【もくじ】

ゆっくり噛むとは、満腹中枢を刺激すること

おなかがいっぱいになったと感じるには、脳の中の視床下部という中枢に刺激が達することが必要です。この刺激としては、胃の中がしっかり満たされていること、血糖値が上がること、があげられます。

ゆっくりと噛む回数を意識して食事をすることで、たくさん食べなくても満腹感を感じるのにはさまざまな理由があります。
血糖値が上がる、ということを考えると、ゆっくり回数を多く噛むことで口腔内に分泌される、アミラーゼという酵素が大切になってきます。口の中のアミラーゼはゆっくり回数をかけて噛むことでより多く分泌され、口の中にある炭水化物を糖に分解します。糖に分解されれば、からだに吸収され、血糖値が上昇してきます。このような理由で、ゆっくり回数をかけて噛むことが大切なのです。

一方、早食いをしてしまうと、食べ物が口の中に滞在する時間も少なく、アミラーゼの分泌もそれほどでもない状態になります。そのため、食べ物が糖に分解され血糖値が上昇するのに時間がかかり、満腹感を得るまでによりたくさん食べてしまうことになります。

食事誘発性体熱産生(DIT)がおこる

食事をしたあとに、汗をかいたり、身体が温かくなったと感じたことはありませんか?これは、食事誘発性体熱産生といわれているもので、1日の身体の消費エネルギーの約1割を占めているとも言われています。ゆっくり回数をかけて噛むことで、腸管や肝臓での消化吸収がよりしっかり行われ、この食事誘発性熱産生が増えるといわれています。

食後安静にしていても、早食いからゆっくり食べるようにするだけで、カロリーが効率よく消費されます。カロリー消費のためにも、ゆっくり噛むことは理にかなっているのです。

噛む回数は何回が良い?

ゆっくりよく噛むことは『咀嚼法』とも言われており、厚生労働省の検討会では1口30回噛む習慣を勧める“噛ミング30(サンマル)”運動を提唱しています。ですが、1口に30回噛むことはなかなか実践しづらいので、もう少し手軽な方法ができないか様々な試みがなされています。

例えば、より噛み応えのある食べ物を選択することがあげられます。パンや麺よりはごはん、ごはんであれば白米よりは玄米、ハンバーグより生姜焼き、といった感じです。根菜類などもおすすめです。ただ、30回噛むことで食感を損なう可能性がある食べ物(お寿司やおそばなど)もあるので、一概に30回噛むというのではなく、あくまで目標値として考えてみるとよいでしょう。

また、個人的な感想ですが、実際、私自身も救急医療に従事していたこともあり、いつ次食べられるか、という環境の中でかなりの早食いでした。もともと早食いの人が、1口30回噛む、というのはなかなか難しいものです。

よく味わって食べるということと、家族や友人と楽しみながら食べる、という二つを行っていくと、自然とゆっくりよく噛んで食事をするのが実践しやすくなりますよ。

今回は、ゆっくりよく噛むことで健康的にダイエットしている方法について、メカニズムを踏まえてご説明しました。よく味わいゆっくりよく噛んで食事をすることで、健康的に楽しくダイエットしていきたいですね。