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著者は元より

著者は元より

 著者は元よりフオーストの如き哲学的生産の男主人公を作る可き戯曲家にはあらざりし。然れども清十郎の品格を※し来れば、忠兵衛、平兵衛、治兵衛、其他の如き暗迷の資性とは趣きを異にするところ多し、お夏の口にて言はせたる「姿は詞に語るとも、心は筆も及びなき」にて、既にその高品の心なる事を示し、追ひ払はれたる後に後悔の言葉、または末段の「虚言を云ふまじと、毎朝天道氏神を祈りしかども、若き者の悲しさは、只今非業に死んとは思ひも寄らず」より以下、句々妙味あり、述懐に於て其人品の異凡なる事を示せり。左ればお夏が愛情の自からに霊韻を含む様になるも自然の結果にて、作者の用意浅しと云ふ可からず。
 余は此篇を以て巣林子が恋愛に対する理想の極高なるものと言はんと欲す。世に恋愛なるものゝ全く抽き去るを得て、凡て神聖なる宗教的思想の統御に帰する事あらば、恋愛のことを談ぜざるもよし、苟くも恋愛が人生の一大秘鑰たる以上は、其素性の高潔なるところより出で、其成行の自然に近かるべきは、文学上に於て希望せざるを得ざる一大要件なり。
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