
美肌成分を紐解く VOL.1 ”保湿成分” 「しっとり」「うるうる」するヒミツとは?
やってきました、乾燥の季節! 毎年、この時期になると乾燥対策に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
そこで、この特集では保湿成分を徹底解明。
日々コスメ界をパトロールし、新製品のリサーチもパーフェクトな“みよじ刑事”こと、岡部美代治さんから保湿成分のことを徹底的に教わりました。もともと化粧品会社で製品開発を担当していたビューティサイエンティストの岡部さんは、前職でも、やさしくかみくだいた発表会の解説に定評があります。
★今回取材したのは、ビューティサイエンティストの岡部美代治さん

コーセー研究所、アルビオン商品開発担当を経て、独立。コンサルタント事務所「ビューティサイエンスの庭」を主宰。最近は某美容雑誌で“みよじ刑事”としてのキャラクターが話題のほか、さまざまなメディアで活躍中。著書:「素肌美人になれる 正しいスキンケア辞典」(高橋書店刊)など多数。
今回ご紹介するのは、“聞いたことがある”はずのヒアルロン酸、コラーゲン、セラミドという3つの人気保湿成分です。肌にとってなぜ保湿が必要なのかをはじめ、それぞれの成分の特徴を理解して、今年の保湿を万全に。しっかり保湿して、乾燥知らずの肌を目指しましょう。
さて、美容の記事で必ずといっていいほど目にする「保湿成分」。
「保湿というのは、大切な要素が実は3つあるんです。1つ目が、肌に水分を与える“湿潤成分”。2つ目が、大切なのが与えた水分を守る“エモリエント成分”です。そして3つ目として、肌へのなじみをよくする“浸透促進成分”というものを加えて、保湿が成り立っています」と岡部さん。
そう、保湿って、水分を与えるだけじゃ、ダメなんですね…。もしかしたら私たち、ちょっと誤解していたかも??
<保湿にマストな3つの成分>
①湿潤成分(肌に水分を与える)+②エモリエント成分(与えた水分を守る)+③浸透促進成分(肌へのなじみをよくする)➡︎保湿
では、なぜこれらの保湿成分が必要なのか、岡部さんが、肌の角層を干ししいたけに例えて説明してくれました。
「乾燥した角層は硬くて、保湿成分がなじまないのですが、先に水分を与えると、その後はスムーズに肌になじみます。スキンケアのステップでは、洗顔後は化粧水で水分などを先に与えて肌をやわらかくほぐし(湿潤成分)、その後、乳液やクリームでうるおいが逃げないようにする(エモリエント成分)、というのは理に叶っているということ。(アルビオンのように、乳液で両方の仕事をするアイテムもありますが)」
つまり、どんなに高級な美容液やクリームを使ったとしても、もともとの肌が乾燥した状態だと、せっかくの有効成分もなじんでいかず、効き目も感じられないということ。あたりまえだけど、保湿は美肌の基本の「き」ですね。

乾ききった干ししいたけに、いきなり醤油や砂糖などの調味料を加えても、味がなじまないように、乾燥した角層は硬くて、直接エモリエント成分などの保湿成分を与えてもなじみにくい。

水でふやかす(湿潤成分)とやわらかくなり、保湿成分もなじみやすくなるが、均一に内部まで保湿がいき渡るには充分でなかったり、時間がかかる場合も。

水が早く浸透するように、浸透促進成分が通り道をつくると、均一にふっくらうるおった状態に。さらに表面のうるおいをキープするエモリエント成分が働けば、肌はうるおって艶やかに見える。一度水でふやかしたしいたけは、煮物に調味料などがしっかりとなじみやすくなり、ふっくら艶が出て美味しそうな出来上がりになるイメージ。
代表的な保湿(湿潤)成分「ヒアルロン酸」
1gで約6リットルの水を抱える力があるというヒアルロン酸。

ヒアルロン酸、イコール保湿成分として有名ですが、これはどうして?