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宮城県名取市閖上地区へ。

宮城県名取市閖上地区へ。

先日用務で仙台に行くことがり、せっかくの機会なので、と思い、後輩と2人で早朝から津波の被災地を見に行ってきました。
(気分を悪くされる方が見えたら申し訳ありません。自分の体験を多くの人に伝えたいと思い、記事にしました。)

名取駅からタクシーに乗り、閖上地区に行きたい、と運転手さんに伝えました。
閖上地区は、震災直後に故障でサイレンが鳴らず、避難所への誘導の不備等が見られ、多くの方が逃げ遅れ津波によって亡くなられた場所です。
震災から3年以上経つ今も、住民と行政側の合意形成がされないことで、復興も遅れているのが現状です。

道中は運転手さんがガイド代わりで、当時の状況について詳しく解説してくださいました。

ほとんどの物が津波で損壊を受け、閖上地区には本当に何もありませんでした。

ここは仙台のベットタウンで多くの住宅、店がびっしりと立ち並んでいたようです。
見渡す限り何もなくなっていました。
写真を撮影したこの丘は、当時何人かの方が避難された場所だったそうですが、津波はこの丘よりも高く、避難した方々は皆、丘から叩き落されて即死だったと聞きました。

よく報道でも見る閖上中学校へ。

時計は地震の時間で止まったままでした。
公民館に避難しようとした方々が公民館の入館を断られたために、中学校に移動する途中に津波にのまれた、という場所です。
2階の壁に茶色い線が入っていますが、津波はそこまで来たそうです。
避難に間に合わなかった人たちが目の前で津波にのまれていくのをただ見ているしかなかったそうです。

当時、避難する車で地区内はかなり渋滞していたようですが、危険を感じた一人の青年が車を降り、周りに呼びかけて歩道橋に上がったそうです。
最初は信じずにいたようですが、すぐに津波がきて、目の前で多くの人たちが流されていきました。それを何人かの方が歩道橋から助けようとしましたが、自分を助けるとあなたたちも死んでしまうから、と目くばせをして拒否した人もしたそうです。

津波にのまれた人たちの遺体はかなり遠くで見つかったと、詳しい場所まで教えていただきました。

閖上地区だけでなく、多くの場所が津波の被害を受けたこと、自身も1か月以上避難所生活をしていたこと。
避難所では報道されているような「行儀良い日本人」とは言えない、大人のいじめ、物の取り合い、行政の対応の不十分さが見られたとのこと。
生き残った人たちも、夫婦仲が悪くなって離婚したり、精神的な問題で入院をしたり、店を閉めたりしていること。
当時は数日間市役所が避難所に来ず、食べ物もなく、かまぼこ屋の社長が配ってくれたかまぼこをみんなで分けたこと。しかし市役所では皆弁当を食べていたこと。
今も行政は利権のことばかりを優先し、住民の方を見てくれないということ。

時間がなく、1時間程度で回っていただきましたが、色々なお話が聞けました。

ここに書いたような話は、TVやネットでもいくらでも知ることが出来ます。
しかし、行って思ったのは、いかに現地で生の話を聞くことが大事か。
ということでした。
いかに自分が「分かっているつもり」になっていたか、軽く物事を考えていたか痛感し、反省するとともに、来て本当によかったと思いました。
百聞は一見にしかずと言いますが、まさにその通りでした。
どれだけ現地に足を運ぶことが大事なのか、こんなに実感したことはありませんでした。

そんなことで頭がいっぱいになり、運転手さんに満足に言葉を掛けることもできませんでした。
しかし最後に、運転手さんから
「来てくださってありがとうございます。今度そちらで何かあれば僕たちが行きますので!これからも東北をよろしくお願いします。」
と言われました。

また、別の機会に仙台市職員の方に話を伺ったときは、
もちろん災害時は行政がしっかり支援をすべきではあるが、誰しもが被災者になる災害時には住民自身も避難所運営に関わったり、皆が協力して助け合える体制を構築しなければならないと仰っていました。
仙台市には住民が避難所を運営する前提でマニュアルやチェック表が整備されています。
震災当時は当然ながら行政職員も人手不足になり、避難所の対応等で心を病んだ職員も多くいたようです。
全てを行政に頼り切らない対策の整備が必須、と聞いて素晴らしい取り組みだと感じました。
やはり、1人1人の心がけがいかに大事か、よく分かりました。
閖上のサイレンもそうですが、日頃から対策を行い訓練等を繰り返すことで、「備えの確認」も出来ると思います。

今は報道でも震災の話は少なくなり、被災地以外の人はどこか忘れたり、飽きたりしてしまっていると思います。
しかしそうではいけないとは思っていながら、何となく過ごしてきましたが、今回実際に行って、考えが変わりました。

