリッシング)『キレイの秘訣は女性ホルモン』(小学館)がある。 http://ameblo.jp/maruta-kana/

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