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寒くなると気になってくるのが“冷え性”。冬に「寒い」のは当たり前ですが、「寒い」ことと「冷える」ことは別。ましてやその冷えが、頭痛や肩こり、肌荒れや乾燥肌、便秘や肥満、不眠、疲労、気分の落ち込みなどの不快な症状を伴っているのなら、それはもう立派な病気。

しかも体が冷えて代謝も落ちると、脂肪を溜め込みやすくなり、血液やリンパの流れも停滞して、太りやすく痩せにくい体になってしまいます。冷えはダイエットの大敵なのです。

生姜や唐辛子をたっぷり使った鍋を食べたり、新発売のぽかぽかインナーを使ったりと、みなさんいろんな対策をとっていると思います。でも、その冷え性、ちゃんと良くなっていますか?

体を温める食べ物として代表的な生姜ですが、使い方によっては、なんと体を冷やしてしまうことも。実は、手足の冷えには末端に血液を行きわたらせる生姜の使い方、体の芯の冷えには強力に温性を強める生姜の使い方があるのです。

冷え性対策はお灸やマッサージ、運動やお風呂の入り方、服の素材の選び方や重ね方など、さまざまな方法があります。

今回はそのなかで、多くの人が勘違いしている“食べ物で体を温める”方法、とくに生姜の使い方について解説します。

付け焼き刃の対策ではなく、冷え性の治療はちゃんと知識をもって取り組むこと。今年こそは冷えを克服して、冬でも脂肪の燃えやすいぽかぽかの体を作りましょう。

生姜は体を冷やすってホント?

体を温める食べ物の代表が「生姜」。チューブタイプの生姜を紅茶に入れたり、ココアに入れたり、お味噌汁に入れたり、お刺身に使ったりと、とにかくなんでも生姜を入れる!という、生姜ファンも多いようです。

「生姜を食べるとすぐに体がぽかぽかしてくる」「たっぷり生姜をとると、体が汗ばんでくる」と、即効性を感じられるため、“体を温める”と思いがちな生姜ですが、それで“冷え性が治った”という人はあまり多くないのではないでしょうか?

実は生姜の作用は“体の表面にある冷えを散らして追い出す”こと。“体を芯から温める”力はほとんどありません。

だから、寒い時に一瞬は温かくなるのですが、冷え性を根本的に治すことはできないのです。

ちょっと分かりにくいかもしれませんね。きちんと理解するために、ここで漢方薬としての生姜について、少しくわしく解説します。

漢方薬としての生姜

薬味やスパイスとして使われている食材の中には、生薬(しょうやく)として漢方薬に使われているものがたくさんあります。

生姜もそのひとつ。食べ物として使う場合は“しょうが”と呼びますが、生薬として使われるときには“しょうきょう”と呼ばれています。

生姜を漢方的にみると

生姜(しょうきょう)
性質:微温/辛
効能:発汗、健胃、殺菌解毒、鎮嘔

ということで、冷え性と関連するポイントは「体を軽く温めて発汗させる」という点。

冷え対策ドリンク「生姜湯」

「生姜湯」は昔ながらの冷え対策&かぜ予防ドリンク。ちょっと寒気がしてかぜをひきそうだな、と思ったときに飲むと体がすぐにぽかぽかしてきます。基本のレシピは「生姜+黒砂糖」。すりおろし生姜に黒砂糖を加え、熱いお湯をそそぎます。
最近は黒砂糖ではなく、ハチミツを使ったレシピも出ていますが、体を温めるためには、黒砂糖が効果的。水溶き片栗粉を加えて小鍋で煮ると、とろみがついて冷めにくくなり、最後まで熱々を飲むことができます。

冷え対策漢方薬「葛根湯」

漢方薬として、代表的なものが「葛根湯」。
葛根湯の処方は 葛根1g、生姜9g、麻黄9g、桂枝6g、白芍6g、炙甘草6g
薬の名前となっている葛根よりも、生姜がたくさん使われていますね。

実は生姜の最大の薬効は“汗をかかせて邪気を追い出す”こと。冷たい風に吹かれた後や、かぜのひき始めは“寒邪(かんじゃ)”がまだ体表に留まっている状態。このときに汗をかいて発散することで、寒邪を体の外に追い出すことができるのです。

ただし、寒邪が体の奥深くに入ってしまった段階では、もう汗をかいても邪気を追い出すことはできません。だから「葛根湯はかぜのひき始めに」と言われるのです。

葛根湯が肩こりにも効くのは、体の末端に血液を行き届かせて冷えをとり、体表や筋肉の緊張をゆるめてくれるから。冬に肩こりがひどくなる人や、首が凝って頭痛がひどくなる人は、葛根湯を試してみるのもおすすめです。

生姜を食べると汗をかく 汗をかくと体が冷える

さて、ここで質問です。
「汗」の基本的な働きとはなんでしょう?

