話は長くなります。

ずっと寄り添ってきた親友と呼べる人と絶縁しました。

私: 裕福な家庭に育つ。裕福と言っても、両親、祖父母が懸命に働いてくれたから裕福なだけです。また家は小さいクリニックをやっています。

友人: 本人曰く、お父さんは地方公務員、母親は専業主婦の貧しい家庭に育ったそうです。

大学生の頃、私は彼女と出会いました。一緒にいると楽しく、彼女は素直で、正直者で何でも相談できる仲でした。私は彼女(Aと呼びます)と、彼女が紹介してくれた女の子(Bと呼びます)と３人で行動をいつも共にしていました。

私達3人はそれぞれ下宿をしていました。私の下宿先が一番大学に近かったのでよく私の家で集まっていました。

Aはその内自分の下宿先に帰らなくなりました。私が授業の時も私の下宿先に居り、偶に様子を見にきた母親と鉢合わせになっても呑気にテレビを見ていて帰ろうともせず、勝手に冷蔵庫のものを食べるなど、まるで自分の家のような立ち振る舞いになっていきました。

自分の下宿先の鍵のスペアキーを私に渡してきたりもしました。授業中など、冷凍し忘れた食材、洗濯機に入れたまま干し忘れた洗濯物などをお願いするためでした。

一番困ったのが食材です。3人でたこ焼きパーティーをしようと食材を買いに行った時に、蛸が高いから要らない、これが代用になるよ、みたいなことを言うのです。あれは高いからこっちにしよう、あのスーパーの方が安いからあそこまで行こう、じゃないとお金を出さない、平気で言える人でした。

それから私のパソコンに勝手にインストールをするだのいろいろなことが起こって、ついに私はAに胸の境地を話し、自分の下宿先に帰らせました。

それ以降二人ともたまに泊まりに来ました。ただBが泊まりに来ていないかとよくAが偵察していました。探偵並みの嗅覚でした。

大学時代はずっとこんな感じでした。
問題は多々ありましたが、Aの人柄は人懐こく、本当に明るい人で私達もその時は憎めませんでした。

私達は社会人になり、夏休み、有給を駆使してAの希望でタイに行きました。

旅行前日にAが39度の熱を出してしまい、私とBは辞めた方が良いと説得したもののお金が返ってこないからと無理矢理強行しました。

案の定彼女はツアーの間はフラフラでバスから離れられず、フリーの日はベッドで過ごしました。腹が立ったのは、フリーの日に、私を置いて行けるんやね、と嫌味を言ったこと、ご飯にこんな高いお金を出したくないからお土産や屋台の試食で済まそう、と言ってきたことです。

部屋がずっとシングルベッド×2と簡素ベッドだったんですが、風邪をひいているAを簡素ベッドに寝かせられないと私とBが交代で寝ていたのですが、最終日の夜、Aが遠慮して簡素ベッドに寝ました。

仲違いしたのは旅行から帰ってきてからです。ありとあらゆるSNSにタイに興醒めしただの、ご飯が不味い、熱があったのに簡素ベッドに寝かされた、お金持ちには貧乏の気持ちがわからない、お金を無駄にしただのを書かれました。私はもう怒りに怒りました。

彼女は、悪気があって言ったわけじゃない。私は無理に出したのに行くに値しなかったと感じただけ。お金持ちって書いたのは(私)みたいな子はお金があるから、まぁこんな物だろうと妥協できるけど私にはできないから書いた。簡素ベッドの件はずっと申し訳ないと思っていたから遠慮したけど、本当は譲って欲しかった、と言いました。

最終的に彼女は「前も言ったけど、医者の子は高いお金払って塾に行って医者になって甘い汁だけ啜っていきる。私みたいな貧乏な親を持つ人間はずっと貧乏だし苦渋を舐めて生きないといけない。そうやって社会は成り立ってる。そっちの世界に生きる人には一生わからないから私の気持ちをわかってもらおうとは思えない」と言われました。またSNSにそう書かれました。

私は医者になった身内を尊敬しています。だって一番苦労してきたことを知っているから。受験戦争後、皆んなが大学で遊んでいる間も、6年間朝から深夜まで勉強をし続け、ようやく国試に受かっても、フラフラになりながら安月給で研修を2年。その後も毎日深夜問わずフル稼動で走り回りながら学会の勉強と発表、それがずっと続くのです(科によりますが)...医者が金持ちと思うかもしれませんが、開業するのに億単位の貯金も必要です。

それに友人には医学部に通う苦学生だっていますし、医者になりたくなくても強いられた人もいます。

彼女の苦しみを私はわかってあげられないように、どんな家庭にも見えないだけでその家庭なりに辛く苦しいことがあるものです。度合いはもちろん違うと思います。同様に幸せの形は人それぞれですし、何に幸せを見出すかだと私は信じています。とても悲しいです。