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その食欲は体から? 脳から? 2種類の食欲を見極めよう

涼しくなってきたら、なんだかとってもお腹が空く…。食欲の秋、到来です。

「お腹が空いた!」「最近食欲が止まらない…」そんなとき、少し立ち止まる余裕はありますか?

食欲は、人間の三大欲求のひとつです。実はこの食欲には「代謝性食欲」と「認知性食欲」の2種類があり、性質が異なります。食欲の性質を理解して、心身が満たされる食事法を身に付けましょう。

代謝性食欲:「おなかが空いた」という食欲=体の欲求

食事をしてから時間が経ち、不足したエネルギーを補うために空腹感を感じる生理的な欲求です。代謝性食欲は、食べることでしか解消できません。

認知性食欲:臭覚や視覚、記憶によって起こる食欲=脳の欲求

おいしそうな食べ物やにおいにつられて食欲がわく。これが認知性食欲です。「12時はお昼の時間♪」などの時間による食欲や、口寂しくて…ストレスで…など、つい何かをモグモグしてしまうのも認知性食欲です。

それぞれどのように対処していけばよいのでしょうか?

代謝性食欲の対処法

代謝性欲求は食べることでしか解決できないので、その食べ方に意識を向けましょう。

1.食べる際によく咀嚼する
2.血糖値の上がりにくい食べ物や食事法を意識する

咀嚼は、満腹中枢や幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌に働きかけるといわれています。よく噛んで食べることは、適量で食事をストップすることにもつながります。

また、体脂肪蓄積の要因にもなるインスリンの過剰分泌を避けるためには、血糖値の上がりにくい食事法を心がけましょう。食物繊維の多い野菜を最初に食べ、過剰な糖質摂取を避けることが大切です。

認知性食欲の対処法

脳の欲求から起こる食欲に対しては、冷静になることが大切です。

1.まずは5分考えてみる
2.温かい飲み物を飲み、心を落ち着ける
3.物理的な環境を変えて、リラックス空間に身を置く
4.体をリラックスさせる食べ物を取り入れる

なぜいま食べ物を欲しているのか、5分間考えてみましょう。脳からの欲求は5分間ほどで切り替わるといわれています。

「先ほど食べた食事の量は適切だった?」「最近偏った食事が多い?」「ただグルメ特集に気持ちが乗ってしまっただけ?」

考えてみると、実は気まぐれな食欲だった、なんてことが多いのがこの認知性食欲なのです。

考える5分間は物理的に環境を変え、リラックスできる空間に身を置いてみてください。難しい場合は、好きな香りを嗅いだり、温かい飲み物を飲んだりするのも効果的です。

ストレスを強く感じているときは、体がぎゅっと締まりすぎているのかもしれません。そんなときは、マクロビオティックで“体を緩める”とされている“陰性”の食べ物を少し取り入れてみましょう。フルーツや野菜ジュースなどがおすすめです。

食欲の秋は誘惑も多いのが事実。食欲に負けてしまっても、心身を満足させられるレシピがあれば安心です。ポイントは“食物繊維&食材の大きさ&旨味”。心身の食欲に対応できる、リセットレシピを2つご紹介します。

玉ねぎの皮ごとグリル

蒸し焼きにしてからグリルするだけの、旨味たっぷり簡単レシピ。玉ねぎだけで、主役になれるほどの満足感に注目です。

どんなお料理にも合う万能野菜である玉ねぎ。季節関係なく手に入るものも魅力的です。大胆にカットしじっくり火を通すことで、最大限に旨味と甘みを引き出します。

玉ねぎには、血液サラサラにつながるアリシン、むくみ防止に働きかけるカリウム、そして腸活に欠かせない食物繊維がとても豊富。また、皮にはポリフェノールが多く含まれているので、一緒にいただくことをおすすめします。

材料(2人分)

・玉ねぎ 1個
・レンコン 80g
・塩 ひとつまみ

*パルメザンチーズ(すりおろし)/粉チーズでも代用可能 大さじ1
*アーモンド(粗みじん切り) 大さじ2(15個分)
*パセリ(みじん切り) 1本分

・オリーブオイル 大さじ1
・バルサミコ酢 大さじ3
・はちみつ 大さじ1/2

作り方

1.玉ねぎを皮付きのまま縦半分に切る。レンコンも皮付きのまま1.5cm幅の輪切りにする。

2.1をフライパンに並べて塩を振り、蓋をする。弱火でじっくりスチームしながら熱し、旨味と甘みを引き出す。

3.玉ねぎとレンコンに火が通ったら、蓋を開けて強火にし水分を飛ばす。

4.耐熱皿に3の玉ねぎを乗せ、上から*印の材料をすべて振りかける。魚焼きグリルまたはトースターで、中火にし4~5分焼き色を付ける。

5.バルサミコ酢にはちみつを混ぜ合わせソースを作る。

6.4をお皿に盛り付け、オリーブオイルと5のソースを回しかける。

野菜の蒸し浸し

揚げるのではなく、野菜を蒸して出汁に浸すだけの簡単レシピ。

食物繊維が豊富な野菜。大きくカットすることで咀嚼を促します。蒸した野菜とかつお出汁の旨味は味覚と臭覚を満たし、色鮮やかな蒸し野菜は視覚からも食欲を満たすことができます。お好きな野菜を蒸して冷蔵庫に常備しておくと簡単です。

材料(2人分)

・なす 1本                        
・人参 50g               
・大根 100g
・長芋 50g
・オクラ 4本

簡単浸し出汁
・醤油 50cc
・本みりん 50cc
・水 200cc
・鰹節 5g

作り方

1.オクラ以外の野菜は皮を剥き、食べやすい大きさにカットする。

2.オクラを茹でておく。

3.蒸し器に1の野菜を並べ、15分ほどたっぷりの蒸気の中で蒸す。
※蒸し器がない場合はシリコンスチーマーや電子レンジで代用可能

4.小鍋に水を入れ沸騰させる。鰹節をお茶パックなどに入れ、沸騰したお湯に投入し1分ほど煮出す。

5.浸し出汁を作る。4の鍋にみりん、醤油の順で入れ、沸騰させてアルコールを飛ばす。

6.5の出汁をバットに入れ、蒸し上がった野菜とオクラを20~30分ほど浸す。

7.冷めたら冷蔵庫に保存する。

冷蔵庫で3日ほど保存可能。温麺の具にしたり蒸し鶏と合わせたり、幅広く楽しめる一品です。

ネバネバした長芋やオクラには水溶性食物繊維が豊富。腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整えます。これからの季節はきのこもおすすめです。かぼちゃやさつまいもにも食物繊維は多いですが、糖質も多いので適量に気をつけましょう。

食物繊維をエサにして腸内細菌が作り出す「短鎖脂肪酸」は腸内環境を整えるだけでなく、代謝アップや食欲を抑える効果も期待できるといわれています。

自分の体に耳を傾けよう!

本当の食欲かどうかを見分けるには、体の声に耳を傾ける習慣が大切です。食欲に負けそうになったらまずは5分間、どちらの食欲か考えてみましょう。

それでも食欲を抑えられないならば、満たしてあげるのもひとつの手だと私は考えます。「よく頑張ってる! 今は食で満たしてあげたい」と、ご自身で気付けたことが第一歩。食事の質や量は、心が満たされる分だけで充分です。そして、食べた後は「満たされて幸せだった」としっかり感じましょう。すべてはご自身のヘルシー&ビューティライフへの近道になります。

執筆:中島真知子、東愛子(腸活ビューティニスト)
編集/アットコスメ編集部