
■ 国家の品格
■ 新潮社
■ 藤原 正彦
『国家の品格』がベストセラーになった、数学者の藤原正彦さんが好き
新聞で彼の名前を見つけると切り抜いて何度も読み返す
新田次郎と藤原ていの血筋からか
文章が簡潔で適度にユーモアがあり、とても読みやい
『国家の品格』では数学者である著者が
「論理よりも情緒が大事だ」と論じており
情緒を育む形が武士道精神だ、今の日本はこれが廃れてしまったと言っている
左翼系の人は彼の考えに違和感があるかもしれないが
私が保守的なのか、それとも剣道一家の人間だからなのか
共感できることが沢山ある
彼は『弱い者がいじめられているのを見て見ぬふりをするのは卑怯だ』
と父親から常に言われていたので
弱い者いじめを見たら身を挺して助けに行ったという
父の教えが良かったのは『それには何の理由もない』
『卑怯だから』でおしまいだったことで
藤原氏は、ひたすら父の教えを守ったという
『卑怯を憎む心をきちんと育てないといけない
法律のどこを見たって「卑怯なことはいけない」なんて書いてない
だからこそ重要なのだ』
という彼の言葉に深く頷いてしまう
「卑怯を憎む心」を多くの日本人がもてば、世の中は変わると思う
■ 夫の悪夢
■ 文藝春秋
■ 藤原 美子
さーて、『卑怯だから男が女をぶっちゃいけない』はずなのに
彼は、超美人でモテモテの奥様に
『結婚してくれなかったら思いっきりぶつぞ』と言ったらしい
その美人の奥様のエッセー集『夫の悪夢』がとても面白い
編集者から『夫の品格』というタイトルを奨められたけれど
OKしなかったというから、エッセーの小気味よさそのままのエピソードだ
『国家の品格』なんて偉そうな事を言ってる正彦氏の情けない姿が
ふんだんに登場してきて、正彦さんファンの私もついつい頬が緩んでしまう
単にこき下ろすだけでなく、愛があって仲良し夫婦なのが伝わってきた
正彦氏が奥様に向かって、『もう暴露するのは止めてくれ~』なんて
言ってる姿が想像されるような、極上のエッセイ集です
anzu_ameさん
あるきめですさん