ヘルスケア
2016/06/03

更年期障害の治療にプラセンタは効くの?

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ホットフラッシュ、疲れる、冷える、肩こり、頭痛、イライラ…など、さまざまな症状が現れては変わる、更年期障害。その治療には、ホルモン補充療法(HRT)、漢方薬が主流ですが、プラセンタ治療がどうなのか、気になっている人は多いですね。事実、ホルモン補充療法(HRT)、漢方薬、プラセンタが更年期障害の3大治療といってもいいでしょう。「更年期障害にプラセンタは効くの?」「どのように使われているの?」などの疑問、不安に、更年期治療を行っている今井愛先生(麻布十番 まなみウィメンズクリニック院長)に伺いました。

文/増田美加 女性医療ジャーナリスト

プラセンタとは何ですか?

プラセンタには、美肌、血流促進、血圧調整、腰痛回復、疲労回復、ホルモンバランスの調整など、女性だけでなく、男性にもうれしい効き目がたくさんあると言われています。
更年期障害にはもちろん、PMS(月経前症候群)、冷え、疲労など、女性の不調にプラセンタは使われています」と今井愛先生。

プラセンタとは、胎盤から抽出された成分で、生命を誕生させるために必要な栄養素が豊富。
たんぱく質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルの五大栄養素をはじめ、そのほか多くの栄養素が含まれています。

体内に直接、摂り入れることによって、全身の細胞が活性化され、若返りの効果も期待できるという女性にとってうれしい成分ですね。
日本では約50年前から、更年期障害や肝臓の治療に使われてきています。

プラセンタにはどんな効果がありますか?

「その昔、クレオパトラや楊貴妃も美貌を保つために愛用していたとも伝えられています。プラセンタは各種アミノ酸やミネラル・ビタミンのほか、胎児を成長させるための“細胞増殖因子(Growth Factor)”を含んでいて、特に、その細胞増殖因子の働きで細胞を活性化、新陳代謝を促進して免疫力・自己治癒力を高めます。
そのため、疲労回復・肩こり・腰痛・関節痛・月経痛・不眠などに効果を持ち、最近は美白や若返り、アトピーやアレルギーに対する効果も注目を浴びています」と今井先生。

プラセンタのおもな作用をまとめると、次のようになります。

・ホルモン分泌を調整する
・免疫力を高め、その働きを正常に保つ
・基礎代謝を活発にして、細胞や臓器などの働きを高める
・炎症を抑える
・肝臓の働きをよくして、解毒作用を高める
・活性酸素による酸化を防ぐ
・血液の循環を改善する

中でも、内分泌系を調整する作用、自律神経を調整する作用があるため、更年期の症状をやわらげる効果があります。また、ホルモン補充療法(HRT)が行えない人には、更年期障害の治療の選択肢が広がります。

どのように治療するのですか?

「更年期障害の治療で使うプラセンタは、基本、注射です。注射剤は、ヒト由来のプラセンタを原料にしていて、病院で医師のみが扱える治療法です」と今井先生。

 プラセンタ注射は、“更年期障害の治療”であれば、健康保険が使えます。ただし、医療機関によっては、自由診療で行っているところもありますから、事前にチェックしましょう。

プラセンタ注射は、病気の疾患名や症状によって、保険適用か否かが異なります。
 たとえば、いわゆる美容医療を行っている美容皮膚科や美容外科などでも、プラセンタ注射は行われています。けれども、美容目的では健康保険は使えません。また、美容クリニックは自由診療で行っているところが多いので、更年期障害の治療が目的であれば、婦人科クリニックを受診するほうがいいのではないでしょうか。

更年期治療に使われるプラセンタの種類と費用は?

更年期治療で使われるプラセンタには、「メルスモン」という注射があります。保険が適用されるのは、メルスモンは1回1本(アンプル)(1本2㎖)までです。2本(アンプル)を超える場合は、自由診療になります。

「更年期障害の方は、保険の適応となりますので、3割負担の方は1アンプルを保険で行う場合、ご本人負担は500円位です」(今井先生)。

ちなみに、プラセンタには、もう一種類あって、肝機能障害の治療では「ラエンネック」が健康保険の適用になっています。

現状、自由診療であれば更年期障害の治療に「ラエンネック」を使っている医療機関もあります。ただし、「ラエンネック」は保険が適用できませんので、自由診療になります。どちらを選ぶかは医師と相談することをおすすめします。

プラセンタ治療は、注射? それともサプリ?