汗の最大の役割は「体温を下げること」です。
気温が高くなったり、運動したり、かぜをひいたりすると、体温が高くなって、発汗が起こります。汗が体の表面から蒸発するときに気化熱によって熱が奪われます。これによって体温は36.5度前後に保たれるようになっているのです。

つまり、汗をかくと体が冷える。ということです。
では、なぜ生姜を食べると、体がぽかぽかするのでしょうか?

生姜が効く末端冷え性

生姜を食べると体が冷えるなんて納得できない!
私は生姜で体調がよくなるし、冬は絶対に手放せない!
という人もいますよね。

生姜が効くタイプの冷え性は
手足などの末端が冷える「末端冷え性」。

○手足の先がいつも冷たい
○日中、動いているときはそれほど冷えが気にならない
○電車やお店など温かいところでは、汗ばむことがある
○寝る時に足先の冷えがつらい
○爪がうすい、割れやすい
○食欲は普通にある

といった特徴があります。

生姜の副作用にご注意を

生姜には血の巡りをよくして、末端まで届ける力があります。
体の中にはきちんと熱があるのだけれど、巡りが悪くて末端に届かず手足が冷える。そんな人には生姜がよく効くのです。

ここで気をつけたいのが生姜の副作用。
汗をかくほど生姜をたっぷり使ってしまうと、逆に体の熱が奪われて、冷え性が治らないどころかひどくなってしまうことも。

生の生姜は量がポイント。冬場の生姜は、巡りがよくなってぽかぽかを感じる程度の量にコントロールすること。汗をかくほど大量に食べるのはNGだということを忘れずに!

芯から冷える全身冷え性

これに対して、単なる生姜では解決できないのが
体の芯から冷える「全身冷え性」。

○お腹が冷える
○下痢や便秘になりやすい
○食が細い
○疲れやすい
○平熱が低い(35℃台)
○月経が遅れがち、量が少なめ 

といった特徴があります。

全身冷え性には“乾姜”がおすすめ

では、全身冷え性は何が効くのでしょう?
それは“乾姜(かんきょう)”

生の生姜に熱を加えたり、乾燥したりすると“乾姜”となり薬効も変わります。

漢方的にみると

乾姜(かんきょう)
性質:大熱/大辛
効能:温裏、健胃、鎮痛、強壮

温裏(おんり)というのは体の表面ではなく裏側(内側)を温めるという意味です。

つまり「乾姜」はお腹の中から温めて、体の冷えをとり除き、冷えによる腹痛や下痢・便秘などを改善してくれるのです。

消化吸収がよくなると、体中に栄養が行き届き、代謝も活発になって、ダイエットの効果も出やすくなります。さらに冷えによる各種の痛みも改善する。というもの。

ウルトラ生姜、レンチン生姜の作り方

最近、テレビや雑誌で話題となっている「レンチン生姜」も「ウルトラ生姜」も、生姜(しょうきょう)を乾姜(かんきょう)にするテクニック。

NHK「ためしてガッテン」で紹介された「ウルトラ生姜」の作り方は

■生姜を1〜2ミリの厚さにスライスして、室内で1週間程度乾燥させる
または
■生姜を1〜2ミリの厚さにスライスして、天日で丸一日乾燥させる


最近日テレの「ナイナイアンサー」で“運動しないで痩せられる”「レンチン生姜」として紹介されたものは、

■すりおろし生姜に生姜が浸かる程度の水を加え、500wの電子レンジで4分(750wの場合は3分)加熱する

というもの。
100度以上の温度で加熱すると薬効がなくなるので、お味噌汁やココアなどの飲み物に加えたり、料理の時も最後に加えて加熱しすぎないようにするのがポイントだと紹介されていました。

アットコスメの「生姜」のクチコミを見てみましょう

巡りをよくして体表や末端をさっと温める“生しょうが=生姜(しょうきょう)”と体を内側から温める“加熱・乾燥しょうが=乾姜(かんきょう)”の違い、おわかりいただけたでしょうか?

上手に使い分けをして、今年こそ寒さに負けないぽかぽか体を作りましょう!