これから自分に何が出来るのか、具体的に正直よく分かりませんが、この貴重な体験を無駄にせず、災害対策の重要さを人に伝えていきたいと思います。

皆さんも機会あればぜひ一度行ってみてください。
色々なものが得られると思います。

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コメント(27件)

  • 続)本当に最近は1年に何度も自然災害の話を聞く気がします。緊急地震速報など、色々な体制の構築も進んできているので一人一人が気を引き締めて過ごしたいですね。そして非常時は他の人を助けられるぐらいの人間でありたいものです。

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    2014/12/11 02:42

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  • 続)長野の話もそうですが、やはり「地元のコミニュティ」って大事ですよね。だんだん失われつつあるものですが、重要性を再度認識すべきものだと思います。仙台市の避難の際にも、自衛隊ではカバーできない細やかな対応を地元の消防団が行ったそうです。そういった棲み分けもスムーズにできるといいですよね。

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    2014/12/11 02:40

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  • 続)ボランティアがたくさん押しかけてその人たちの管理に人手が取られる、という話も聞きますが、外から助ける側は、それが現地の負担になることもある、と頭に入れておかないといけませんよね。もちろん、行政側も支援物資等の適切で迅速な扱いを定めておく必要があると思います。

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    2014/12/11 02:38

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  • >モリ×2さま 特に西日本の人間には、かなり遠い話になってきているのが実情です。報道があったとしても「復興しました」的な感動話で、実際まだ苦労されている方々などの暗い話はあまり入ってきません。募金や物資は震災当時配る人がおらず、宙に浮いていたようですが、どうなったんですかね…

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    2014/12/11 02:36

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  • 続)そして我々も積極的に訓練に取り組むなど、せめて「想定内」の事項は自分で対応できるよう備えておかなければなりませんね。まずは「自分の事」をしっかり管理することが、他の人の負担を軽減することにつながると思います。貴重なご意見を書いていただき、ありがとうございました。

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    2014/12/11 02:33

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  • 続)被災地のある管理職の方が、「職員のメンタルも考え、災害時等の対応は必ず2人以上でさせると決めている」と仰っていました。やはり、行動マニュアルだけでなく、冷静でいられない非常時は職員が精神的にも円滑に動けるように負担の少ない体制を考えておくことも結果的に住民のためですよね。続

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    2014/12/11 02:26

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  • 続)現地でもいつもの生活に戻れた方には風化の流れが出てくるのか…、と感じ寂しくなりました。だからこそ、行政が継続的に対策を講じていく必要があると思います。仰る通り行政の人間は色々ですよね。当時、心を病みながらも必死に頑張った職員も多いと思います。しかし現実から目をそむけた職員もいたでしょう。続

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    2014/12/11 02:23

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  • >eikeroroさま コメントいただきありがとうございます。報道で見ていただけの人間にとっては、現実を突き付けられ衝撃でした。間接的に見聞きすることでは心には響かないんだと改めて感じました。仙台の方が「仙台市の住民ですら震災が他人事になってきている」と悲しそうに仰っていました。続

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    2014/12/11 02:21

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  • 続)そして行政機関は住民が日頃から備えや心構えが出来るよう、「呼びかけ」をして体制を整えていくことが一番だと思います。日頃から住民を無理やりにでも「教育」する必要があるのではないかと。それを受ける側も積極的に協力していく必要がありますね。

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    2014/12/11 02:17

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  • 続)災害時、行政がすべてをカバーできるはずはなく、やはり自分でできる事には取り組んでおく必要があると思います。「誰かが助けてくれる」と皆が他力本願では、本当に必要な人に助けが行かない場合もあります。私たちは健康で物もある程度自由に買えるわけですし、出来ることはやっておきたいですね。続

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    2014/12/11 02:15

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  • >夏唯蘭さま 阪神大震災の時は子供だったので詳しくは分かっていませんでしたが、私も数か月後の神戸を見て建物がなくなっていることを知り、ショックを受けました。約20年かかってここまで来ましたが、一時は兵庫の人口はかなり減っていたわけですし、関係者の方も苦労されたと思います。続

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    2014/12/11 02:12

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  • >クッキー&クリームさま 非常時は行政も十分な対応をすることは難しいとは思いますし、名取市役所の方が悪いとは思いませんが、閖上の件では上手く意志疎通不足というか、今でも行政側が腹割って話せてないのかな、と思いました。地域の方にしか分からない事情がたくさんあるんだなと驚きました。

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    2014/12/11 02:00

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  • >ナチュラル娘さま 私もタクシーを降りた後、何も言えませんでした。タクシーの運転手さんにも満足にお礼が言えなかったので手紙を書きました。「言葉に詰まる」、まさにそんな体験でした。こういう時って本当に言葉が出てこないんだな…と自分でも驚きましたね…