「クリニックで行う、更年期障害の治療に対するプラセンタ注射ですが、その治療の頻度は、その人の症状によって異なります。週1~2回の間隔で注射する方もいます。患者さんによっては、2週間~1か月に1回でよい場合もあります」と今井先生。

注射は、5分程度と短い時間で行えます。直接、皮下にプラセンタを注射するので、無駄なく、効率的に体内に取り込むことができます。


「また、サプリメントも、実際効果的です。注射の場合は、通院して毎日打つことは難しいですが、サプリメントは毎日飲むことができるので、週1回打つだけなら毎日内服したほうが、プラセンタの吸収率はより高いと言われています。けれども、サプリメントは高価(大体ひと月10,000円~15,000円)ですし、また種類によっても効果が異なりますので、通院可能な方はやはり注射の方がよいでしょう」と今井先生

サプリメントは、通院しづらい人、長期の出張や旅行に出かける人、より効果を高めたい人などは、使ってもいいかもしれません。毎日服用することによって、効果を感じやすくなります。

また、市販のサプリメントを選ぶ場合は、成分表示に着目することが重要です。プラセンタエキスに含まれる有効成分の種類や量は、原料となるプラセンタの由来(馬なのか、ブタなのか)やその抽出方法で大きく違いがあります。また、プラセンタエキスの安全対策もメーカーにより異なります。安全性の目安は、原料となるプラセンタの採取方法と製造過程にポイントがありますので、製品の注意書きや、メーカーに問い合わせるなどして、できるだけ安全性の高いプラセンタエキスを選択することが大切です。また、市販のものには、ヒト由来のものはなく、医療機関のみに認められています。

プラセンタの安全性は?

プラセンタ治療による副作用を気にする人もいますが、1956年に国に認可されて以来、大きな副作用はこれまで報告されていません。ただし、たんぱくアミノ酸製剤であることから、投与によってショックを起こす恐れがないとは言えないため、アレルギーの可能性がある人は注意が必要です。

 今井先生は、
プラセンタの注射は、50年以上も医療の現場で使用されているので、これまで注射した部分が腫れたり痛かったりする以外、重大な副作用は報告されていません。このような腫れや痛みも1~2日程度で自然に消失します。副作用についての心配は、ほとんどないと言ってよいでしょう」と話します。

また、ある臨床研究で、更年期障害患者31名を対象に、「メルスモン」1回1アンプル(2ml)を週3回、投与。それを2週間継続して、合計6回の注射による投与を行ったところ、効果があったとする患者が24名(有効率77.4%)いました。この結果は、更年期障害に、高い効果を示したと言えるでしょう。

投与するプラセンタの量を増やしたり、減らしたりは、医師と相談しながら決めるといいと思います。

また、プラセンタ治療は、ホルモン補充療法や漢方薬など、ほかの更年期障害の治療と併用して使うことができることも、メリットのひとつです。
ぜひ、婦人科の医師と相談して、自分らしい更年期治療を行ってください。

お話を伺ったのは…今井 愛先生

「麻布十番まなみウィメンズクリニック」院長
いまいまなみ/産婦人科医。医学博士。北里大学医学部卒業。イタリアナポリ大学留学を経て、北里大学産婦人科学専任講師、東京逓信病院ほかに勤務。2010年より現職。生理痛、生理不順、PMSほか、生理の悩みに丁寧に応えてくれる。

麻布十番まなみウィメンズクリニック
東京都港区麻布十番1-5-19 ラトリエ・メモワールビル2F
☎03-3405-0928 http://www.azabuwomens-cl.com
婦人科一般外来、ホルモン検査、不妊相談、PMS(月経前症候群)外来、OCピル外来、HPVワクチン、婦人科検診、子宮頸がん検診ほかを行う。

女性医療ジャーナリスト
増田 美加さん
女性の健康情報&患者視点に立った医療情報について執筆、講演を行う。女性誌やWEBでヘルスケアやアンチエイジングの連載を行うほか、テレビ、ラジオにも出演。乳がんサバイバーでもあり、がんの啓発活動を行う。NPO…

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