
日本初のビューティ誌として、創刊22年を誇る『VOCE』の編集長・高橋絵里子さん。年間を通して誰よりも多くの新製品に触れる環境にいらっしゃいます。そんな高橋さんの審美眼に選び抜かれた、2020年上半期のマイベストコスメとは?
『VOCE』編集長・高橋絵里子さんが選んだ、マイベストコスメ
2020年上半期、新型コロナウイルスの感染拡大により突如世界が一変しました。そんな中、4月に発売された『VOCE』6月号は完売を記録。先が見えない不安な状況でも、美容へのパッションは途切れることなく続いていました。
変化する新しいスタイルを模索しながら、美容を楽しむスタイルを貫く、『VOCE』編集長・高橋絵里子さんにマイベストコスメを伺いました。
うるおいやハリ、理想に導く2020年上半期の大本命

発表されるやいなや、多くのメディアやSNSで話題となった化粧水。「@cosmeベストコスメアワード2020 上半期新作コスメ 総合大賞」に選ばれた大注目のアイテムです。
「使う前に容器を振ってマイクロバブルを発生させて使うこと、最後の一滴までエッセンスとオイルが97:3の黄金比率の配合で出てきてケアできることなど、ネタが盛りだくさん!」
アットコスメのクチコミも1500件を超え、どれも熱量の高いものばかり。こんなにも多くの人を魅了する理由とは?
「キモとなるのは美肌に深く関わる酵素力です。今までは取り去る働きばかりが注目されてきた酵素の奥深い働きに再着目。うるおい、ハリ、弾力ケアまで包括した新しい透明感ケアの最新理論と効果の確かさに唸りました」
すでにリピーターも現れ、「1本使い切り、2本目突入!」というクチコミも寄せられています。
透明感とツヤ感たっぷりな肌作りに欠かせない!

高橋さんが選ぶ、ふたつめのマイベスコスメは、「ローラ メルシエ」のクッションファンデーション。
ブームを経て、クッションファンデが定番アイテムとなった今、「ローラ メルシエ」から期待の一品が発売されました。なかなか自分に合うものに出会えていない人も、これでクッションファンデ迷子から卒業できるはず。
ローラ メルシエ
発売日 2020/3/4
スタイルを持っている人、コスメに惹かれます
“内面の美”について、多様性が叫ばれる時代だからこそ、美容に関して自分の考えやスタイルをきちんと持つことが大事だと答えてくれた高橋さん。注目しているコスメに関してもメジャーな視点からはもちろん、ニッチな分野のユニークなプチプラアイテムまで幅広くチェックされていました。
「今のような前例がない事態になって考えるのは、やはり体調を整えることも大切ですが、心の調子を整えることが大切だということ。ポジティブな心やユーモアを忘れないようにしたいと思っています。不安を煽るような内容の地上波のテレビは、主要なニュース以外はなるべく観ないようにしていました。ネット叩きや、なんとなくみんながやっているから私もやるという“同調圧力”などについて考えさせられる時代だからこそ、自分の考えやスタイルをきちんと持ち、しなやかに強く生きる人に惹かれます」
「『VOCE』でも人気の田中みな実さんや、Mattさんのような”ブレない生き方”に注目。毎号のように登場していただいている田中みな実さんは、はじめはブリッコ的な印象でしたが、彼女の確固としたスタイル、ひたむきな美への追求の姿勢は、まわりをどんどん動かしていきました。いまや、誰もが認める美のカリスマ的存在です」
多様性時代ともいえる今、ブレない一貫した考えやスタイルを持つ人が多くの人々を惹きつけるのかもしれません。目まぐるしく変化していくであろうこれからのビューティシーンで、高橋さんが気になっている美容トピックとコスメブランドも教えていただきました。
プチプラ界の実力者として、各美容誌ベストコスメの常連ブランドとして人気の「Fujiko(フジコ)」。この春発売されたユニークなアイテムは、早くも話題になりました。メイクくずれした部分に液をのせて、指でポンポンとするだけで余分な皮脂や汗を吸収してくれます。
ハンドケアやスカルプケアで#おうち美容にじっくり取り組む
新型コロナウイルスの影響で、出版業界もリモートワークが急激に進みました。「オンライン会議や打ち合わせなど、コミュニケーションの方法にバリエーションが増え、いろいろなツールを使ったりと未開拓の分野に少しワクワクしました」と語る高橋さん。外出自粛期間中、おうちで実践していた美容法とは?
海外ドラマを観ながらハンドケア
「自宅でPC作業をしたり、大好きな海外ドラマを観る機会も増えました。その時間を美容に有効に活用したいと思い、作業中の傍ら常にハンドクリームを常備。塗ってしばらくして表面を確かめ、しっかり入ったな、浸透したなと思ったら再度塗る、というステップを入らなくなるまで何度も繰り返しじっくりとケアしました」
2020 上半期トレンドキーワードとなった“ハンドケア重視”。感染予防のため手を洗う機会も多くなったため、高橋さんをはじめ多くの人が手先のケアを取り入れていたようです。
凝りやすい頭皮を入念にマッサージ!
「忙しいときはやりたくても面倒で、たまにしかできなかった頭皮美容。おうち美容で積極的に取り入れるようになりました。スカルプケアエッセンスを使い、簡単にほぐすマッサージをしたり、テレビや映画鑑賞中に短時間でも頭皮をほぐす美容家電でマッサージを実施。なるべく毎日するように習慣づけています。顔がリフトアップするといいのですが」
ワクワク元気にさせる、美容の力は引き続きパワフルに!
こんな状況の中でも、世の中の女性たちの美容欲がモリモリと高まっていることを実感したと言う高橋さん。新しいライフスタイルに本格的に突入する、2020年下半期に向けて美容への思いを伺いました。
「おうち美容の時間が増えてスキンケアの楽しさに目覚めた人、オンライン会議で自分が映し出される映像を見て、エイジングケアの必要性を実感した人もいたと聞きました。この機会に美容に目覚めてくれた“美容好き入門組”が生まれたということは、私たちにとっても喜ばしいことです」
外出自粛期間中は以前と同じようにコスメを買うことができませんでした。それでも「誌面で紹介されたカラフルな夏の新作コスメを見てワクワクした」という、読者からの前向きな声が編集部に多く届いたそう。
「読者の方からポジティブな声を多くいただき、美容は人を元気にさせる力があるのだと、改めて感じました。肌のお手入れ熱は、これからますます高まりそう。オンラインで購入できるスキンケア&コスメや、美容ギア・家電などは、より需要が増す兆しがあります。製品のその先にある理論や使い方に、読者の関心が高まるような気がします」
「変化するライフスタイルに寄り添いながら、エンターテインメント性とリアルな実用の両面で、引き続き美容の力を届けていきたい」と言う高橋さん。新しい時代をリードする、力強さを感じました。
『VOCE』編集長・高橋絵里子さん

文/根笹美由紀
(アットコスメ編集部)