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    2014/12/11 01:56

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  • >ブルームーンJさま 本当に貴重な体験が出来ました。今まで行かなかったことを後悔しました。興味本位で行くのは失礼かな、という思いもあったのですが、行って本当に良かったと思っています。やはり実際に見ると、いかに自分が忘れてしまっているか、実感できると思います。

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    2014/12/11 01:54

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  • →辛く悲しい事実ではありますが、紛れもない事実。最近は噴火、竜巻、大雨、大雪など天変地異が多すぎて、いつ、どこで、何が起こっても不思議ではない状態。明日は我が身…かもしれません。その時、自分はどうあるべきか考えなくてはいけませんね。どうか被災した人の心が一日も早く癒えますように…。

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    2014/12/10 01:20

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  • →先日の長野の地震ですが、倒壊被害が多かった割に死傷者が出なかったのが幸い!!住人が被災しながら隣人に声を掛け合うなどして、助け合いの精神に基づいていたんですね。個人主義の世の中にあって、素晴らしい取り組みだと思いました。どんどん記憶が風化していく中で、こうやって語り継ぐ事が大切だと感じます。→

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    2014/12/10 01:11

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  • 震災から約4年弱。メジャーな場所には報道関係者が来るそうですが、報道されない忘れ去られた場所がたくさんあるそうです。建物の崩壊・火災に加え、津波被害、放射能汚染…。問題が山積です。多額の募金も本当に必要な人のところへ行ったかも疑問です。「皆が被災者」である事を認識しなくてはいけませんね。→

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    2014/12/10 01:02

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  • 阪神大震災のときもそう。幼い時からの街並みが全部消える悲しみ。鬱になった方が多いです、身近にいました。人が変わったように・・・悲しい出来事です。できることをしてさしあげたいけれど、でもまずは自分を足元をしっかりしないといけないと日々感じております。長文失礼いたしました。

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    2014/12/7 16:22

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  • 地震があっても次々出てくる蚊のウイルス問題や外交・・・本当に地方議員が頑張らないとならないけれど、でもいざとなると人手不足。でも皆さん気弱になって半狂乱。傍観者はわからないかもしれないけれど、目の当たりにしたかたは、メンタルは正常判断は無理です。そして正常判断も強いてもいけない。続く

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    2014/12/7 16:17

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  • 微妙です。行政が倒れてしまっては今度はもっと機能しなくなってしまう。みんなが「助けて」といっても1人で100人もの話を1日中聞いてられない、でも聞くのがお仕事、でも自分が倒れられないと真剣に苦痛をもらしていた公務員も知っています。だらしない方もたくさんいます。皆さんが被害者なんですよね。続く

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    2014/12/7 16:13

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  • ごめんなさい、夏唯蘭さんに用事があり、眼にはいってしまいました。・・・あれはかなりこたえました。私はこうしていられるので被害者までもは言えませんが、当時の地震などで引っ越しをよぎなくされました。主人は何日かかけて歩いて帰ってきてくれたこと忘れていません。行政はなにをやっているのか。続く

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    2014/12/7 16:10

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  • 続≫ もちろん、杞憂に終わってくれることが一番です。これだけ騒いで何も起こらないかもしれない。私は何も起こらないであろうことを心から願いつつ・・・それでも必要最低限の備えに関しては怠らないようにしたいと思いました。

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    2014/12/7 15:17

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  • 続≫ そう考えると、やはりその土地に住む一人ひとりが”防災”に対して、向き合わなければならないんだと記事を拝見して感じました。いつか起こるであろう「南海トラフ大震災」等々に備えて、”貯金”や”保険”と同じように防災についても、改めてよく考えなければいけないと気付かされました。続≫

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    2014/12/7 15:16

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  • 私も19年前の阪神・淡路大震災のとき、父親に連れられて震災から一週間後の神戸へ行きました。神戸の街並みは綺麗に整えられましたが、あの震災直後の光景は今でも忘れることが出来ません。対応の不十分なところについては憤る部分も多々ありますが、行政側の職員も被災者なんですよね。続≫

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    2014/12/7 15:08

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  • 私もMAEMAE☆さんの記事を読んで、TVでは知ることのなかった事実を知りました(行政の対応が不十分の下りには怒りがこみあげてきました)。記事にして頂いて有難うございました。

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    2014/12/7 13:44

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  • 心にズシッときました。私はTVで観た状況しか状況を知りません…本当に貴重な体験をされましたね。ごめんなさい、何と言ってよいか言葉が浮かばず…もう一度、いろいろな事を考えてみたいと思います。

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    2014/12/7 06:53

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  • 本当に貴重な体験をなさったのですね。お話が聞けて良かったと思いました。時が過ぎると日常に流されてしまい、分かっていても流されがちですが今一度思いを馳せ考えたいと思いますね。

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    2014/12/6 23:30

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